PowerColorのカラーイメージというと、Red Devilシリーズに代表されるように“赤”と答える人がほとんどではないだろうか。そのPowerColorから、なんと純白のグラフィックスカードが発売される。
「Hellhound Spectral White AMD Radeon RX 6700 XT 12GB GDDR6」(型番:AXRX 6700XT 12GBD6-3DHLV2、以下 Hellhound Spectral White)というグラフィックスカードは、GPUに「Radeon RX 6700 XT」(以下、RX 6700 XT)を採用したモデルで、従来の「Hellhound AMD Radeon RX 6700XT 12GB GDDR6」(型番:AXRX 6700XT 12GBD6-3DHL)の白色版という位置付けだ。では、このHellhound Spectral Whiteはどのような特徴を持っているのか詳しく見ていこう。
Hellhound RX 6700 XT搭載モデルがベース
白色基板やGPUクーラーを採用したこだわりの1品
Hellhound Spectral Whiteの最大の特徴は、やはり全部真っ白とも言えるその外観だ。GPUクーラーやバックプレートが白いことはもちろんのこと、ブラケットや基板までもが白一色で、その外観はかなりインパクトが大きい。
GPUには冒頭でも述べたとおりRX 6700 XTを採用しており、ゲームクロックは2424MHz、ブーストクロックは2581MHzとリファレンス通り。メモリーにはGDDR6を12GB搭載し、そのクロックも16Gbpsとリファレンスから変わりはない。
カード長は実測で約304mmと、RX 6700 XTリファレンスカードが同266mmだったのに比べると40mm弱長い計算になる。ただ、基板自体は241mmほどしかなく、GPUクーラーがカード後方にはみ出た格好だ。また、マザーボードに装着した際、ブラケットから垂直方向に25mmほどはみ出ている。その外観は白い箱といった印象だ。
GPUクーラーは2.6スロット占有タイプで、3基のファンを搭載。これらのファンは、中央のみが90mm角相当で、ほかの2基は100mm角相当とサイズに変化が加えられているほか、ファンブレードは白い外観に合わせて透明なパーツを採用している。
これらのファンには白色LEDが搭載されており、ファンブレードを通してその明かりが透過して光るといった仕様だ。LEDは背面のバックプレートにも搭載されているが、ブラケット近くの側面に用意されたディップスイッチによりONとOFFを切り替えることが可能になっている。
また、ファンブレードの角度が下向きになっており、PowerColorによるとこれにより風圧が60%向上しているという。さらに、GPUの温度が低い際にはファンの回転を停止する、セミファンレス仕様も採用されている。
さらに、GPUクーラーには6mm径のヒートパイプを5本採用し、これらのヒートパイプがGPUベースから放熱フィンへと繋がる構造だ。なお、GPUベースはメモリチップにも接しており、グラフィックスメモリの冷却にも抜かりはない。
電源部については、PowerColorの説明では、MOSFETとドライバICを1パッケージにしたDrMOSを利用し、8+2フェーズ構成を採っているとのこと。PowerColorがプラチナ電源キットと呼ぶ、高分子コンデンサーなどの部材を使用することで、優れた電力効率で電力損失を低減しているとのこと。
補助電源コネクタは8ピン×2という構成で、リファレンスカードが8ピン+6ピンという仕様だったので75W分、電力供給量が強化されている。また、映像出力インターフェースは、DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1 Type A×1で、このあたりはリファレンスカードから変わりはない。