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Cyberpunk 2077最高画質プレイに必要なRyzenとRadeonの組み合わせについて考える(2/3)

加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラハッチ

CPU負荷はかなり高め

描き込みの濃いゲームはCPU負荷も高い。この点はCyberpunk 2077も同じだ。そこで今回ベンチマークとして使用した移動シーンにおけるCPU負荷はいかほどかチェックしてみよう。以下のタスクマネージャのキャプチャーは、全てRX 6800 XT、解像度フルHD+画質“ウルトラ”設定でのものである。比較的車や通行人の少ないシーンでの計測なので、CPU占有率はさらに1~2割高くなる可能性もある。

Ryzen 5 5600X環境におけるCPU占有率。全コアを満遍なく使っており、一部のコアはほぼフルロード状態。この点から6C/12T未満のCPUでは検証に値しないと判断した

Ryzen 7 5800X環境におけるCPU占有率。占有率が高いのは同じだが、SMTで増えたコアは一部を除き使われない傾向がある

Ryzen 9 5900X環境におけるCPU占有率。負荷が乱高下しているコアが4基あるが、隣接しているので実質的に2基の物理コアである点に注目しよう

Ryzen 9 5950X環境におけるCPU占有率。16C32Tであってもこれだけの負荷がかかる点は驚きだ

Cyberpunk 2077のCPU負荷は非常に高く、6コア(C)/12スレッド(T)のRyzen 5 5600Xだとほぼフルロードに近い状態まで使われる。ゲームだけを遊ぶならこれでも問題ない感じだが、裏で何か別の処理(配信やDiscordなど)をさせるには厳しすぎる。何か並列で処理させたいならRyzen 7 5800Xより上のCPUが必要になるだろう。

また、8C/16Tより上のRyzen環境では、CPUの負荷に偏りがあることもわかる。タスクマネージャで確認すると、基本的に負荷が高いコア(グラフ)と低いコアが隣接していることから、Cyberpunk 2077の負荷は物理コア部分に集中し、SMTで増えた論理コアを避けているようだ。

ただ、いくつかの論理コアに関してはすぐ隣の物理コアと同程度の負荷がかかっているものもある。さらに言えば、2CCD構成のRyzen 9 5900Xと5950Xに関しては、タスクマネージャの上にあるコアの方が負荷が高い。

これはCPU負荷がRyzenの“Preferred Core”あるいは“Elite Core”と呼ばれるもの(平たくいえば“優秀なコア”)にかかると、論理コアも使われることと、CCDがCCD0とCCD1に分かれている場合は、CCD0が優先して使われるからである。

RyzenのPreferred Coreを確認するには「Ryzen Master」を使うのが一番だ。今回検証に利用したRyzen 9 5950Xの場合、CCD0はC 08とC 05、CCD1ではC 14とC 12に★と●が付けられている。これが付いたコアが優秀だと示されているのだ

全コアの順位を確認したい場合は「HWiNFO」を使うとよい。ここではCore 0~Core 7がCCD0、Core 8~Core 15までがCCD1となるが、最も優秀(perf #1/1)はCore 7(Ryzen Master上ではC 08)、2番目(perf #1/2)はCore 4(同じくC 05)となる。CCD1側のトップはCore 13と11だが、OSから見れば優先度の低いコアとなっている

そこでもう一度Ryzen 9 5950Xの負荷のかかり具合を観察すると、CCD0のPreferred CoreであるCore 4と7と、乱高下しているコアが一致していることが分かる

Cyberpunk 2077は発売当初Ryzen環境におけるパフォーマンスチューニングの甘さが指摘され、Patch 1.05で挙動の改善が実装された。これによると6C/12Tでは顕著なパフォーマンス向上が確認されたようだ。ただ、8C/16T以上では効果がみられないようだが、Ryzen 7/9ではCPU側にかなりの余裕がみられるので、Ryzen 7/9で改善されなかったのは当然といえるだろう。

Cyberpunk 2077を遊ぶならRyzen 3000シリーズよりも5000シリーズ

まずはGPUを同じもの(RX 6800 XT)に固定した場合、CPUを変更することでフレームレートにどの程度の影響が出るかを試してみたい。画質は“ウルトラ”、解像度はフルHDである。特定のルートを車で移動した時のフレームレートを「CapFrameX」で測定しているが、手動計測であり、かつ通行人や車の出方がその都度違うので誤差は大きめなことはご容赦戴きたい。

RX 6800 XT環境における「Cyberpunk 2077」のフレームレート

Cyberpunk 2077のウルトラ設定ではフルHD環境においてもGPUバウンド(GPU側が圧倒的に律速)な状況になりやすいらしく、平均fpsで見るとCPUの違いはさほど大きくない。平均fpsトップのRyzen 5 5600Xと最下位のRyzen 5 3600 XTとRyzen 5 3600Xでは8%も差が付いていない。そしてRyzen 9 5950Xを筆頭としたRyzen 5000シリーズ内の性能差はほとんどなく、誤差と言い切れない部分もある。

しかし、最低fpsに目を向けてみると、CPUの世代差が実に大きいことがよく分かる。Ryzen 5 3600Xから見てRyzen 5 5600Xの最低fpsは17%も伸びており、大幅にIPCやレイテンシーを改善したRyzen 5000シリーズの長所が遺憾なく発揮された結果となった。6C/12TのRyzen 5 5600Xよりも12C/24TのRyzen 9 5900Xや16C/32TのRyzen 9 5950Xの方がさらに最低fpsが伸びているが、これはほぼ体感できないレベルといって良い。

ただ、Cyberpunk 2077を快適に遊ぶためには、前述のCPU占有率と合わせて考えるとRyzen 5000シリーズのうち、Ryzen 7以上が好ましいといえるだろう。

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