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Razerは「AMD Ryzen 9 5900HX」と「NVIDIA GeForce RTX 3080」を組み合わせた14型ゲーミングノートPC「Razer Blade 14」を発売した。 Ryzen 9 5900HXは「Zen3」コアアーキテクチャーを採用したプロセッサーで、7nmプロセスで製造されており、主要スペックは8コア16スレッド、3.3~4.6GHz、TDP35~45Wとなっている。ノートPC用として上位クラスのCPUとディスクリートGPUが組み合わされており、そのパフォーマンスは期待せずにはいられないのである。
ついに登場したRyzenのBlade
もちろんGPUはRTX 3080まで搭載可能
Razer Blade 14はOSに「Windows 10 Home 64ビット」、CPUに「AMD Ryzen 9 5900HX」(8コア16スレッド、3.3~4.6GHz)、ディスクリートGPUに「NVIDIA GeForce RTX 3070」または「NVIDIA GeForce RTX 3080」を採用する。
メモリーは16GB(DDR4-3200、オンボード接続)、ストレージは1TB SSD(M.2 NVMe PCIe Gen 3.0 x4)を搭載している。
ディスプレーは14インチQHD液晶(2560×1440ドット、165Hz、DCI-P3カバー率100%)である。
インターフェースは、USB 3.2 Gen2 Type-C(DisplayPort、充電対応)×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI 2.1(4K120Hz)、3.5mmヘッドセット、電源、セキュリティーロックを用意。通信機能はWi-Fi 6E(11ax)とBluetooth 5.2をサポートしている。
ボディーはアルミニウムをCNC加工で削り出し、陽極酸化処理でブラックカラーに仕上げ、所有欲を満たす高級感がある。サイズは319.7×220×16.8mm、重量は1.78kg。61.6Whのリチウムイオンポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は最大12時間と謳われている。ACアダプターの容量は230Wだ。
なおサードパーティー製のUSB Power Delivery対応90W USB ACアダプターで充電できることを確認したが、「システムが最適な状態で作動するのに十分な電源が供給されておらず、バッテリーが急速に放電する可能性がある」という警告メッセージが表示された。サードパーティー製充電器を使用する際には運用に注意する必要がある。
フルスピードで文字入力できるオリジナル・キーボード
ディスプレーも最高クラスの発色だ
Razer Blade 14のキーピッチは19mm前後、キーストロークは1.1mm。一般的なノートPCのキーストロークは1.5mm前後なので、本機のキーストロークはかなり浅い。
しかし実際にタイピングしてみると、キーボード面のたわみはほとんどなく、キー自体の剛性もしっかりと確保されており、打鍵感は良好だ。
ステレオスピーカーをキーボード左右に配置するために一部記号キーの幅が狭められているが、このぐらいなら個人的には問題なし。慣れればフルスピードで文字入力できるキーボードだ。
タッチパッドは実測101×75.5mmと広めで、表面はガラス製で滑りがいい。またストロークも比較的浅めだ。全体が沈み込むダイビングボード構造のタッチパッドは、ストロークが深いとクリックしている間に指がずれて誤操作してしまうことがあるが、Razer Blade 14ならそのようなストレスを感じることはない。
ウェブカメラの解像度は1MP(720p)で、正直高精細とは言えないが、感度は高く、室内灯下でも発色は自然であった。ビデオ会議用途なら十分な画質だ。またWindows Hello対応のIR(赤外線)カメラを内蔵しており、顔認証でWindowsにログインできる。スリープから目覚めさせれば、顔を画面に向けるだけでロックを解除できるのはやはり便利だ。
14インチQHD液晶(2560×1440ドット、165Hz)ディスプレーの色域はDCI-P3カバー率100%。実際に色域を計測してみたが、sRGBカバー率は99.9%、AdobeRGBカバー率は87.3%、DCI-P3カバー率は98.2%と、ほぼスペックどおりの色域を確認できた。手持ちの写真を開いてみたが、非常に鮮やかに、階調豊かに表示される。プロクオリティーの色調整に活用できるだけの画質を備えている。
音質についてはキーボード左右の特等席にステレオスピーカーが内蔵されているだけに、抜けのいい音がストレートに耳に飛び込んでくる。ユーティリティー「THX Spatial Audio For PCs」で「Music」、「Cinema」、「Game」、「Voice」などのプリセットを選択できるのもお手軽。ゲームに没入するならゲーミングヘッドセットの使用をオススメするが、映画やミュージックビデオなどを鑑賞するのに本機のステレオスピーカーは活躍してくれるはずだ。
Ryzenの8コア16スレッドのパフォーマンスとRTX 3080の威力を遺憾なく発揮
Core i7-10875Hの1.5倍も速かった
さてお待ちかねのパフォーマンスチェックだ。CPU性能については「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13633pts、「CINEBENCH R20」のCPU(Multi Core)は5296pts、「CINEBENCH R15」のCPU(Multi Core)は2280cbとなった。 「Core i7-10875H」&「GeForce RTX 3080」を搭載する「Razer Blade 15」がR23は9141pts、R20は3545pts、R15は1574cbだったので、Razer Blade 14はすべてで約1.49倍のCPU性能を発揮したことになる。
一方、「3DMark」のTime Spyは10145、Fire Strikeは23281、Port Royalは6497を記録した。 Razer Blade 15がTime Spyは9923、Fire Strikeは21651、Port Royalは6240だったので、Razer Blade 14はその約1.02倍、約1.08倍、約1.04倍のスコアということになる。両者は同じディスクリートGPUを搭載しているが、CPU性能のぶんRazer Blade 14のほうが3D性能はわずかに底上げされたわけだ。
ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.2」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は3568.08MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は3023.65MB/sを記録。リード、ライトともに3000MB/s超えを達成しているので実用上まったく問題はないが、M.2 NVMe PCIe Gen 4.0 x4対応SSD搭載モデルの登場も期待したいところである。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%でバッテリー残量5%までという条件でバッテリーベンチマーク「BBench」を実行したところ、7時間13分動作した。これだけのハイパフォーマンス・マシンとしては十分満足できるモバイル性能だ。
ヘビー級のPCゲームはもちろん
あらゆる用途に対応可能な究極のノートPCなのだ
Razer Blade 14はRyzen 9 5900HXとGeForce RTX 3080を搭載しつつ、重量は1.78kgとモバイル用途にも活用できる軽量性を実現している。
またディスプレーもWQHD解像度で、DCI-P3カバー率100%とクリエイティブワークにも活用できるスペックだ。もちろんリフレッシュレートは165Hzなので、AAAゲームを滑らかな動きで堪能できる。
ACアダプターが実測802gと重いが、最高パフォーマンスが必要なとき以外は軽量なUSB Power Delivery対応ACアダプターを持ち歩けばいい。
Razer Blade 14はカテゴリー的にはゲーミングノートPCではあるが、高いCPU&GPU&ストレージ速度により、CG制作でも、写真のレタッチでも、ビデオ編集でも、仕事でも、エンタテインメントでも、あらゆる用途に対応可能な究極の「モバイル可能」なノートPCなのである。