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2990WXの1.5倍!第3世代Threadripper 3960X/3970Xの基本的パフォーマンスを検証(2/6)

加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラ ハッチ/ASCII

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

第3世代で何が変わったか?

Zen2アーキテクチャーやThreadripperの詳細な技術解説は大原氏の連載にお任せするとして、本稿では第3世代Threadripperで注目すべき点を簡単にまとめるにとどめたい。まずはスペックを比較しよう。

第3世代Threadripperと、その近傍のCPUのスペック比較。Threadripper 3990Xは現時点で確定情報が極めて少ない

ポイント1:Zen2採用による内部構造の変化

改めて言うようなことでもないが、第2世代ThreadripperがZen+、今回の第3世代がZen2世代となる。Zen2ということはCPUのコア8基+L3キャッシュを1ダイにまとめたチップレット(CCD)と、メモリーやPCI Express、USBなどのコントローラーをまとめたIOダイに分割して実装するMCM(Multi Chip Module)となっている。CCDが7nm、IOダイが12nmプロセスという点も第3世代Ryzenと共通だ。

第2世代ThreadripperはIOダイが存在せず、CPUのダイ側にメモリーコントローラーが組み込まれている。その結果として4ダイ構成のThreadripper 2990WX/2970WXではメモリーに直結するダイとほかのダイ経由でしか接続できないダイが存在し、処理によっては得手不得手の落差の激しい、使い所の限定されるCPUに なってしまった(詳しくは2990WXのファーストレビューを参照:https://ascii.jp/elem/000/001/725/1725071/)。

だが第3世代Threadripperでは外部とのインターフェースはIOダイに集められ、そこからInfinity Fabric経由で均等にすべてのダイに振り分けられる。CPUコアに付随するL3キャッシュが激増したことも相まって、同コア数でも第3世代の方がより高いパフォーマンスを獲得することが期待できる。

第2世代Threadripperのうち、4ダイ構成の2990WX/2970WXの内部構造。メモリーやPCI Expressに繋がっているダイが2基しかないため、繋がっていないダイ(コンピュートダイと呼ばれる)の処理には速度的なハンデが加わる

この図はAMDによる2枚のスライド資料をもとに、筆者が1枚に統合したものだ。第3世代Threadripperでは、メモリーやPCI Express、USBのコントローラーなどはすべて中央のIOダイに集約され、そこから4基のCCDに均等に振り分けられる

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