GTX 1660といい勝負を演じる
グラフィックスメモリ8GBもパフォーマンス面で有利

それでは、RX 5500 XT 8GB Challengerのパフォーマンスをチェックしていこう。今回は、比較対象に競合製品である「GeForce GTX 1660」（以下、GTX 1660）を用意。それ以外のテスト環境は表のとおり。

まずは、「3DMark」（Version 2.11.6846）の結果からだが、RX 5500 XT 8GB Challengerは、Fire StrikeでGTX 1660を4～18％上回るスコアを発揮。とくに、解像度が最も高いFire Strike Ultraで、両者の差が大きく開いているのは、メモリ容量の差によるものと考えるのが妥当だろう。しかし、DirectX 12のテストであるTime Spyでは両者の立ち位置が逆転し、RX 5500 XT 8GB ChallengerはGTX 1660の後塵を拝してしまっている。このあたりは、Turing世代のGPUがDirectX 12で強みを見せる場面が多く、GTX 1660もその例に漏れず意地を見せた格好だ。

続いて「F1 2019」では超高プリセットに設定したうえで、ゲームに用意されたベンチマークモードを実行。その結果だが、RX 5500 XT 8GB Challengerは、1920×1080ドットにおいて平均フレームレートでGTX 1660に8％の溝を開けられている。しかし、その差は、解像度が高くなるにつれて詰まっており、RX 5500 XT 8GB ChallengerはGTX 1660よりも高負荷に強い印象を受ける。

「Borderlands 3」でもその傾向は変わらない。ここでは中プリセットに設定して、ベンチマークモードを実行しているが、1920×1080ドットでは平均フレームレートで両者の開きは4％ほどあったものの、3840×2160ドットではRX 5500 XT 8GB Challengerが逆転を果たしている。また、2560×1440ドットではほぼ平均60fpsのフレームレートを発揮しており、快適にプレイできそうだ。

「Far Cry New Dawn」では、RX 5500 XT 8GB ChallengerがGTX 1660とほぼ横並びのパフォーマンスを見せた。ここでは、最高プリセットに設定してベンチマークモードを実行しているが、RX 5500 XT 8GB Challengerは、1920×1080ドットで最小フレームレートが60fpsにあとわずかまで迫っている点は立派。さすがに3840×2160ドットは負荷が大き過ぎでフレームレートが落ち込んでいるものの、2560×1440ドット以下の解像度であれば、プレイするのに支障はなさそうだ。

最後に「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果を見てみるが、ここでは最高品質に設定したうえで、ベンチマークを実行している。その結果だが、GeForceシリーズへの最適化が進んでいるベンチマークだけに、やはりGTX 1660が優位な結果となった。だが、RX 5500 XT 8GB Challengerは、その差を9～10％に留めており、かなり食らいついている印象。とくに、2560×1440ドットで、スクウェア・エニックスが指標で最高評価とするスコア7000を上回っている点は評価できるポイントだ。

ミドルレンジ向けでは十分なパフォーマンス
価格がこなれてくれば有力な選択肢

以上の結果を見ると、RX 5500 XT 8GB Challengerは1920×1080ドットであれば、多くのゲームで快適にプレイできそうだ。タイトルによっては2560×1440ドットでもプレイに支障はなく、ミドルレンジ向けGPUとして十分なパフォーマンスを備えていると言っていい。

GTX 1660はGTX 1660 SUPERへと置き換わり、市場では次第に姿を消しつつあるが、GTX 1660が2万2000円～2万8000円で販売されていたことを考えると、RX 5500 XT 8GB Challengerももう少し価格が下がれば十分魅力的な1枚になると言えそうだ。

関連サイト

• Radeon RX 5500 XT 8GB Challenger D OC