AMD HEROES

twitter
facebook
line

Ryzen 7&B350のコスパPCが脱“Sandyおじさん”に最適なワケ

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラ ハッチ
Ryzen 7 2700XとGTX 1080の組み合わせが武器な「NEXTGEAR-MICRO am540PA2」。マウスコンピューターの直販サイトで税別17万4800円で販売中だ。

“Sandyで十分おじさん”は「NEXTGEAR-MICRO am540PA2」のコスパに驚くがいい!

 PC全体をリプレースしなければならないようなOSやアプリのアップデートは、今では全く見られなくなった。今普及しているPCの基本性能が上がったせいだが、ハイエンド機の役目はなくなったかと言うとそうでもない。動画編集や高画質&高解像度のゲームプレイなど、コアな楽しみ方をしようとすればPCのスペックはいくらあっても足りない。

 しかし、ハイエンドPCは金のかけかたが難しい。一体どこまでが“リーズナブルな投資”で、どこからが“道楽”レベルなのか、はっきりしないところがある。だが今回紹介するマウスコンピューターの「NEXTGEAR-MICRO am540PA2」は、税別17万4800円のマシンにして、8コア16スレッドの「Ryzen 7 2700X」と、現行GPUでは群を抜いてコスパの高い「GeForce GTX 1080」を組み合わせた製品だ。

 PCの買い替えは、内閣府が4月9日に発表した「消費者動向調査」によると平均で7年。6〜7年前から買い替えを行なっていない場合は性能がとても低く、OSもXP、Vistaと古くサポートが終了しているため、継続しての利用は大変危険だ。今回はこのNEXTGEAR-MICRO am540PA2がどの程度のパフォーマンスを秘めたものなのか、旧世代PC構成との比較を交えて紹介したい。

「NEXTGEAR-MICRO am540PA2」の主なスペック
CPU AMD「Ryzen 7 2700X」(8コア/16スレッド、3.7〜4.3GHz)
グラフィックス GeForce GTX 1080(8GB)
チップセット AMD B350(Micro ATX)
メモリー 16GB(8GB×2 PC4-19200)
ストレージ 1TB HDD(7200rpm SATA3)
インターフェース DisplayPort出力×3、DVI-D出力、USB3.1×2、USB3.0×5、USB2.0×2、ギガビットLANほか
サイズ/重量 196(W)×430(D)×417(H)mm/約10.2kg
OS Windows 10 Home(64ビット)

メッシュ構造のケースによる高い冷却性能を実現

 NEXTGEAR-MICRO am540PA2はタワー型デスクトップだが、よりコンパクトなMicroATXをベースにしている。コンパクトさを追求すると冷却面で不利になりやすいが、本機はメッシュ構造をふんだんに取り入れたお馴染みのケースを使うを使うことで、これを見事に解決している。

MicroATXなので拡張スロット数は少ないが、背面にこれだけ端子類があれば拡張性に問題はないはずだ
内部は非常にスッキリ。CPUクーラーはインテル製CPUだと無骨なトップフロークーラーだが、本機はRyzen 7 2700Xなので市販品と同じ「Wraith Prism」クーラーが使われている通電時はCPUクーラーは鮮やかなレインボーカラーで発光する。静音性も結構高くてカッコ良いのは◎だ。

 CPUとグラボのセレクションは非の打ち所のないものだが、唯一気になるのが標準構成のストレージがHDDであること。7200回転のものが使われているとはいえ、OSやアプリの起動時間は長めだ。だがこれはBTOでSSDを追加すれば劇的に改善できる。プラス1万800円で256GBのNVMe SSDが組みこめるので、購入時はぜひSSDをプラスしていただきたい。

Sandy Bridge世代より動画変換などが2倍速い!

 ではNEXTGEAR-MICRO am540PA2のパフォーマンスを検証しよう。今回は筆者の元でほそぼそと生き残っているSandy Bridge世代のCore i7-2600KをベースにしたPCと対決させてみた。“Sandy Bridgeで十分おじさん”は、この結果を見て最新Ryzen搭載PCの凄さを感じて欲しい。なお、グラボはGTX 970のOC版、ストレージはNEXTGEAR-MICRO am540PA2に合わせHDDとした。

【比較機スペック】
CPU Intel「Core i7-2600K」(4コア/8スレッド、3.4〜3.8GHz)
マザーボード ASUS「P8Z68-M PRO」(Intel Z68)
メモリー Corsair「CMY16GX3M2A2133C11」(DDR3-2133、8GB×2)
グラフィックス ASUS「STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5」(GeForce GTX 970)
ストレージ 1TB HDD(7200rpm)
OS Windows 10 Pro(64ビット April 2018 Update)

 まずはCPUの馬力をみるのに最適な「CINEBENCH R15」だ。今回の対決ではNEXTGEAR-MICRO am540PA2があらゆる面で勝つのはわかりきったことだが、今回は勝ち負けではなく、8年落ちのPCと最新PCの歴然たる差をご覧いただきたい。

「CINEBENCH R15」のスコアー

 マルチスレッド性能も高いがシングルもかなり高い、というのが第2世代Ryzenの特徴。このテストでもそれが良く出ている。特にSandy Bridge世代のCore i7のシングルスレッド性能をかなり上回っているので、何気ない操作もキビキビするはずだ。

 このマルチスレッド性能は、クリエイティブ系アプリで最大限に発揮される。そこでAdobeのCreative Cloud系のアプリをいくつか使用し、ベンチマークしてみた。

 ひとつめは動画エンコーダーである「Media Encoder CC」を使用。再生時間約5分の4K動画(ゲームプレイをShadowPlayで録画したもの)を、フルHDにスケールダウンしつつMP4形式に書き出す処理時間を比較した。

「Media Encoder CC」による動画変換時間

 CINEBENCHのマルチスレッドテストでも示された通り、NEXTGEAR-MICRO am540PA2に搭載されたRyzen 7 2700Xのマルチスレッド性能はCore i7-2600Kの2倍以上。このテストでも2700Kの半分以下の時間で処理を終えている。旧世代PCでは20分かかる処理が9分というのは極めて大きい。

 続いては「Lightroom Classic CC」だ。ここでは200枚のRAW画像(解像度は6000×4000ドット)を最高画質のJPEG形式で書き出す時間を比較する。書き出す際にはスクリーン用のシャープネスを付与している。

「Lightroom Classic CC」によるRAW画像書き出し時間

 シャープネス処理は各コアに高い負荷がかかるため、第2世代Ryzenのような多コアCPUが有利となる。このテストでも旧世代PCのほぼ半分の時間で処理を終えている。

 次に「After Effects CC」を利用する。ここではネットで手に入るフリーのテンプレートの中から「Heatwave」と「Lightning」の2つを選び、それぞれレンダリングする時間を比較した。

「After Effects CC」のレンダリング時間

 このアプリではLightroomやMeida Encoder以上にNEXTGEAR-MICRO am540PA2が速い。CPUのパワー差に加え、GPUのパワー差がこれを支援しているのだ。

ゲームは30fps以上差!快適度は段違い

 ここまでパワフルなPCならば、PCゲームも快適だ(G-TuneブランドのPCなので、本来はゲーム用だが)。まずは「3DMark」のスコアーを比較。

「3DMark」のスコアー

 このテストはGTX 1080のパワーが遺憾なく発揮された結果となった。Ryzen 7 2700XがCore i7-2600Kの2倍強の性能なら、GTX 1080はGTX 970の2倍近い(スコアーにはCPUの性能も加味されるので、単純比較はできない)。特に負荷の高いTime Spyでは2倍以上になっているので、CPUとGPUのパフォーマンスのバランスが重要になる。その点、NEXTGEAR-MICRO am540PA2は非常に良好な性能であるといえる。

 続いてはVR環境でのパフォーマンスを見る「VRMark」だ。現行VR環境における利用を想定した“Orange Room”と、DX12ベースのVRアプリを想定した“Cyan Room”のスコアーが重要になる。

「VRMark」のスコアー

 今回準備した旧世代PCはGTX 970を搭載しているだけあって、Orange Roomのスコアーは比較的高い。テスト中の平均fpsは110fps強なので、割と動いてしまうという印象を受ける。だがDirectX 12ベースのCyan Roomだと突然失速する印象。将来的に増えるであろうDirectX 12ベースのVRコンテンツに備えるなら、NEXTGEAR-MICRO am540PA2に乗り換えておくべきだろう。

 次は重量級タイトルである「Assassin's Creed: Origins」を利用する。画質は“最高”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用して平均fpsを比較する。解像度はフルHD/WQHD/4Kの3通りで検証した。

「Assassin's Creed: Origins」の平均fps

 GPU並CPUへの負担も高いゲームであるため、コア数の多いCPUを備えるNEXTGEAR-MICRO am540PA2のパフォーマンスの高さが際立つ。旧世代PCでも画質を下げればプレイ可能だが、最高のクオリティーでプレイしたければ、NEXTGEAR-MICRO am540PA2は非常に魅力的。解像度WQHDでも平均60fpsは出せる点に注目したい。

 続いてはゲームの重さとしてはミドル級の「Far Cry 5」で試してみる。こちらも内蔵ベンチマーク機能を利用して、平均fpsを比較してみた。画質は“最高”に設定している。

「Far Cry 5」の平均fps

 フルHDなら旧世代PCでも平均60fpsは出たが、その上の解像度になるとカクつきがひどい。NEXTGEAR-MICRO am540PA2ならWQHDでも常時60fpsをキープしながらプレイできる。最新ゲームを最高の画質で遊びたい人なら、NEXTGEAR-MICRO am540PA2は非常にオススメだ。

 最後にいまだ人気衰えぬ「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」でも試してみよう。画質は“ウルトラ”とし、Erangelマップでのリプレイ再生時のフレームレートを「OCAT」で測定、平均fpsを比較する。

「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」の平均fps

 旧世代PCでもフルHDなら平均50fps出せるが、最低fpsが30fps程度に落ち込むので、素早く振り向いた時のカクつきが酷く、銃撃戦では敵の動きを見逃しやすい。これに対しGTX 1080を搭載したNEXTGEAR-MICRO am540PA2はほぼ60fps以上をキープできるため、シビアなバトルに勝ち残れる可能性が生まれる。PCゲームではPCのスペックも重要なのだ。

まとめ:ゲームにもクリエイティブ系アプリにも強い

 以上でNEXTGEAR-MICRO am540PA2のレビューは終了だ。G-TuneブランドのPCは昨今の“ゲーミング〇〇”にしては落ち着いたデザインだが、スペックは切れ味鋭い。GTX 1080ならほとんどのゲームを快適に楽しめるし、Ryzen 7 2700Xのパワーを活かしてプレイ動画等の編集もサクサク進められる。ゲームを遊ぶだけでなく、プラスアルファの使い方をしたい人にオススメしたいPCだ。

 唯一残念なのは、本機のチップセットが「B350」であることだ。第2世代Ryzenの“X型番”のCPUと“X470”チップセットを組み合わせると「Precision Boost Overdrive」という機能が使え、さらにパフォーマンスが伸びるのだが、B350だと有効にならない。もっとも原稿執筆時点ではPrecision Boost Overdriveはまだ開発中の機能であるので仕方ない部分ではある。だが第2世代Ryzenの性能はほぼ活かせており、残り数%の性能アップのために高コストなX470マザーボードを使わない、という判断は十分リーズナブルである。

価格・構成は、記事作成日のもの。最新情報はマウスコンピューターのサイトを確認して欲しい。

この記事もおすすめ

PAGE TOP