4K解像度に対応した液晶ディスプレーが安価になってきたとはいえ、以前としてフルHDでゲームをプレイしているユーザーはかなり多い。そうしたフルHDでのゲームプレイを想定し、高いパフォーマンスが期待できるとしてAMDのRDNA 2世代のGPU「Radeon RX 6600 XT」(以下、RX 6600 XT)は高い注目を集めている。
今回紹介するSapphire Technology(以下、Sapphire)の「NITRO+ Radeon RX 6600 XT GAMING OC 8G GDDR6」(以下、NITRO+ RX 6600 XT GAMING)も、そのRX 6600 XTを搭載したモデルだ。では、このNITRO+ RX 6600 XT GAMINGは、ゲームでどの程度のパフォーマンスが期待できるのだろうか。実際にゲームをプレイし、そのポテンシャルを確かめてみたい。
ブーストクロック2607MHzのクロックアップモデル
PerformanceとSilentのvBIOSを搭載
まずは、NITRO+ RX 6600 XT GAMINGの動作クロック設定から紹介していこう。NITRO+ RX 6600 XT GAMINGのゲームクロックは2428MHzで、ブーストクロックは2607MHz。これはリファレンス比で前者は69MHz、後者は18MHzそれぞれ引き上げられたクロックアップモデルとなっている。なお、メモリークロックは16Gbpsで、こちらはリファレンスから変わりはない。
さらに、NITRO+ RX 6600 XT GAMINGでは、「Performance Mode」と「Silent Mode」のvBIOSを搭載。これらのvBIOSはカード側面のブラケット寄りに配置されたディップスイッチで変更するほか、そのスイッチで「Software Switch Mode」に設定しておくと、付属アプリケーションの「TriXX」(Version 8.4)から切り替えることが可能。工場出荷時設定はSoftware Switch Modeで、vBIOSはPerformance Modeが選ばれている。
Performance Modeの動作クロックは前述したとおり。一方のSilent Modeでは、ゲームクロックが2359MHz、ブーストクロックは2589MHzと、リファレンスにまでそれぞれ低下する。なお、Silent Modeでもメモリークロックは16Gbpsと変わりはない。
TriXXについてもう少し触れておくと、GPUのコアクロックやメモリークロック、それに温度などをリアルタイムでグラフ表示するモニタリング機能が用意されている。そのほかにも、アクティブ解像度を制御してフレームレートを向上させたり、画面をシャープにする「Radeon Image Sharpening」を有効化/無効化したりすることが可能だ。
カード長は241mmと比較的短め
SAPPHIRE Dual-Xクーリングを採用
それでは、NITRO+ RX 6600 XT GAMINGのカードそのものについて見ていこう。カード長は実測で約241mm(※突起部除く)だが、基板自体は192mmほどしかなく、GPUクーラーがカード後方に50mm弱はみ出た格好だ。
そのGPUクーラーは、2.2スロット占有タイプの「SAPPHIRE Dual-Xクーリング」と呼ばれるオリジナルモデル。90mm角相当のファンを2基搭載しており、ファンの外枠が一体成型されたうえ、波を打ったような形状をしている点が特徴的だ。Sapphire曰く、このファンにより、動作音を抑えながら空気圧の向上を実現しているという。また、TriXXを用いてこれらのファンの動作チェックが行なえるあたりはユニークだ。さらに、アイドル時にはファンの回転を停止する機能も用意されている
カードを横から覗き込むと、GPUクーラーには6mm径のヒートパイプが2本用いられているほか、電源部がカード後方にまとめられているのが分かる。また、GPU上のベースが、メモリーチップや電源部にも接しており、それをしっかりと冷却する構造になっている点も好印象だ。また、カード側面にはSAPPHIREのロゴが埋め込まれており、LEDも内蔵しているためその色や光り方を変更可能だ。
補助電源コネクタは8ピンを1基のみ装備。映像出力インタフェースは、DisplayPort 1.4が3つにHDMI 2.1が1つと、最近の製品ではよく見かける構成だ。