さまざまなメーカーから、矢継ぎ早に「Radeon RX 5700 XT」を搭載したオリジナルデザインのビデオカードが登場してきている。ASRockの「Radeon RX 5700 XT Challenger D 8G OC」(以下、RX 5700 XT Challenger)も同種の製品で、ベースクロックが1650MHz、Gameクロックが1795MHz、ブーストクロックが1905MHzと、リファレンスから動作クロックが引き上げられたクロックアップモデルである。
では、オリジナルデザインのRX 5700 XT Challengerが備えるポテンシャルはどの程度なのだろうか。リファレンスモデルに対するアドバンテージはどこにあるのか、いくつかのテストを通じ、詳しく見ていきたい。
GPUクーラーには100mm角ファンを2基搭載
OC ModeやSilent Modeといった動作モードを実装
さっそく、RX 5700 XT Challengerのカードの外観から紹介していこう。カード長は実測で270mmほど(※突起部含まず)で、RX 5700 XTリファレンスカードが約273mmだったので、それよりは若干短いといったところ。ただし、RX 5700 XT Challengerの基板は227mmほどしかなく、GPUクーラーがカード後方に46mmもはみ出ている格好なので、基板だけを見るとリファレンスカードからかなり短くなっているといった印象だ。
そのGPUクーラーは2スロット占有タイプで、100mm角相当のファンを2基搭載している点が特徴的だ。これらのファンは、描画負荷が軽い状態、つまりアイドル状態では回転を停止される流行りの機能も搭載されている。
また、付属アプリケーションの「ASRock Tweaker」(Version 1.1.5)を用いれば、ファンの制御方法を「SMART MODE」「FIXED MODE」「CUSTOMIZE」の3通りから選択可能。SMART MODEはデフォルトの自動制御方式で、FIXED MODEは指定した回転数に保つというもので、CUSTOMIZEでは温度と回転数の関係を示すグラフにおいて、ユーザーがグラフの中の4か所を任意に変更できるようになっている。
ちなみに、RX 5700 XT Challengerの動作音だが、ハイエンド向け製品らしく、負荷が掛かった際にはそれなりの音量があるものの、その周波数がさほど高くないためか、あまり耳障りな印象は受けなかった。
なお、ブラケットのスリットからのぞき込むと、GPUクーラーには8mm径のヒートパイプが4本使用されていることが確認できる。そのほか、カード裏面には、金属製のバックプレートが装着されている。
また、ASRock Tweakerには、動作クロック設定として「OC Mode」「Silent Mode」「User Mode」の3つの動作モードが用意されている。デフォルトはOC Modeで、Silent Modeに変更すると、ベースクロックが1580MHzに低下し、消費電力の低減や静音性の向上が期待できる。一方、User Modeでは、ブーストクロックを1MHz刻みで800~2150MHzに、メモリークロックを1MHz刻みで875~950MHzにそれぞれカスタマイズでき、ユーザーの自己責任となるが、オーバークロックを試す際に重宝しそうだ。
補助電源コネクターは8ピン×2という構成で、リファレンスカードから変わりはない。さらに、映像出力インターフェースは、DisplayPort 1.4×3、HDMI 2.0b×1で、このあたりもリファレンスカードと同じだ。