製品名:MEG X570 ACE
メーカー:MSI
実売価格:4万4000円前後
AMDは11月5日にZen 3世代のRyzen 5000シリーズを投入すると発表している。同時に新チップセットは発表されておらず、AMD 500シリーズチップセットが引き続き利用されることになる。ハイエンドをになうのはAMD X570。BIOSアップデートによってRyzen 5000シリーズを動作させることが可能だ。……ということで、再びAMD X570チップセット搭載マザーボードの、とくにRyzen 9を熱望する方のために、ハイエンドモデルのMSI 「MEG X570 ACE」に注目してみよう。
「MEG X570 ACE」の主なスペック | |
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対応ソケット | Socket AM4 |
チップセット | AMD X570 |
フォームファクター | ATX |
メモリースロット | DDR4×4(最大128GB) |
対応メモリークロック | DDR4-4600(OC)~3466(OC)、DDR4-3200~1866 |
拡張スロット | PCI Express 3.0 x16×3(x16/-/x4またはx8/x8/x4)、PCI Express 3.0 x1×2 |
ストレージインターフェース | SATA3(6Gbps)×4、M.2(PCIe4.0x4/SATA)×2、M.2(PCIe4.0x4)×1 |
ネットワーク | 2.5Gb LAN(Realtek RTL8125)、1Gb LAN(Intel WGI211AT)、Wi-Fi 6(Intel Wi-Fi 6 AX200) |
サウンド | 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC1220) |
リアインターフェース | PS/2×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×3、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、USB2.0 Type-A×2、オーディオ端子×5 |
M/B上インターフェース | RGB LEDヘッダー×1、RAINBOW LEDヘッダー×2、Corsair LEDヘッダー×1、USB 3.2 Gen2 Type-Cヘッダー×1、USB 3.2 Gen1 Type-Aヘッダー×2、USB2.0ヘッダー×2など |
MEG X570 ACEは、MSIのAMD X570チップセット搭載マザーボードのなかでもフラグシップに近いモデルだ。MEGシリーズ自体エンスージアスト向けであり3モデルしかなく、最上位のGODLIKEの次がACEになる。
Ryzen 5000シリーズCPUへは、9月29日付で公開されているβ版BIOS「07C35v1C3」で対応する(https://www.msi.com/blog/amd-combo-pi-v2-1100-bios)。Ryzen 5000シリーズCPU発売までまだ時間があるので、この間に正式版BIOSやβ2版が公開される可能性もあるが、着々と準備が整ってきている。βという位置付け上、安定性を望む方向けではないのだが、Ryzen 5000シリーズCPUにアップグレードを検討している方は、βバージョンを導入してみるのもよいだろう。
ふんだんに高品質パーツを盛り込み、
超大型のヒートシンクを組み合わせたCPU電源回路部
マザーボード上でもっとも目立っているのが「Mystic Light Infinity II」。VRMヒートシンクカバー部分に設けられたLEDで、ミラーの反射を使った幻想的な照明効果を与えてくれる。次が「拡張ヒートパイプデザイン」。VRM部分のヒートシンクから伸びるヒートパイプはメモリースロット横で下方向に曲がり、チップセットヒートシンクへと導かれている。
電源回路は12+2+1フェーズ設計。GODLIKEの14+4+1フェーズ構成と比べると数を減らしているものの、相当な数であることは間違いない。安定性や信頼性を重視する方にとって、フェーズ数が十分ならばコンポーネントのほうが重要だろう。
MEG X570 ACEでは、PWMコントローラにInfineon「IR35201」、MOSFETに同じくInfineon「IR3555M」(60A対応)を組み合わせている。IR35201は8+0、7+1、6+2フェーズ構成に対応しているマルチフェーズコントローラだ。
おそらくは7+1フェーズモードを利用しているのだろう。マザーボード裏を見ると、PWMダブラーのInfineon「IR3599」が実装されていた。7フェーズ側にこれを用いることで12+2(=14)フェーズを構成しているようだ。
Infineon製コンポーネントはエンスージアスト向けのマザーボードでよく見られる。MEG X570 ACEはPWMコントローラ、フェーズダブラー、MOSFETといったVRMの主要コンポーネントすべてがInfineon製で統一されている。
EPS12Vは2系統。定格運用であれば1系統で問題ないが、2系統にすることで1系統あたりの負荷を引き下げ、接点部分の発熱を抑えることで、コア電圧引き上げを含むオーバークロックでも十分な電力を供給できる。