AMD HEROES

twitter
facebook
line

【AMDチップセットマザーボードレビュー第46回】

シックなデザインにM.2スロットもたっぷり!USBも豊富なMSI「MEG X570S ACE MAX」(2/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

豪華すぎるPCIe&M.2スロット、ポイントは自由度

拡張スロットはPCI Express x16×3にPCI Express x1×1。上から1、2番のx16スロットはCPU直結で、x16/-またはx8/x8レーンで動作する。一方、3番目のx16スロットはチップセットに接続されており、こちらはPCI Express 4.0 x8動作となる。つまり最大3本のx8動作カードが利用できることになる。

また、M.2スロットも豊富だ。マザーボード上にはx16スロットの間のスペースを利用して4本のM.2スロットが搭載されている。すべてPCI Express 4.0 x4動作に対応しており、#2の1本を除けばSerial ATA 3.0のM.2 SSDも搭載可能だ。これにM.2 XPANDER-Z GEN 4 Sも加わる。こちらには2基のM.2スロットが備わっており、すべてを合わせれば最大6基のM.2スロットが利用可能だ。

4基のM.2スロットを搭載し、うち2基は22110サイズに対応する。MSI上位モデルなので当然、SSD裏面用にもサーマルパッドが付いている

M.2 SSDを2基搭載可能な拡張カード「M.2 XPANDER-Z GEN 4 S」が付属。給電にPCI Express 6ピン補助電源を用い、大型ヒートシンクとファンで冷却する。SSDのアクセスLED用ピンヘッダも備える

とはいえ、PCで利用可能なPCI Expressレーン数には限りがある。そのため、利用可能な組み合わせが存在する。たとえば、3番目のPCI Express x16スロットは、M.2 #3、#4およびSerial ATA 5~8番と帯域を共有しており、PCI Express x1スロットはWi-Fi 6と帯域を共有している。

つまり、どちらを利用するのか選択することになる。M.2 XPANDER-Z GEN 4 Sを利用してM.2スロットを6基使おうという場合、3番目ではなく2番目のx16スロットに挿し、1番目のグラフィックスカードと帯域を分割利用するわけだ。

Serial ATA 3.0ポートは8基

このように、全てを最速で用いるのは不可能(それを求めるならTRX40というプラットフォームが用意されている)だが、考えようではさまざまなニーズをカバーできるとも取れる。ゲーミングPCとしてグラフィックスカードの帯域が必要なうちはストレージを少し抑えて(……といっても、通常用途では十分なスロット数だ)、映像編集のようにグラフィックスカードが帯域優先というわけでなければストレージ側を強化するといった選択肢が取れる。そう考えれば、MEG X570S ACE MAXはゲーミング向けモデルだが、さまざまなハイエンドニーズに対応できると言えるだろう。

リッチなインターフェース。ただし映像出力端子はなし

インターフェースでは、ネットワークが2.5GbEとWi-Fi  6、さらにバックパネルにはUSB 3.2 Gen 2×2 Type-C、フロントにはUSB 3.2 Gen 2 Type-Cヘッダーといったように高速インターフェースを備えている。また、従来のUSB 3.2 Gen 2/Gen 1、USB 2.0といった端子も豊富で、追加ハブなしでも多くのUSB機器を接続可能だ。

金の角丸線で囲まれたUSB Type-Cは20GbpsのUSB 3.2 Gen 2×2 Type-C。10GbpsのUSB 3.2 Gen 2も3ポートある。Flash BIOSやCLEAR CMOSボタンもしっかりとしたボタン仕様だ

USB 3.2 Gen 2×2用に搭載されているASMedia「ASM3241」

USB 3.2 Gen 2 Type-Cヘッダー

USB 3.2 Gen 1ハブチップのASMedia「ASM1074」

2.5GbEチップはRealtek「RTL8125B」

オーディオ回路はコーデックチップがRealtek「ALC4082」。DAC兼ヘッドホンアンプとしてESS「SABRE9018Q2C」を、コンデンサは日本ケミコン製を用いている。また、MSIの上級グレード品なので、バックパネルのオーディオ端子は金メッキ仕様だ。

コーデックチップはRealtek「ALC4082」

ESS「SABRE9018Q2C」DAC兼ヘッドホンアンプ

PC自作上級者やOCユーザー向けにも各種機能が搭載されている。POSTコード表示LCDやオンボード電源/リセットスイッチ、センサー用ヘッダー、BIOS切り換えスイッチなどが確認できる。

POSTコード表示LCD付き。左にはLED用ヘッダー、Corsair LED用ヘッダーがある

オンボードのLED発光は2箇所。VRMヒートシンクとチップセットヒートシンクだ

電源、リセット用ボタンと、その奥にはLEDオン/オフスイッチ

センサー用ヘッダーも搭載している

幅広いハイエンドニーズに対応する上質マザーボード

MEG X570S ACE MAXは、成熟したAMD X570プラットフォームにおけるハイエンドモデルだ。ストレージの箇所で触れたとおり、ゲーミングがメインであるが、映像編集など広くハイエンドニーズをカバーできる。ゲーミングマザーボードとしてはシックなデザインも多くの人に受け入れられそうだ。

そして重要なのが、安定性への担保だ。CPU電源回路は高級な部品で18フェーズを構成し、その冷却についても念入りだ。大型VRMヒートシンクに裏面ヒートシンクと、SSDのサーマルスロットリングを抑える両面放熱構造も見逃せない。今、RyzenでハイエンドPCを組みたいならば、決して外すことのできない選択肢と言えるだろう。


関連サイト

この記事もおすすめ

PAGE TOP