RTX 2080に対し一歩も引かないRadeon VII
では実ゲームベースのベンチマークといこう。まずはRadeon系と相性が非常に良いとされているMSストア専売ゲームの中から「Forza Horizon 4」で検証する。ダイナミックオプティマイゼーションは無効化し、画質はプリセットの“ウルトラ”に設定。
ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測しているが、グラフ中の“GPU-”とある数値はGPU内処理のフレームレートであり、ベンチマークシーン全体の平均フレームレートは“Avg”で示している。
3DMarkやVRMarkではVega 64に対し20%前後勝っていたRadeon VIIだが、解像度フルHDやWQHDといった低負荷領域では10%程度しか平均フレームレートを伸ばせていない。これはVega 64に対する最適化が進んでいるのと、メモリー帯域が低負荷領域ではそれほど効いて来ないためだろう。4Kになるとクロックも低くメモリーバス幅の狭いVega 64は一気に息切れするようだ。
一方、RTX 2080に対してはWQHDで4%程度上回れたが4Kでは逆に7%程度負けている。VRAM周りの性能が良いRadeon VIIは4Kのような超高負荷領域でRTX 2080に対し強いと当初は思っていたが、実際はそうでもないようだ。
次も起動時にAMDロゴが出てくる程度にはAMDの力が入っている「Far Cry 5」で試してみよう。画質はプリセット“最高”とし、HDテクスチャーを有効化、アンチエイリアスは“TAA”とした。ゲーム内のベンチマーク機能を利用して計測している。
このゲームでは解像度が低いほどVega 64とRadeon VIIの差は小さくなり、同時にRTX 2080が伸びる傾向にあるが、4K領域では5~6%ほどRadeon VIIが高フレームレートを出せている。AMDの肝入ゲームといえど、描画負荷が低い時はTuringのパフォーマンスに押されてしまう点はちょっと残念なところだ。