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PUBGのfpsが約27%向上!ドライバでRadeonが変わった

文● 宮崎真一 編集●ジサトラ ハッチ

 AMDのミドルレンジ向けGPUである「Polaris 20」こと「Radeon RX 580」(以下、RX 580)は2017年4月に発表され、2018年10月時点で1年半が経過した。同様に、「Vega 10 XT」コアを採用する「Radeon RX Vega 56」(以下、RX Vega 56)も2017年8月にリリースされてから、1年以上が過ぎている。

 その間、グラフィックスドライバーはバージョンアップを重ねており、現時点では「Radeon Software Adrenalin Edition 18.9.3」が最新バージョンとなっている。しかしながら、一度PCを自作した後は、ドライバーのアップデートは意外に忘れがちになる。

 一般的に、グラフィックスドライバーは、バージョンアップごとにゲームの最適化が進み、パフォーマンスが改善すると言われている。この定説はRX Vega 56やRX 580にも当てはまるはずだが、どの程度の性能向上を果たしているのだろうか。

 そこで、実際にこれらのGPUで新旧のドライバーをインストールし、ベンチマークのスコアーやゲームのフレームレートに変化が見られるか確認してみたい。

18.9.3と17.8.1でパフォーマンスを比較 PUBGでドライバーアップデートの効果絶大

 さっそくテスト環境について説明していこう。今回、グラフィックスカードにはRX Vega 56リファレンスカードと、RX 580を搭載するASUSの「ROG-STRIX-RX580-O8G-GAMING」を利用。グラフィックスドライバーには、現時点における最新版となる18.9.3と、RX Vega 56発表後にリリースされた同GPU対応版となる17.8.1を使用した。

Radeon RX Vega 56リファレンスカード
「ROG-STRIX-RX580-O8G-GAMING」

 つまり、2017年8月初めと2018年9月末の両バージョンのドライバーで性能を比較しようというわけである。なお、CPUにはそれがなるべくボトルネックにならないよう「Core i7-8700K」を用い、それ以外のテスト環境は表のとおりとなる。

【検証環境】
CPU Intel「Core i7-8700K」(6コア/12スレッド、3.7G〜4.7GHz)
ビデオカード AMD「Radeon RX Vega 56リファレンスカード」、ASUS「ROG-STRIX-RX580-O8G-GAMING」(Radeon RX 580)
マザーボード ASUS「ROG STRIX Z370-F GAMING」(Intel Z370)
メモリー DDR4-2666 8GB×2
ストレージ SAMSUNG SSD 850 EVO「MZ-75E500B/IT」(Serial ATA 6Gbps,500GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS Gold)
グラフィックスドライバーー Radeon Software Adrenalin Edition 18.9.3、Radeon Software Adrenalin Edition 17.8.1
OS マイクロソフト「Windows 10 Pro 64bit版」
Radeon Software Adrenalin Edition 18.9.3の各バージョン内容
一方、こちらは17.8.1の内容となる

ベンチマークテストでは大きな差はないが性能アップの傾向は見て取れる

 それでは、定番のベンチマークテストとなる「3DMark」(Version 2.5.5029)の結果から見ていこう。まずは「Fire Strike」の総合スコアーからだが、RX Vega 56は18.9.3と17.8.1とで1〜4%の差あり、RX 580は両者で6%ほどの開きが見られる。

 3DMarkはGPUの発表時において、ドライバーにかなり最適化を施している場合が多いが、それでもしっかりとスコアーを伸ばしている点は好印象だ。また、RX Vega 56とRX 580では、後者のほうがスコアーの伸びが大きい点も押さえておきたいポイントだ。

 続いてDirectX 12のテストである「Time Spy」の総合スコアーの結果に移ろう。

 Time Spyにおいて、RX Vega 56は17.8.1から18.9.3で最大で2%ほどしかスコアーが伸びておらず、RX 580にいたってはスコアーの伸びは1%にも達していない。つまり、2017年8月の時点で、ドライバーのTime Spyへの最適化は、ほとんど終わっていたということなのだろう。

 次に定番のベンチマークである「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の結果である。ここでは、3840×2160ドット、2560×1440ドット、1920×1080ドットのそれぞれでベンチマークを実行。なお、オプション設定は、グラフィック設定プリセットから「最高品質」を選択している。

 ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークは、Radeonシリーズがあまり得意ではないテストだが、それが要因なのか、RX Vega 56は18.9.3で総合スコアーを1%しか伸ばせていない。

 RX 580にいたっては、ドライバーの差異による総合スコアーの伸びは1%にも達しておらず、あまりパフォーマンスの改善は見られない。平均フレームレートは、総合スコアーの傾向を踏襲する形となっており、ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークにおける最適化はあまり施されていないように見受けられる。

ゲームによって効果の差異はあるが確実に性能アップ!

 それでは、ゲームでのパフォーマンスは、ドライバーによってどのように変わるのだろうか。まずは、「Far Cry 5」からテストしてみたい。Far Cry 5では、クオリティから画質を「最高」に設定し、ゲームに用意されているベンチマークモードを実行。解像度は3840×2160ドット、2560×1440ドット、1920×1080ドットの3つを選択している。

 まず、平均フレームレートだが、RX Vega 56は17.8.1から18.9.3に変更することで、3〜5%伸びている。RX 580も18.9.3で17.8.1から2〜4%向上しており、ドライバーのアップデートによるパフォーマンスの上昇が確認できる。一方、最小フレームレートでは、とくにRX Vega 56の1920×1080ドットで、9%も上昇しており、かなりパフォーマンスが改善している。

 RX 580も含め、そのほかの解像度でも18.9.3で最小フレームレートは軒並み上昇しており、ドライバーをアップデートする恩恵は確実にある。

 ちなみに、RX 580で17.8.1を利用した場合、3840×2160ドットで画面が乱れるという不具合が発生した。この不具合はカード個体による可能性もあるのだが、Far Cry 5は2018年3月に発売されたタイトルであるため、それより半年以上前の17.8.1で不具合が出てしまうのは仕方がないところだ。なお、18.9.3ではこの不具合は発生しないので、バグフィックスもしっかりと施されている。

 続いて「Fortnite」でも、ドライバーの差異でパフォーマンスがハッキリと変わっている。Fortniteでも、3840×2160ドット、2560×1440ドット、1920×1080ドットの3つの解像度でゲームを実際にプレイ。1分間の平均フレームレートと最小フレームレートをFrapsで取得した。なお、品質は「エピック」に設定している。

 RX Vega 56の平均フレームレートは、17.8.1から18.9.3に変更することで5〜9%上昇。解像度が低くなるにつれてその伸びが大きくなる傾向が確認できる。

 一方、RX 580でもその傾向は同じで、18.9.3と17.8.1の開きは2〜7%と、1920×1080ドットでもっとも大きくなっている。最小フレームレートについては、RX Vega 56が18.9.3で6〜8%伸ばし、RX 580も最大で4%ほど向上している。

人気のPUBGは最大約27%向上!ドライバーのアップデート効果は抜群!

 驚きの結果が出たのが「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」(以下、PUBG)である。PUBGでは、全体クオリティーを「ウルトラ」に設定したうえで、1分間、実際にゲームをプレイ。その間の平均フレームレートと最小フレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得した。なお、解像度はFar Cry 5と同じく3840×2160ドット、2560×1440ドット、1920×1080ドットの3つである。

 まず、平均フレームレートだが、RX Vega 56は18.9.3で17.8.1から25〜27%も伸びており、これはかなりインパクトが大きい。RX 580もRX Vega 56ほどではないものの、18.9.3と17.8.1との差は19〜21%もあり、ドライバーによるパフォーマンスの開きはかなりのものだ。

 その傾向は最小フレームレートでも同じで、とくにRX Vega 56の2560×1440ドットや、RX 580の1920×1080ドットでは、どちらも17.8.1では60fpsを割っているのに対して、18.9.3では上回っており、ドライバーのアップデートによる恩恵は大きい。PUBGは、全世界で人気のタイトルだけに、AMDもかなりドライバーの最適化を進めたということなのだろう。

「Shadow of the Tomb Raider」では、「最高」プリセットを指定したうえで、ゲームに用意されているベンチマークモードを実行。結果に表示される平均フレームレートと最小フレームレートをグラフにまとめた。解像度は、これまでのテストと同じく3840×2160ドットから1920×1080ドットまでの3パターンである。

 Shadow of the Tomb Raiderでは、RX Vega 56は、17.8.1でエラーが発生し、ゲームが起動できなかった。そのため、18.9.3と17.8.1とのフレームレートの比較は行えていないのだが、18.9.3では問題がなかったので、不具合対策はしっかりと行なわれている。

 RX 580に目を移すと、ここでは3840×2160ドットの結果に注目してほしい。RX 580の平均フレームレートは、18.9.3で32%、最小フレームレートは29%、それぞれ上昇しており、かなりのパフォーマンス改善が確認できる。それ以外の解像度では3〜4%程度しか変わっていないことを考えると、4Kに絞ったチューニングが実施されたと捉えるのが妥当だろう。

ドライバーをアップデートすることでゲームパフォーマンスは確実に改善する

 以上のテスト結果から明らかなように、ほとんどの場面で、ドライバーをアップデートすることでパフォーマンスの向上が確認できた。とくにPUBGにおけるパフォーマンスアップはかなりもので、最適化だけでこれだけ変わるのかと正直驚くほどだ。

 Far Cry 5やFortniteでも、18.9.3でフレームレートを伸ばしており、AMDがしっかりと最適化を施しているのが分かる。加えて、付属のソフトウェアも機能が追加されていたり、操作が改善されていることもあるので、もし、Radeonシリーズを使っていて、アップデートを怠り古いドライバーを使っているのであれば、最新バージョンを試してみてはいかがだろうか。

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