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価格を可能な限り抑えたいならGPUを内蔵する
APU搭載のPCが入門機としてオススメ
次に、PCの性能に関わる重要なパーツとしては、画像処理用の演算装置である「GPU」(Graphics Processing Unit)だ。このパーツがないと、PCは映像をディスプレーに出力できない。
ただし、「Ryzen 9 3950X」などのAMD製CPUは、このGPUを内蔵していない。その代わりにライバルであるIntel製CPUの同価格帯CPUよりも、コア&スレッド数が多くコストパフォーマンスに優れている。
AMD製CPUを使う際は、GPUを内蔵するビデオカードと呼ばれるパーツが必要になる。しかし、AMDにもGPUを内蔵する「APU」(Accelerated Processing Unit)と呼ばれる製品がある。「Ryzen 5 3400G」などがそれにあたる。Ryzen世代のAPUの見分け方は簡単で、型番の最後に「G」が付いていればGPUを内蔵している。
ビデオカードは大別してNVIDIAの「GeForce」と、AMDの「Radeon」があり、AMDは唯一CPUとGPUの両方を販売している。そして、同価格帯のGPU内蔵CPU(AMD製のみAPUと呼ぶ)では、AMDのAPUはIntel製CPUよりも高いGPU性能を有している。
そのため、ウェブサイト視聴やウェブ動画視聴、メール、文書作成といった一般的な作業のほか、動作の軽いPCゲーム、レトロゲーム、2D格闘ゲーム、シューティング、ブラウザーゲームなどをフルHDで遊ぶといった人には、APU搭載PCがオススメできる。
ちなみに蛇足だが、現行のゲーム機であるソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PlayStation 4」(PS4)やMicrosoftの「Xbox One」もAMD製のCPUおよびGPUを搭載している。また、次世代機である「PlayStation 5」「Xbox Series X」もAMD製のCPUおよびGPUを採用している。そのためゲーマーであれば、割と身近に感じるのではないだろうか。
8GB以上デュアルチャンネルが肝
CPUとGPUとともに確認しておきたいのがストレージとメモリーだ。ストレージはすべてのデータを保存するためのパーツで、大別してHDDやSSDと2種類あり、すごく簡単に言えば、遅いが大容量で安いのがHDD、高速だが大容量になると高いのがSSDである。
HDDとSSDは構造自体が異なり、SSDは接続方法によって速度が異なる。この辺りの話は、以降のPC自作編でもっと詳しく紹介するので、気になる人はそちらを待って欲しい。
ひと昔前は、HDDのみを搭載しているPCもあったが、OSをインストールして、PCの起動速度に関わるメインストレージのほとんどがSSDになっているので、後は自分がどれぐらいの容量を必要としているかで選ぶとイイ。
MMORPGや最新のFPSゲームのようなPCゲームなどは何10GBと容量を使うので、そうしたゲームを複数入れて容量不足になりたくない場合は、1TB以上が必要だが、好きなゲーム1本、そのほかは一般的な作業のみ、といったような使い方なら256GBでも問題ないだろう。
次にメモリーだが、これはCPUが処理を行なうデータを一時的に記憶する場所で、複数のアプリを起動した際の快適度などに関わる。前述のCPUを説明する際のイメージイラストを思い出して欲しいが、あの作業員たちの作業台のようなものと考えて欲しい。数値が大きく大容量なほど、作業台が大きく作業がしやすくなるため、より高速に処理が行なえる。
さらにメモリーで重要なポイントがデュアルチャンネルであるかどうか。デュアルチャンネルとは、同じ規格・容量のメモリーを2枚挿すことで、CPUやメモリーのデータ処理を高速化する技術。
イラスト例に簡単に説明すると、メモリー容量は一度のデータを保存できる作業台の広さ。メモリーに保存したデータをCPUに運ぶ道が、メモリーが1枚なら1本、2枚でデュアルチャンネルなら2本(一度に運べるデータ量は一定)になり、より速く多くのデータが送れる。
PCのスペック表のメモリーの項目を例に説明すると、
8GB(4GB×2)
となっていたりするが、最初の8GBが最大容量で、カッコ内の4GB×2がメモリー1枚の容量と枚数になる。つまりは、カッコ内のメモリー枚数が×2となっていればデュアルチャンネルであることが分かる。
メモリーがデュアルチャンネルでないと、それがボトルネックになり、CPUの処理性能が落ちたり、PCゲームの快適度が下がったりするので、メモリーはデュアルチャンネルの方が望ましい。