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第3世代Ryzenと同時発売のAPU「Ryzen 5 3400G」「Ryzen 3 3200G」の実力に迫る(1/3)

文●松野将太 編集●ジサトラハッチ/ASCII編集部

AMDは7月7日、第3世代RyzenおよびRadeon RX 5700シリーズの販売を開始した。CPUに関しては、もともと9月に販売される予定のRyzen 9 3950X、急遽7月12日に発売延期となったRyzen 7 3800Xを除くすべてのモデルが店頭に並んだが、その中には「Radeon RX Vega」を内蔵する「Ryzen G」シリーズこと第2世代Ryzen APU「Ryzen 5 3400G」および「Ryzen 3 3200G」も含まれている。この2モデルはほかのSKUと異なり、従来製品のマイナーチェンジ版といった性格が強いものの、小型PC市場に活気がある日本国内では特に注目している人も多いのではないだろうか。

発売前のレビューキットに「Ryzen G」シリーズは含まれていなかったのだが、発売直前に急遽サンプル機材に触れる機会に恵まれた。すでに公開済みのKTUこと加藤勝明氏による第3世代Ryzen CPUレビューに続き、簡単ではあるがテストを実施していこう。

前世代から動作クロックが微増、「Ryzen 5 3400G」はソルダリング仕様に

「Ryzen 5 3400G」および「Ryzen 3 3200G」。当然ながらどちらもソケットはAM4で、従来と見た目は同じ。第3世代CPUでは目安となる▲マークが小さくなったとのことだが(詳細はKTUこと加藤勝明氏の第3世代CPUレビュー参照)、こちらはそうした違いは見受けられなかった。

付属するCPUクーラーは、「Ryzen 3 3200G」の「Wraith Stealth」(左)こそ変わらないものの、「Ryzen 5 3400G」にはあらたにTDP95W対応の「Wraith Spire」(右)が同梱される。Precision Boost Overdriveに対応したことで、オーバークロック時の冷却力を上げる必要があるのだろう

テストの前に、第2世代Ryzen Gシリーズの概要を簡単にまとめておこう。「第3世代Ryzen」とひとくくりにされがちなので誤解されることも多そうだが、本シリーズは従来の12nmプロセスで開発された“Picasso(開発コードネーム)”がベースであり、7nmプロセスやチップレット・アーキテクチャといった最新の技術は使用されていない。

「Ryzen 5 3400G」(上)と「Ryzen 3 3200G」(下)のCPU情報

「Ryzen 5 3400G」(上)と「Ryzen 3 3200G」(下)のGPU情報

Picasso自体は昨年からノートPC向けのAPU「第2世代Ryzen Mobile」などで提供されており、今回ようやくデスクトップ向けにローンチされたというわけだ。ざっくり言えば第1世代Ryzen APU“Raven Ridge”のマイナーチェンジ版とも言える仕様であり、7nmプロセス採用のCPU群に比べれば性能の向上ぶりは控えめとなっている。

第2世代APUと第1世代APUの主なスペック

スペック的には見ての通りで、CPUおよびGPUの動作クロックが前世代から微増している。より大きな変更点は、上位モデルの「Ryzen 5 3400G」が自動オーバークロック機能「Precision Boost Overdrive」に対応する点だ。これにより従来よりも冷却が強化されており、ソルダリングTIMの採用に加え、同梱のCPUクーラーがワンランク上の「Wraith Spire」に更新された。「Ryzen 3 3200G」はPrecision Boost Overdriveに対応せず、付属するのは従来モデルと同じく「Wraith Stealth」だ。

AMDの公式資料から。「Ryzen 5 3400G」はクーラーの変更やソルダリングTIMの採用など、前世代に比べてお得感がある

総じて、第3世代Ryzen CPUの華々しさに比べるとやや地味なアップデートと言えるだろう。第1世代Ryzen APUを購入したユーザーが乗り換えるようなうまみがあるとは言い難いが、これから小型PCを組む場合、コストが安価でパワフルな内蔵GPUが欲しいといった場合は依然として競合に対して有利であり、ファーストチョイスになりえる製品と言える。

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