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【注目Radeonピックアップ!第48回】

フルHDで100fps超えも! 3万円前後の高コスパビデオカード「TUF-RX6500XT-O4G-GAMING」の実力とは(2/2)

文●宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部

1920×1080ドットで良好なパフォーマンス
平均100fpsを大きく超える場面も

それでは、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGのテスト結果に移ろう。今回、比較対象には「GeForce GTX 1660」を用意。前世代のエントリーミドル向けのGPUに対して、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGのパフォーマンスがどの程度なのか見てみようというわけだ。

なお、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGは前述のとおり、3つの動作モードと2つのVBIOSを備えているが、テストでは工場出荷時設定となるGaming modeとPモードを使用している。また、グラフィックスドライバーは、テスト時に最新バージョンとなるRadeon Software Adrenalin 22.2.1を使用。それ以外のテスト環境は表のとおり。

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」(16コア/32スレッド、最大4.9GHz)
マザーボード ASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メインメモリー DDR4-3200 8GB×2
ビデオカード ASUS「TUF-RX6500XT-O4G-GAMING」(Radeon RX 6500 XT)、MSI「Geforce GTX 1660 GAMING X 6G」(GeForce GTX 1660)
SSD Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB SSD)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS Gold)
OS Microsoft「Windows 10 Pro」(64bit)

まずは、「3DMark」(Version 2.22.7334)の結果から見ていこう。「Fire Strike」では、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGはGTX 1660に約4~21%の差をつけた。とくに、ビデオメモリーを4GBしか持たないTUF-RX6500XT-O4G-GAMINGが、テスト解像度が3840×2160ドットとなるFire Stike Ultraで、GTX 1660を21%も引き離している点は評価できよう。一方、DirectX 12のテストとなる「Time Spy」でも、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGはGTX 1660に7~8%の溝を開け、安定して上回るパフォーマンスを発揮している。

では、実際のゲームパフォーマンスはどの程度なのか、「バイオハザード ヴィレッジ」の結果に移ろう。ここでは、グラフィックス自動選択から「バランス重視」を選択してゲームをプレイ。その間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.6)で取得し、最小フレームレートの代わりに全体の1%となる1パーセンタイルフレームレートを使用することをここで断っておく。

さて、その結果だが、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGは1920×1080ドットで平均フレームレートが100fpsを大きく上回り、1パーセンタイルフレームレートも100fpsに迫る勢いを見せている。GTX 1660との差も、1920×1080ドットであれば平均フレームレートで約13%、1パーセンタイルフレームレートで約11%とかなり大きいものとなった。TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGは、2560×1440ドットになると1パーセンタイルフレームレートが60fpsを割ってしまうものの、1920×1080ドットであればかなり快適なプレイできることは明白だ。

続いて「Call of Duty: Warzone Pacific」の結果に移ろう。ここでは、オプションから描画負荷が最も低くなるように設定してゲームをプレイ。その間のフレームレートを、バイオハザード ヴィレッジと同様に、CapFrameXを用いて計測している。その結果だが、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGは、1920×1080ドットにおいて平均フレームレートでGTX 1660を約25%も上回るパフォーマンス発揮。1パーセンタイルフレームレートも140fpsに近い数値を叩き出しており、1フレームでも多く描画させたいコアなゲーマーでも納得のいく結果だ。

TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGは、2560×1440ドットでも1パーセンタイルフレームレートが90fps台半ばと高いフレームレートを維持しており、Call of Duty: Warzone Pacificをプレイするのに問題はまったくない。

「Fortnite」でも、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGのパフォーマンスは優秀だ。今回のテストでは中プリセットを利用してゲームをプレイし、その間のフレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得している。TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGは、2560×1440ドット以上の解像度でGTX 1660に逆転を許してしまっているものの、1920×1080ドットでは、平均フレームレートと最小フレームレートともに約8%ほどの溝を開けた。とくに最小フレームレートでは、GTX 1660に10fps近い差をつけている点は、ゲームをプレイしていても実感できるレベルで、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGの優位性はもはや語るまでもないだろう。

その一方で、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGが苦しい戦いとなってしまったのが「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」だ。ここでは、標準品質(デスクトップPC)に設定してベンチマークを実行しているが、同ベンチマークはGeForceシリーズへの最適化が進んでいる。そのため、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGはGTX 1660に約18~49%もの差をつけられる格好となった。

しかし、スクウェア・エニックスが示す指標では、スコア15000が最高評価とされており、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGは1920×1080ドットでそれを満たしている。つまり、1920×1080ドットであれば、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGはファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレをプレイするのに支障はない。

価格は実売で3万4000円~4万円ほど
フルHDでゲームを楽しむ人向けのビデオカード

以上のテスト結果を踏まえると、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGは、1920×1080ドットであれば、多くのゲームが快適にプレイ可能だ。2560×1440ドット以上の解像度になると、ビデオメモリーが4GBしかないことがネックになる場面もあり、高解像度でのゲームプレイを求める人にはあまり向いていない。だが、TPSやFPSなどでは、描画設定を落としてフルHDでフレームレートを向上させるというプレイが1つのトレンドになっており、そういった使い方であれば、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGはかなり魅力的な存在だ。

TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGの価格は、実売で3万4000円~4万円ほどと、ほかのRX 6500 XT搭載モデルと比べると若干高め。しかし、TUFシリーズだけあって、品質の高さは折り紙つき。安価で高品質なカードを求めるのであれば、TUF-RX6500XT-O4G-GAMINGは一考の価値ありだ。


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