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最大7000MB/sオーバーのPCIe 4.0対応SSD「PG4VNZシリーズ」をレビュー!CFD販売の次世代SSDの実力は如何に(6/6)

文●北川達也 編集●AMD HEROES編集部

第2世代PCI Experess4.0対応NVMe SSDと
Ryzenで最速環境を実現

ここまでの検証結果からもわかるように、PG4NVZシリーズは、第1世代のPCI Experess 4.0対応NVMe SSDと比較して大幅な性能アップを実現している。その性能は、最大読み出し/書き込みなどのドライブの単純な読み書き性能にとどまらず、低レイテンシ化が進んだことで体感性能もアップ。ゲームなどの最速環境を目指すユーザーにとっては、重要なパワーアップアイテムとなることは間違いないだろう。

ただし、発熱については、性能が向上したこともあり増加している。このため、性能を追求するなら、マザーボード付属のヒートシンクなどを活用し、熱対策を行なうことをオススメする。

また、PG4NVZシリーズは、記憶領域のほぼ全領域を可変長のSLCキャッシュとして使用する仕様となっており、SLCキャッシュの使い方にも特色がある。SLCキャッシュは、キャッシュしたデータをすぐさまTLCやQLCの領域に移すタイプの製品と、それをしばらく保持しておき、一定容量を超えたらTLCやQLCの領域に移すタイプの製品が存在している。

前者のタイプの製品は、SLCキャッシュの容量が少ない製品で一般的な手法で、後者のタイプは、大容量のSLCキャッシュを利用するタイプの製品に見られる手法だ。データをしばらくSLCキャッシュに維持しておくことで、TLCやQLC領域への無駄な書き込みを減らすことができる点がメリットだ。

PG4NVZシリーズは、ほぼ全領域という大容量の可変長のSLCキャッシュを利用する仕様のためか、書き込み終了後の消費電力推移を見る限り、後者のタイプの製品に属しているようだ。なお、グラフの消費電力の大きさについては、最大書き込み速度が3300MB/sしかでない環境での測定のため参考程度に見てほしい。

PG4VNZの1TBモデルにTxBENCHを使用して100GB、150GB、200GB、300GBのデータを書き込んだ後の消費電力の推移。100/150GBの書き込みでは、すぐさま消費電力が落ちていくが、200GBや300GBでは、すぐに消費電力が落ちていかない。特に300GBの書き込みでは、かなりの長時間バックグラウンドでの書き込みが続いているものとを推測される

PG4NVZシリーズを使用する場合の唯一の注意点を挙げるとすれば、AMD X570チップセットにおいて、チップセット側のM.2スロットへの接続はオススメできないことぐらいである。というのも、チップセット側のM.2スロットは、チップセットとCPUが同じPCI Experess 4.0 x4の帯域で接続されていることに加え、チップセットを経由することによるレイテンシの増加という性能面におけるデメリットがある。このため、チップセット側のM.2スロットにPG4NVZシリーズを接続するとわずかだが性能が低下してしまう。

PG4VNZの1TBモデルをヒートシンク無しでチップセット側のM.2スロットに接続したときの速度。CPU側のM.2スロットに接続したときよりも若干速度が遅いだけでなく、書き込み速度がサーマルスロットリングによって低下している

PG4VNZの1TBモデルをヒートシンクありでチップセット側のM.2スロットに接続したときの速度。サーマルスロットリングによる速度低下はみられていないが、CPU側のM.2スロットに接続したときよりも若干最大読み出し速度が低下している

また、チップセット側のM.2スロットは、マザーボードによってはGPUの直下に配置されてしまうケースがある。筆者がテストに使用したGIGABYTE X570 AORUS ELITEがまさにそうだったが、これによってSSDの温度がCPU側のM.2スロットよりもかなり高くなってしまうのだ。

実際に筆者の環境では、チップセット側のM.2スロットはベンチマークソフトのCrystal Disk Markを実行しただけでサーマルスロットリングによって速度低下が発生してまうぐらいの発熱を引き起こしてしまった。チップセット側のM.2スロットの配置にもよるが、そういうケースもあることを覚えておいてほしい。


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