製品名:B550T-SILVER
メーカー:BIOSTAR
実売価格:2万円前後
「B550T-SILVER」の主なスペック | |
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対応ソケット | Socket AM4 |
チップセット | AMD B550 |
フォームファクター | Mini-ITX |
メモリースロット | DDR4×2(最大64GB) |
対応メモリークロック | DDR4-4400+(OC)~DDR4-3600(OC)、DDR4-3200~2133 |
拡張スロット | PCI Express 4.0 x16×1、M.2 Key-E×1 |
ストレージインターフェース | SATA 3(6Gbps)×4、M.2(PCIe 4.0 x4/SATA)×1 |
ネットワーク | 2.5Gb LAN(Realtek RTL8125B) |
サウンド | 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC897) |
リアインターフェース | PS/2×1、USB 3.2 Gen 2 Type-C×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A×1、USB 3.2 Gen 1 Type-A×4、DisplayPort×1、HDMI 2.1×1、オーディオ端子×3など |
M/B上インターフェース | LEDヘッダー(12V)×1、LEDヘッダー(5V)×1、USB 3.2 Gen 1ヘッダー×1、USB 2.0ヘッダー×1など |
BIOSTARといえば、初代Ryzenリリース直後に、当時貴重なMini-ITXマザーボードを投入したメーカーでもある。「B550T-SILVER」はそのBIOSTARの現行世代Mini-ITXマザーボードだ。AMD B550チップセットを搭載するMini-ITXはまずまず多く、その中で比較すると、B550T-SILVERはちょうど標準的な価格帯のモデルだ。SILVERの名のとおり、ヒートシンクがシルバーで、ブラックのPCBとのコントラストが引き締まった印象を受ける。
BIOSTARらしくヒートシンクはちょうどよいサイズ感だ。低価格モデルほど小さくはなく、デザイン的に見ても存在感がある一方、ハイエンドモデルほど大きすぎない。コンパクトなMini-ITXマザーボードでは、ヒートシンクが大きすぎるとCPUクーラーと干渉することもあり、組み込み作業が大変になる。Mini-ITX初心者にもこれならオススメできるだろう。
電源回路は8フェーズで、Dr.MOSを採用する。Mini-ITXではATXほど潤沢な回路を搭載するスペースがなく、安定動作を追求する際のバランスが難しい。8フェーズというのはAMD B550搭載Mini-ITXマザーボードの標準的なフェーズ数であり、Dr.MOSを採用することでMOSFETの実装チップ数(同時に面積も)を抑えている。
実装されているチップは、PWMコントローラがRenesas Electronicsの「RAA229004」。MOSFETはON Semiconductorの「NCP303151」だ。NCP303151は最大50A対応のDr.MOS。CPUソケット周辺のコンデンサは、極薄というほどではないが背が低いタンタルコンデンサを採用し、CPUソケットの近くに実装しつつもCPUクーラーとの干渉を抑えている。
やや少ないと感じるのは拡張性だろう。PCI Express x16スロットが1本なのはMini-ITXなので仕方がないが、M.2スロットも1基、Serial ATA 3.0ポートは4つなのでストレージの拡張性がやや乏しい。
ただし、PCケースとの組み合わせも考えると過剰な拡張はMini-ITXにとって命取りにもなる。たとえば、一般的にMini-ITXマザーボードの2nd M.2スロットはPCB裏に実装されるが、ここをきっちり冷却するのはなかなか難しい。B550T-SILVERの欲張りすぎないところは、Mini-ITX初心者でも多機能さに悩むことがなく、安定した構成に落ち着くと言えるかもしれない。
なお、PCI Express x16スロットには補強が加えられているが、ゲーミングモデルのように全体を覆う金属カバーではなく、ステープルのような方法を採用している。ちなみに無線LAN機能は搭載しないが、アンテナ端子と無線LANカード用のM.2 Key-Eスロットを用意している。