Performance Modeは
解像度が高くなるにつれて真価を発揮する傾向
それではvBIOSアップデート後のSilent ModeとPerformance Modeで、どれぐらいの差異があるのか確認しておこう。なお、テスト環境は表に示すとおり。
テスト環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 7 3700X」 (8コア/16スレッド、3.6GHz~4.4GHz) |
マザーボード | ASRock「X570 Taichi」 (AMD X570) |
メインメモリ | DDR4-3200 8GB×2 |
ビデオカード | Sapphire「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 5600 XT 6G GDDR6 HDMI/TRIPLE DP OC W/BP(UEFI)」 (Radeon RX 5600 XT) |
SSD | Plextor「PX-512M9PeG」 (M.2、NVMe、512GB) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」 (1200W、80PLUS Gold) |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
まずは「3DMark」(Version 2.12.6949)からだが、両者の差はFire Strikeで7~8%ほど。Silent ModeでもFire Strike“無印”で17000以上のスコアを出しているうえ、Performance Modeでさらにスコアを1000以上伸ばしている点は評価できるポイントだ。DirectX 12のテストであるTime Spyでもその傾向は変わらず、両者の溝は8%弱といったところだ。
続いてグラフィックスAPIにDirectX 12を選択した際のパフォーマンスとして、「BIOHAZARD RE:3」の結果を見てみよう。ここでは、テクスチャ品質を高(0.5GB)に設定したうえで、ゲームを実際にプレイ。そして、1分間のフレームレートをGPUOpenの「OCAT」で取得している。
その結果だが、平均フレームレートにおいて、Performance ModeはSilent Modeに6~12%の差を付けた。とくに3840×2160ドットでその差が顕著になっており、このあたりはメモリ帯域幅の差がそのままフレームレートに表れた格好だ。
「Borderlands 3」では、プレイアブルなフレームレートを意識して中プリセットを選択。そのうえで、ベンチマークモードを実行し、ログから平均フレームレートと最小フレームレートを取得した。ここでも、3840×2160ドットで平均フレームレートの差が最大になっているのはBIOHAZARD RE:3と同じ。ただ、2560×1440ドット以下では両者の開きは5%程度に留まっており、Borderlands 3においては両モードの差が付き難い傾向が見られる。
さらに、「Far Cry New Dawn」では、平均フレームレートで6~8%の差が付いている。ここでは、最高プリセットに設定してベンチマークモードを実行しているが、注目してほしいのは最小フレームレートだ。最小フレームレートでは、両者の差は解像度が高くなるにつれて開く傾向が見られ、メモリ帯域幅の差は平均フレームレートよりも最小フレームレートへの影響が大きいと見てよさそうだ。
最後に「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果に移ろう。ここでは、最高品質でベンチマークを実行したが、解像度が高くなるにつれて両モードの差が広がっているのがハッキリと見て取れる。スクウェア・エニックスの指標では、スコア7000以上が最高評価とされており、その観点では3840×2160ドットはPerformance Modeでも少々苦しく、2560×1440ドット以下であればSilent Modeでもその指標をクリアしている。
Dual BIOSゆえにアップデートは手間だが
スイッチで両モード切替できる点は大きなメリット
以上のテストからも明らかなとおり、Silent ModeとPerformance Modeとの差は8%前後といったところ。Gameクロックなども異なるため、両者の差はメモリクロックだけの影響ではないものの、Performance Modeは高解像度で良好なパフォーマンスを発揮するあたりは、メモリ帯域幅の優位性が奏功したと捉えるのが妥当だろう。
PULSE RX 5600 XTはDual BIOSゆえに、vBIOSのアップデートが少々手間だが、それでも消費電力を抑えるメモリクロック12Gbpsと、パフォーマンスが高い14Gbpsを、ユーザーが任意に使い分けできる点は評価できる。vBIOSのアップデートを行なう際に参考になれば幸いだ。