■ゲームタイトル:デイメア:1998
■メーカー名:Invader Studios
■価格情報:3839円
■公式サイト:https://daymare.games.dmm.com/
あの名作タイトルの雰囲気を色濃く受け継ぐサバイバルホラーゲーム
「デイメア:1998」は、特殊なガスにより生ける屍と化した市民が跋扈する街で、複数のキャラクターを操作し生き延びることを目指すサバイバルホラーゲームだ。ゲームの進行はチャプター方式。プレイヤーは襲い来るゾンビを避けるか手持ちの銃器で撃退しつつ、ステージごとに散りばめられた謎解きをクリアして活路を開き、チャプターの目的を達成していくことになる。この手のサバイバルホラーとしては典型的な作りで、“どこかで見たことがある”と感じるゲーマーも多いのではないだろうか?
それもそのはずで、本作はカプコンの名作サバイバルホラー「バイオハザード」シリーズに強くインスパイアされていることを公言している。開発を手掛けたインディースタジオ「Invader Studios」は、もともと「バイオハザード」シリーズファンの集いであり、スタジオを立ち上げた当初は「バイオハザード 2」の非公式リメイク作品である「Resident Evil 2 Reborn」を制作していた。2015年にはデモ映像も公開されていたため、それが記憶に残っているという人もいるだろう。
本家であるカプコンが「バイオハザード 2」のリメイクに手をつけたため、非公式リメイクの計画は凍結されたが、「Invader Studios」はあらたにオリジナル作品の開発企画を始動。4年の開発期間を経て、2019年にリリースされたのが「デイメア:1998」だ。余談だが、ゲームタイトルにもある1998年は「バイオハザード 2」がリリースされた年でもある。
「デイメア:1998」の主な舞台は、アメリカのとある街「キーンサイト」。大企業「ヘキサコア バイオジェネティクス」の拠点であるこの街に、機密物質の「腐食性ガス」が漏洩したことにより、多くの街の住民がガスによってゾンビに変貌してしまう。
プレイヤーは、チャプターごとに複数の人物を操作することでそれぞれのキャラクターの物語を追体験しつつ、次第にガスの漏洩や「キーンサイト」の隠された実態に迫っていく……というのが大まかなゲーム展開となる。大企業の息のかかった街といえば、「バイオ」シリーズのアンブレラ社を思い起こさせるが、本作は後述する要素により、単に「バイオ」シリーズをなぞるだけではない物語の魅力を獲得している。
とは言え、もともとリメイクを開発していただけのことはあり、雰囲気やゲームシステムは「バイオハザード」シリーズを強く思い起こさせるものだ。敵がどこからどれだけ来るか分からない怖さ、ゴア描写やグロテスクな描写など、サバイバルホラーを盛り上げる要素もしっかり備えている。
難易度によっては「バイオ」ゆずりの弾薬管理が必要になってくるのもポイントだ。本作のゾンビは近距離攻撃では倒せず、弾数は難易度を上げるほどシビアな管理が必要になる。おまけにゾンビはかなりタフなので、“全員は倒しきれない”という意識が緊張感を生み、プレイヤーに息をつかせない。
ゲームの進行に欠かせない謎解きは、状況からルールを察しなければいけないタイプなので、難易度はやや高めと言えるだろう。この手のゲームに慣れていない場合、戸惑うことは必至だが、マップや周囲をよく見ればしっかりヒントは示されている。必ず法則があるので、謎解きに詰まったら落ち着いて周りを見渡してみよう。