※この記事はASCII.jpからの転載です。一部加筆修正して掲出しています。(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)
AMDが子どもたちの夢を応援する「AMDキッズ・ティーンズ学園プロジェクト」。今春、パソコンを活用して夢や目標をかなえたいという中学生と高校生を対象に、高性能パソコンをプレゼントするキャンペーンを行った。
前回行った「AMDキッズ・ファーストPCプレゼント」キャンペーンに続き、同社が一貫して行っているGIGAスクール等の教育分野への貢献プロジェクト・第2弾になる。
今回のキャンペーンでも、全国から夢をもったたくさんの中高生から応募があったなか、5人が決定。最新のAMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサーと16.0型のディスプレイを備えたハイスペックノートパソコン「Lenovo Legion 560 Pro」が贈られた。
この連載では、当選した5人が、様々なジャンルで活躍しているプロにお話を聞きながらパソコンを利活用する知識を深め、これからの夢や目標に向かっていく様子をレポートする。パソコンという武器を手に入れることで、どんな活用が広がっていくのか、ぜひ注目してほしい。
個性豊かな5人の中高生がチャレンジ!
それでは早速、今回のプロジェクトに参戦した5人を紹介しよう。
※五十音順
5人とも今どきのデジタルネイティブらしく、Zoomを使ったオンライン会議もほとんどのメンバーが経験していた。プレゼントされた「Lenovo Legion 560 Pro」については、「スペックにびっくり」「キーボードも打ちやすく使いやすい」と好評だった。なかでも、パソコンに詳しい前田さんは、早速ベンチマークやゲームなどで性能をチェックし、「Lenovo Legion 560 Pro」の細かなレポートまで送ってきてくれた。
「『Lenovo Legion 560 Pro』は、流石ゲーミングパソコンだけあり、ノートパソコンとは考えられない性能であった。キーボードはRGBに光るフルキーボードで、キーストロークもノートパソコンのわりに深く、しっかりと打っている感覚があった。(中略) 持ち歩きや外での使用はあまり向かないが、ゲーム用途でも業務用途でも非常に高性能で満足だった」(前田さんのレポートより)
5人の活動を通してパソコンの可能性を伝えたい
5月某日、当選したメンバー5人がオンライン上に集い、「AMDキッズ・ティーンズ学園」の開校式を行い、プロジェクトがスタートした。
開校式では、アスキー編集部のムラリン(村野)がAMDキッズ・ティーンズ学園の校長として登場。挨拶とともに、今回のプロジェクトに込めた想いを語った。
「かつては夢の機械だったパソコンが、今は当たり前に家庭にある。『AMDキッズ・ティーンズ学園プロジェクト』では、最新の高性能パソコンの可能性・優位性を知っていただき、みなさんの活動を通じて、多くの方にパソコンの良さを知ってほしい」とムラリン校長。
そのうえで、今回はパソコンを使うにあたって知ってほしいこととして、「デジタル・シティズンシップ教育」についての講和を、鳥取県情報モラルエデュケーターの今度珠美(いまどたまみ)氏にお話しいただいた。
これからの時代にこそ学びたい「デジタル・シティズンシップ教育」
「デジタル・シティズンシップ教育」とは、デジタル社会において、”よき市民”になるための学びのことだ。
日本の学校では、インターネットの危険性などを伝える安全教育の「情報モラル教育」が中心に行われているが、欧米では大きく異なる。欧米のスタンダードである「デジタル・シティズンシップ教育」は、デジタルの悪い点や怖い点を強調せず、「ICTの利活用」を大前提としている。
今度氏は、「デジタル・シティズンシップ教育は、子どもの利活用を邪魔しない、信用するというところが大前提。子どもたちが良さを生かして使おうとしているのを後押しするポジティブなもの」だと解説した。
そのうえで、今回はデジタル・シティズンシップ教育の一つ、「メディアバランス」をテーマに5人のメンバーと考えながら話を進めていった。
自分のメディアバランスを考える
「現代は、時刻を知るのにも、ニュースなどを見るのにもスマホを利用していて、いつインターネットにつながっていて、いつつながっていないのかの境目がわからなくなっている。そのため、自分がどれだけインターネットを利用しているのか意識するのが難しい」とし、そのうえで「長い時間、インターネットやパソコンを使っていてもすべてが遊びとは限らず、必ずしも長時間使用することが”悪”ではない」とした。
そこで、普段使っているメディアを3つのデザインに分類し、どれを自分がよく使っているかを自覚するところからはじめ、メディアバランスを考えていくことが大事との話に。「大切なのは、どれか一つのデザインに偏ってしまうと、生活をはじめ様々なところに支障をきたす」ということだという。
ただし、ここで注意しなければいけないのが、同じサービスやツールでも、人によってどのデザインに分類するか変わってくるということだ。
「人によって夢中になるメディアは様々で、本や教科書もメディアのひとつ。みんな捉え方も違うということも意識していくことが大事」だと、今度氏。デジタル・シティズンシップにおいては、デジタルの使い方だけでなく価値観なども人によって異なり、「自分が標準ではないこと」を常に意識することが大切だとしている。
「自分が自撮りを投稿するのが好きでも、友達は嫌いかも。ゲームが大好きな人もいれば、興味がない人もいる。その中でいかにバランスとっていくか、価値観の違う友達との間で、いかに寛容になっていくか。そうした配慮を含めてのメディアバランス」は、中高生のみならず、メディアにどっぷり漬かっている現代の大人たちも考えていかなければいけないテーマだ。
今度氏が学園メンバーにそれぞれのメディアバランスをたずねると「ゲームばかりしているので、依存的なデザインのメディアに偏っている」「勉強にも使っているので、バランスよくできているかも?」など、様々な意見が挙がった。また、同じSNSでも、あるメンバーは「依存的」と答え、別のメンバーは「創作活動を発表する場として、人間中心的なデザイン」として、それぞれ違うデザインに分類したのも印象的だった。
各自が自分のメディアバランスを確認したところで、次に、どのようにバランスをとればよいのかを話し合い、「親にスマホを預かってもらう」といった対策をすでにとっているメンバーもいることがわかった。
最後に、今度氏は「今回プレゼントされたパソコンを使って、創造活動をしていくと、今は少な目な『人間中心的なデザイン』のボリュームが増えていくかもしれない。みなさんの可能性に期待したい」とメンバーにエールを贈った。
今回の講話を聞いたメンバーはそれぞれ大きく共感するところがあったようで、終了後のアンケートでは以下のような意見が寄せられた。
「今まで学校のメディアリテラシー研修で実情と合わないなと思っていたが、そこを指摘していたのが、的確だと思った」
「メディアバランスに関してのお話が1番印象に残りました。自分はそこまでインターネット依存にはなっていないと思いましたが、改めて考えてみると、何をするにもスマホを使っていて、気付かぬ内に依存してしまっているんだなと思いました。これからこの高性能なパソコンでどれだけ可能性を広げられるか、どういう風に向き合ってくか考えていきたいと思います」
次回は20代で起業したプログラマーの先生による講座を体験!
こうして始まった「AMDキッズ・ティーンズ学園プロジェクト」。今後は、IT、クリエイティブ、ビジネスの分野で活躍するプロの方を講師としてお招きし、パソコンだからこそできること、デジタルの活用による利便性などをお話しいただく。
今後の授業予定 | ||
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テーマ | 講師 | |
第1回 授業 | プログラミング | 寺本大輝 先生 (プログラマー / ハックフォープレイ株式会社 CEO) |
第2回 授業 | クリエイティブ | 乃樹坂くしお 先生 (イラストレーター / 京都芸術大学講師) |
第3回 授業 | ビジネス | 野間 恒毅 先生 (エバーブルーテクノロジーズ株式会社 CEO) |
次回は、20歳でプログラミングを楽しく学べるサービスを開発し、起業したプログラマーでもあり、ハックフォープレイ代表でもある寺本大輝氏による講座をお届けする。お楽しみに!