AMD HEROES

twitter
facebook
line

【注目Radeonピックアップ!第29回】

WQHDゲーミングに最適!人気ブランドのミドルレンジ向けモデル、ASUS「TUF-RX6700XT-O12G-GAMING」をレビュー(1/2)

文● 宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部

ASUSはゲーミング向けブランドとしてROG(Republic of Gamers)を展開しており、その中でも高品質・高性能を謳う製品が多いSTRIXシリーズは、コアなユーザーやハイエンドなゲーマーから定評がある。しかし、ミドルレンジ向けを見ていくと、TUF Gamingシリーズもユーザーからかなり好評を得ている。

TUF Gamingシリーズは、耐久性や安定性が高く、ゲーミング機能を有しながらも比較的価格が抑えられていることで、コストパフォーマンスに優れている点が人気の秘訣だ。

今回紹介する「TUF-RX6700XT-O12G-GAMING」も、そのTUF Gamingシリーズに属する製品で、AMDがミドルレンジ向けに新たに投入したGPU「Radeon RX 6700 XT」(以下、RX 6700 XT)を採用したモデルである。では、このTUF-RX6700XT-O12G-GAMINGはゲームでどの程度のパフォーマンスを発揮するのだろうか。いくつかのゲームを実際にプレイし、その快適度を確かめてみたい。

ブーストクロックは2622MHz
3つの動作モードと2つのvBIOSを搭載

それでは、まずはTUF-RX6700XT-O12G-GAMINGの動作クロック設定から紹介していこう。TUF-RX6700XT-O12G-GAMINGにおけるRX 6700 XTのゲームクロックは2514MHzと、これはリファレンスの2424MHzから90MHz引き上げられた格好だ。ブーストクロックも2622MHzで、こちらもリファレンスの2581MHzから41MHz高く、TUF-RX6700XT-O12G-GAMINGはいわゆるクロックアップモデルである。

グラフィックスメモリにはGDDR6を12GB搭載。RX 6700 XT搭載モデル全般にいえることだが、ミドルレンジ向けで12GBもの大容量が用意されている点に魅力を感じる人も多いはず。なお、メモリクロックは16Gbpsで、こちらはリファレンスから変わりない。

GPU-Zの実行結果

Radeon Softwareから仕様を確認したところ

さらに、TUF-RX6700XT-O12G-GAMINGでは、付属アプリケーションの「GPU Tweak II」(Version 2.3.0.3)により、「OC mode」「Gaming mode」「Silent mode」の3つの動作モードが利用可能。工場出荷時設定はGaming modeで、その動作クロック設定は前述のとおり。

OC modeでは、ブーストクロックはGaming modeと同じ2622MHzだが、ゲームクロックが2534MHzと、Gaming modeから20MHz向上する。一方のSilent modeについては、動作クロックが公開されていないものの、GPU Tweak IIや「GPU-Z」(Version 2.38.0)を見る限りでは、ブーストクロックが2594MHzと、Game modeから28MHz抑えられているようだ。なお、どのモードもメモリクロックは16Gbpsで変わりはない。

付属アプリケーションのGPU Tweak II

また、GPU Tweak IIでは、「Advanced Mode」を選択すると各種オーバークロック設定が利用可能。具体的には、「GPU Clock」という項目でブーストクロックを1MHz刻みで2518~2710MHzに設定できるほか、「Memory Clock」はその名の通りメモリクロックの設定で、0.004Gbps刻みで15.4~16.2Gbpsに変更可能だ。さらに、GPUのコア電圧も、「GPU Voltage」に1mV刻みで912~1200mVの設定が用意されている。

上から順にOC mode、Gaming mode、Silent modeでのAdvanced Modeの設定内容

そのほか、TUF-RX6700XT-O12G-GAMINGはPerformanceモード(以下、Pモード)とQuietモード(以下、Qモード)という2つのvBIOSを搭載。工場出荷時はPモードで、モードの切り替えはブラケットに近いカード側面に実装されたディップスイッチで行なう。

各vBIOSに関してASUSは詳しく説明していないものの、従来製品と同じであれば、Qモードに変更すると電力目標となるPower Targetが引き下げられ、それに合わせてファンの制御設定も変わり、消費電力と動作音が低下する。

PモードとQモードの切り替え用スイッチ。ブラケット側がPモード、逆側がQモードになっている

カード長は約321mmとかなり大きめ
ユニークなAxial-techファンを採用

それではカードの外観を見ていこう。カード長は実測で約321mm(※突起部除く)で、RX 6700 XTリファレンスカードが266mmほどであったのと比べると、約55mm長い計算だ。さらに、マザーボードに装着した際、垂直方向にブラケットから45mmほどはみ出ていることもあり、カードサイズはかなり大きい印象を受ける。

GPUクーラーは2.9スロット占有タイプで、100mm角相当のファンを3基搭載。これらのファンは、ブレードと外枠が一体成型されたAxial-techファンと呼ばれるもので、センターの1基のみブレードが13枚、そのほかは11枚と枚数に変化を付けている点がユニークだ。

さらに、中央の1基だけが時計回りに回転し、ほかの2基は反時計回りと、回転の向きにも変更が加えられている。ASUSによると、これにより乱気流が減少し、冷却性能が向上しているとのこと。また、GPUの温度が55℃を切るとファンの回転を停止し、60℃に達すると再び回転しだす「0dB Fan」機能も搭載する。

なお、この0dB FanはGPU Tweak IIから無効にし、常時回転するように設定することも可能だ。さらに、GPU Tweak IIでは、これらのファンの回転数を1%刻みで0~100%に指定できるほか、温度と回転数の関係を示すグラフから、各温度における回転数を任意に設定することもできる。

背が高くカード長もあるため、見た目はかなり大きい印象を受ける

Axial-techファンという3基のファンを搭載。中央の1基だけブレードの枚数が増やされている

2.9スロット占有タイプだけあって、カードの厚さもなかなかのもの

ヒートシンクには7本のヒートパイプが用いられ、放熱フィンはカード全体を覆うかなり大きなもの。電源部にはミリタリーグレードの堅牢な部材を採用し、同社によると144時間に及ぶ耐久試験を行なっているという。

カード裏面には、金属製のバックプレートが装着され、カードの剛性をカバー。さらに、側面にはTUF Gamingのロゴが配され、LEDにより点灯するようになっている。ただ、点灯する箇所はここだけなので、最近のゲーミング向け製品としてはかなり大人しい印象を受けた。

補助電源コネクタは8ピン×2を搭載。映像出力インターフェースは、DisplayPort 1.4×3,HDMI 2.1×1という構成で、このあたりはリファレンスカードと同じだ。

補助電源コネクタは8ピン×2仕様。GPUよりも基板のほうがサイズが小さいため、コネクタはGPUクーラーより低い位置に実装されている

DisplayPort 1.4×3,HDMI 2.1×1という構成のブラケット。排気孔となるスリットも用意されている

この記事もおすすめ

PAGE TOP