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【AMDチップセットマザーボードレビュー第4回】

高コスパ&高耐久! 基本に忠実でバランス抜群のASRock「X570 Steel Legend」 (1/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

基本に忠実、部品の品質を高めることで高耐久を担保

製品名:X570 Steel Legend
メーカー:ASRock
実売価格:2万5000円前後

 ASRockの「Steel Legend」シリーズは、2019年初頭、AMD B450チップセット搭載モデルからスタートしたまだ比較的あたらしいシリーズだ。コンセプトは「コスパ」と「耐久性」。コスパはもともとASRockが強みとしているところ。そして耐久性もここ数年のASRockが重視してきたところだ。ただ、通常なら地味になりがちなこの2つのコンセプトをASRockが融合した結果、何故かモノトーンのデジタル迷彩をした見た目にもインパクトあるマザーボードが出来上がり、もうすっかり自作ユーザーの心を掴んでいる。

 今回紹介するのはそのAMD X570チップセット搭載モデル「X570 Steel Legend」。比較的高価とされるAMD X570でコスパと耐久性を両立するのだから注目されないわけがない。最初に一つ断れば、X570 Steel Legendは激安クラスの製品ではない。AMD X570マザーボードでも2万円以下の製品はある。コスト全振りではなく、そこに耐久性を加え一つ上の安心、長期間の安定を目指している。そこのバランスに注目していこう。

「X570 Steel Legend」の主なスペック
対応ソケット Socket AM4
チップセット AMD X570
フォームファクター ATX
メモリースロット DDR4×4(最大128GB)
対応メモリークロック DDR4-4666(OC)~3466(OC)、DDR4-3200~2133
拡張スロット PCI Express 4.0 x16×2(x16/x4)、PCI Express 4.0 x1×3、M.2(WI-FI用2230サイズ)
ストレージインターフェース SATA3(6Gbps)×8、M.2(PCIe4.0x4/SATA3)×2
ネットワーク ギガビットLAN(Intel I211-AT)
サウンド 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC1200)
リアインターフェース PS/2×1、USB3.2 Gen2 Type-A×1、USB3.2 Gen2 Type-C×1、USB3.2 Gen1 Type-A×6、オーディオ端子×5、SPDIF端子×1、DisplayPort 1.2×1、HDMI 2.0×1
M/B上インターフェース AMDファンLEDヘッダー×1、RGB LEDヘッダー×1、アドレサブルLEDヘッダー×1、Thunderbolt AICコネクター×1、USB2.0ヘッダー×2、USB3.2 Gen1ヘッダー×1など
高耐久&高コスパ、多くの自作ユーザーが求める2つの要素にフォーカスしたX570 Steel Legend

 X570 Steel Legendは激安クラスではないが、2万円台半ばのメインストリーム価格帯にある。よってLEDなどの演出も、地味すぎずハデぎず、絶妙なバランスと言えるだろう。マザーボード上ではI/Oパネル部分のカバー、チップセットヒートシンクの2箇所にRGB LEDが搭載されている。

I/OシールドとチップセットヒートシンクにLEDを搭載。発光する2箇所が斜め直線上に配置されており印象的
メモリスロットの右上にAMD純正CPUクーラー用のRGB LEDヘッダーを搭載
マザーボードの下部中央付近にはRGB LEDヘッダーとアドレッサブルRGB LEDヘッダーを搭載
RGB LEDの設定は専用ユーティリティ「POLYCHRPOME SYNC」から行なう

 VRMヒートシンクは、ソリッドタイプでソケットの上部、左と別れたセパレートタイプ。ヒートパイプで2つを結ぶようなこともなくシンプルな構造だ。中空構造をベースにスリットを設け、放熱面積を大きくした設計になる。

上から見るとシンプルだが、横から見るとかなり彫り込みの多いヒートシンク

 その下のVRM回路は、10フェーズで同じ価格帯で周りを見ても比較的大人しい。ただ、よく見てみれば、大人しい回路でも用いられるコンデンサはニチコンのFP CAPで12K、つまり1万2000時間の耐久性を持つグレードを採用していることが分かる。こうしたところでバランスをとっているのだろう。

マザーボード上で用いられている固体コンデンサはニチコンのFP CAPの12K品

 回路を追っていくと、PWMコントローラはデジタルで、Intersil(Renesas Electronics)の「ISL69147」。この価格帯のモデルに採用されるデジタルPWMコントローラと言えばこのチップだ。そして次段は同じIntersilのフェーズダブラー「ISL6617」が用いられている。実装はマザーボード裏面になる。そしてその次がMOSFET。10フェーズの内訳は8+2フェーズ構成となっており、8フェーズ側はDr.MOSでVishay Intertechnology「SiC634」、2フェーズ側は「SiC632A」が用いられていた。SiC634側は1フェーズ50Aまで対応し、ATX/EPS12Vも8+4ピンと余裕を持たせている。

デジタルPWMコントローラのIntersil「ISL69147」
フェーズダブラーのIntersil「ISL6617」
8フェーズ側に用いられているVishay「SiC634」
2フェーズ側に用いられているVishay「SiC632A」

 部品単位で見ると、Intersil製チップを中心としたこの価格帯のマザーボードに用いられる鉄板構成。デジタルPWM回路やDr.MOSで発熱を抑制、柔軟な電源供給を可能としている。

 PCI Express 4.0 x16スロットのうち1番目のスロットは金属カバー付き。重量のあるハイエンドビデオカードを搭載した場合の、スロットへの負荷を金属カバーが補強している。また、PCI Express 4.0対応となったことで、信号伝達をより確かなものとすべく、ビデオカード用PCI Express 4.0 x16スロット内のコンタクト部分に15μの金メッキが施されている。オーディオ用端子などで金メッキ端子を用いることがあるがアレだ。X570 Steel Legendでは同様の金メッキがメモリスロットにも採用されている。ここもDDR4メモリになって、それが第3世代Ryzenでさらに高クロックとなったたことで信号の信頼性が求められていることの現れと言える。

ビデオカード用PCI Express 4.0 x16スロットには金属カバー。アンカーは6箇所。また、スロット内部のコンタクト部分には金メッキが施されている
メモリスロットにも金メッキコンタクトを採用。なお、固定方式は片ラッチ。比較的安価なマザーボードでは両ラッチであることも多いが、下側ラッチはビデオカードと近く、メモリ交換は片ラッチであるほうが便利だ

 拡張スロットは、ビデオカード用PCI Express 4.0 x16スロットのほか、もう1本x4レーン固定のPCI Express 4.0 x16スロット、そしてPCI Express 4.0 x1スロットが3本ある。M.2登場以前のマザーボードと比べると1本少ないが、現在では標準的な本数と言えるだろう。また、このクラスのマザーボードの例にもれず、NVIDIA SLIはサポートされない。

 M.2スロットは、Wi-Fiカード用のもの1本を含めて3つ。SSD用のものは上が2280対応のもの、下が22110対応のものになる。1番目はビデオカード用PCI Express 4.0 x16スロットの直下で、2番目は最下段のPCI Express 4.0 x1スロットの後ろになる。なぜWi-Fiカード用スロットがあるのかと言うと、海外ではバリエーションモデルとして「X570 Steel Legend WiFi ax」が販売されているためだ。バックパネルにもWi-Fiアンテナ端子取り付け用の穴が設けられている。Wi-Fi 6対応モデルが国内で販売されていないのは、技適のためか、マーケティングの理由か定かではない。ただ、比較的新しい技術のWi-Fi 6を搭載すればそれなりにコストがかかるだろう。本製品が耐久性とともに追求したコスパという点では、X570 Steel Legendのほうが際立つと判断されたのかもしれない。

拡張スロットはこのクラスのマザーボードでは標準的な本数。M.2スロットは、1番目のPCI Express x16スロットの下にSSD用、1番目のPCI Express x1スロットの後ろにWi-Fi用、最下段のPCI Express x1スロットの後ろにSSD用と3本ある
Serial ATA端子は8ポート。チップセット機能を利用している

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