最近は、AMD製PCパーツおよび搭載PCの注目度が非常に高い。新型コロナ感染症による外出自粛にて、リモートワークの推進が進み、巣籠事情により自宅のPCでゲームをプレイする人口も増えているなか、性能向上が著しいAMD製CPU、Ryzen搭載PCを選択するユーザーが多い。
IT事情に詳しいDIYユーザーの注目をまず集め、その後マルチスレッド性能を求めるクリエイター、第4世代でシングルスレッド性能で競合よりも高い性能を示してからは、PCゲームユーザーの高い関心を買った。実店舗では、ほぼ同性能の競合搭載PCよりも安価な製品が多いことから、結果としてRyzen搭載PCを購入する人も増えているという。
では、実際にどういった製品が売れていて、AMD製プラットフォームには、どういうメリットがあるのか。Ryzenブランドが登場した時から数多くの製品ラインアップを取り扱い、Radeon搭載製品も数多く用意するパソコン工房などのパソコンショップを手掛けるユニットコム(以下、パソコン工房)にお話しを伺った。
性能向上により幅広い層から支持を得ている印象
インフルエンサーモデルの人気は高い!
編集部 今日はよろしくお願い致します。初めに、AMDの最近のRyzenについてどういった印象を持っていらっしゃいますでしょうか?
パソコン工房 昔からAMD製品に対して熱心のファンの方もいらっしゃいますが、製品の性能が非常に高くなったことで、そういった方々だけでない若年層や、最近では法人様の購入も増え、いろんな層からの支持が高くなった印象を持っています。
また、弊社では高いセキュリティー機能も備えたRyzen PROを搭載した製品も販売していますが、こちらの認知度ももっと広まって欲しいと思っています。
パソコン工房 その通りですが、我々は第1世代のRyzenから精力的に取り扱っていますが、オンボードモデルもゲームモデルもどれもバランス良く売れています。特にRyzenを搭載したインフルエンサーモデルなども沢山売れています。
Radeon搭載モデルは在庫があれば次々売れている
編集部 Radeonについては、どのようにお考えでしょうか。
パソコン工房 Radeonも以前はファンの方が買われているという印象でしたが、Radeon VII以降状況が変わりまして、Radeon 6000シリーズ搭載製品に至っては、性能はもちろん、今まで不足していた機能が補われてその人気が一段と増した印象です。ラインアップとしてご用意しているというところでお客様にも好評を頂いています。
編集部 それはゲーミングPCでということでしょうか。クリエイティブ用途のPCでもRadeon搭載製品が売れているのでしょうか。
パソコン工房 弊社が今まではゲーミングを主体に展開していたので、クリエイティブでも販売していきたいです。主にProRenderを使ったCG用途の製品とか、あとはディープラーニングといった機械学習系、演算系なども興味があります。
編集部 ゲーミングPCを買われるお客様の問い合わせでは、どのゲームをプレイしたいというお声が多いのでしょうか。
パソコン工房 Apex Legendsやフォートナイトで、どれぐらいのフレームレートが出るのか、といった電話やチャットでのお問い合わせが多いです。
パソコン工房 店頭で断トツに聞かれるのはフォートナイトで、次に聞かれるのはApex Legendsですね。その場合は、店頭の即納モデルをご案内することもあれば、ウェブ通販のAMDモデルをご案内することもあります。
お子様連れのお客様からマインクラフトというお問い合わせがある場合もありますが、今は圧倒的にフォートナイトですね。
編集部 御社だとeスポーツチームとのコラボモデルが多いから、Apex Legendsやフォートナイトといった競技性の高いゲームのお問い合わせが多かったりするのでしょうか。
パソコン工房 その影響は強いと思います。おかげ様でご好評をいただいております。
編集部 AMDさんだと早くからGen 4のSSDに対応しておりましたが、オプションでGen 4のSSDを選ばれる割合が多かったりするのでしょうか。
パソコン工房 Gen 4のSSDは発熱が高くて安定動作できる部品を凄く慎重に選んでいるんです。そういった製品はとても少なくて、標準搭載というのはまだまだ難しいのでオプションで選んで貰っている状況です。
ただ、インフルエンサーさんのモデルで、Gen 4 SSDがオススメされていると売れたりします。また、クリエイターモデルの一部は、標準で搭載しているのですが、動画やCG編集が早くなるということで選んで貰ったりしています。
編集部 チップセットなど、AMDプラットフォームの良さなどについては、いかがお考えでしょうか。
パソコン工房 新旧またがって使えるという点は大きなメリットで、我々としては製品が作り易いですね。また、フォームファクターの自由度が高いですね。CPU自体にチップセットの機能が乗っているので、DeskMiniのような小型PCも作れるのはおもしろいと考えています。
編集部 我々取材をするとゲーミングPCを買われる方は、予算をビデオカードに割り振って、ストレージは重視しない傾向にありましたが、そういった傾向はありますでしょうか。
パソコン工房 仰る通り必要最低限といった方もいらっしゃいますが特に増えたといった感じはありません。今はほとんどシステムドライブはSSDが標準で、セカンドにさらにSSDを選ぶ方も増えています。
コスパ重視の場合はどちらかというとCPUをRyzen 5にしてビデオカードをより良くするという方が目立ちます。ハイエンドを選ばれる方は長く使われることも意識して初めからRyzen 7に良いビデオカードを選択しています。ディスプレーまで選んでほぼ一式買われる方も以前よりも増えている印象です。
編集部 AMDさんはイベントで、最近は解像度がフルHDよりもWQHDで、144Hz以上のディスプレーの出荷が増えていると言っておられますが、その傾向は強かったりしますでしょうか。
パソコン工房 そうですね、ゲーミングPCと一緒に144Hzのiiyamaのゲーミングディスプレーが売れています。選ばれるディスプレーサイズも大型化しています。以前は21インチがメインでしたが、最近では23~27インチ以上と、大きいサイズのディスプレーが人気です。