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【AMDチップセットマザーボードレビュー第48回】

液タブ使用者にもオススメ!ホワイトのクリエイター向けモデル、GIGABYTE「X570S AERO G」(1/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

製品名:X570S AERO G (rev. 1.0)
メーカー:GIGABYTE
実売価格:4万2000円前後

GIGABYTEからクリエイター向けマザーボード「X570S AERO G」が登場した。クリエイター向けモデルなので、高速インターフェースをはじめハイエンド寄りの構成だが、ある程度価格とのバランスも保っている。派手過ぎない上品なホワイト基調のマザーボードは、クリエイターはもちろん、ゲーミング用途でも注目度が高い。こだわりのPCを自作するのに最適な1枚だ。

「X570S AERO G (rev. 1.0)」の主なスペック
対応ソケット Socket AM4
チップセット AMD X570
フォームファクター ATX
メモリースロット DDR4×4(最大128GB)
対応メモリークロック DDR4-5400(OC)~3400(OC)、DDR4-3200~2133
拡張スロット PCI Express 4.0 x16×3(x16/-/x4、x8/x8/x4)
ストレージインターフェース SATA 3(6Gbps)×6、M.2(PCIe 4.0 x4/SATA 3.0)×3、M.2(PCIe 4.0 x4)×1
※M2C(チップセット接続)はPCI Express x16 #2(x4)と排他、M2DはSerial ATA #4、5と排他
ネットワーク 2.5Gb LAN(Intel I225V)、Wi-Fi 6(Intel Wi-Fi 6 AX200)
サウンド 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC1220-VB)
リアインターフェース USB 3.2 Gen 2×2 Type-C×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A×4、USB 3.2 Gen 1 Type-C×1、USB 3.2 Gen 1 Type-A×2、USB 2.0×2、オーディオ端子×5、S/PDIF×1など
M/B上インターフェース RGB LEDヘッダー×2、アドレサブルLEDヘッダー×2、CPUクーラーLEDヘッダー×1、USB 3.2 Gen 2 Type-Cヘッダー×1、USB 3.2 Gen 1ヘッダー×2、USB 2.0ヘッダー×2、ノイズ検出ヘッダー×1、温度センサーヘッダー×2、Thunderbolt AICヘッダー×1など

GIGABYTEのクリエイター向けモデルは、「DESIGNARE」から始まり「VISION」へと変わってきた。これらを引き継ぐのがX570S AERO Gの名にもある「AERO」だ。AEROの名は、GIGABYTEのクリエイター向けノートPCブランドとして多く採用されている。マザーボードでもノートPCでも、AORUSがゲーミング向け、AEROがクリエイター向けと、分かりやすくブランド名を統一したということになるだろう。

X570S AERO Gは、ホワイト/ブラックのカラーリングやシンプルで直線的なデザインをVISIONから受け継いでいる。ブラックをメインにした配色とインパクトのあるヒートシンク形状が昨今のマザーボードトレンドだが、それらがゲーミングをターゲットにしている中、クリエイターをターゲットにミニマル&モダンなデザインをしているのがAEROシリーズと言える。

ホワイトのカラーを用いているのはI/Oシールドカバーやバックパネル、VRMヒートシンクやM.2ヒートシンク、そしてオーディオ回路部カバーだ。CPUソケットやVRMヒートシンクはシルバーで、アールを持たせた形状により光の角度によって表情を変える。

また、I/Oシールドカバー部のロゴやチップセットヒートシンク表面に、ホログラム風フィルムが貼られ、通常光の下ではブルーに、強い照明が当たった際にはイエローに変化する。まったくのホワイト/ブラックだと味気なさを感じる場面もあるが、このフィルムがあることでちょうど良いアクセントを加えているように思える。

I/OシールドカバーやEPS12V部分のカバーはホワイト地。VRMヒートシンクはシルバー(通常光の下だとホワイトに近い)

VRMヒートシンクは表面こそフラットに見えるが、裏側には大きな溝を彫り込んでおり、CPUソケット左側と上側はヒートパイプによって結ばれている。チョーク部分にもかぶさる大きさで、十分な冷却性能が期待できるだろう。

表面からは見えない裏側を中心に大きな溝を設け、表面積を増やして冷却性能を向上させている。2つに別れたヒートシンクはヒートパイプによって結ばれている

チップセットヒートシンクは、ベースとしてブラック塗装のヒートシンクがあり、長さのある中央のM.2ヒートシンクがかぶさる格好だ。M.2ヒートシンクは、ブラック塗装に斜めの彫り込みが施されたものを上下に配し、中央のホワイト地にグレーのドットパターンがプリントされたものを挟んでいる。

ファンレスのチップセットヒートシンクと、取り外したM.2ヒートシンク。チップセットヒートシンクの上にM.2ヒートシンクがかぶさる形だ

M.2ヒートシンクを取り付けた様子。チップセット上の部分はヒートシンクの上からフィルムが貼られているようだ。一部のM.2ヒートシンク用ネジは、脱落防止ネジになっている

M.2スロットは4基。うち2基はPCI Express x16(x4)スロット、Serial ATA 3.0ポート2基分と帯域共有しているものの、4基ともPCI Express 4.0 x4接続をサポートしており、高速ストレージのニーズが高いクリエイター向け用途に対応しやすい。4基あるうち、CPU直結の最上段はM.2 SSDの裏面に接するサーマルパッドを設けており、表面のヒートシンクと合わせて両面から冷却を行なえる。

最上段(CPUソケット寄り)のM.2スロットにはM.2 SSDの背面用サーマルパッドを搭載

Serial ATA 3.0ポートは6基。チップセット仕様としては最大8基だが、これでも一部はM.2スロットと排他利用になるので、あまり煩雑になり過ぎない現実的なポート数に抑えていると言えるだろう

CPU電源回路を追っていこう。まず電源端子は8+4ピンで、マージンを持たせつつもOCがメインの設計ではないことが分かる。VRMは12+2フェーズ。ここも数で言えばゲーミングモデルAORUSのミドルレンジクラスに相当する。マージンや安定性を担保しつつも、OC向けモデルのような過剰な構成ではない。

PWMコントローラはRenesas Electronics「RAA229004」で、Vishay「SiC649A」をメインに使用し、アンコア用に「SiC651A」を用いている。使用部品のグレードも、ゲーミングミドルレンジに相当すると言えるだろう。

12+2フェーズ構成のVRMは、マージンもやや大きめで安定動作志向

CPU電源端子は8+4ピン

PWMコントローラはRenesas Electronics「RAA229004」

CPU用のMOSFETはVishay「SiC649A」

アンコア用のMOSFETはVishay「SiC651A」

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