Athlon3兄弟は、どの程度PCゲームに耐えられるか
ここまでVega 3のもたらすグラフィック描画性能はあまりゲーム向けではない、ということは明らかだ。内蔵GPUでゲームを考えるなら、どう考えてもRyzen 3 2200Gの方が有利だ。だがあえて今回はAthlon3兄弟をゲーミングPCとして利用できる目はないか検証してみたい。
まずは「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」公式ベンチを利用する。画質は一番軽い“標準品質(ノートPC用)”とし、解像度をフルHD(1920×1080ドット)とHD(1280×720ドット)の2通りで計測した。
ここでも240GEのスコアーが220GEより下がる現象が確認できた。GPUを酷使するタスクにおいてTDP35W据え置きのままCPUコアクロックのみ増えるというのは若干不利になるようだ。
ただいずれのAthlonにおいても、解像度を下げて画質最低にしても平均40fps程度がやっと……。戦闘には厳しいがゲーム内を移動するとか、アイテム生産程度には使えるかもしれない。
もう少しアクション性の高いゲームでも検証してみよう。今回は格闘ゲーム「SOULCALIBUR VI」で検証する。画質はプリセットの“低”とし、CPU対戦時のフレームレートを「OCAT」で測定した。ステージは“アストラルカオス”で統一している。
Athlonに搭載されているVega 3程度のパワーでは、フルHDでも平均60fpsは難しいが、Athlon3兄弟の高クロックモデルであってもフレームレートが常に高くなるわけではない。手動計測かつ毎回動きやアングルが異なるため同一の負荷にはならないのが原因だが、ゲームの展開によっては100~200MHzのCPUクロック差はアドバンテージにならないことを示している。
数値だけを見れば意外にAthlonでもいけそうな感じがするが、このゲームの画質“低”はレンダースケールが自動的に50%になる。そのためUI等がフルHDでレンダリングされてもゲームのグラフィック自体は960×540ドット。キャラ造形はかなり粗い感じになるのだ。
解像度をHDにすれば平均60fpsが得られ、特殊エフェクトのかかる大技発生時程度しかフレームレートは落ちこまなくなるが、キャラのディテールはかなり欠落した状態でプレイすることになる。やはりここでもRyzen 3 2200Gがゲームに挑戦する上ではベースラインと考えてよいだろう。
続いては先日発売された「BIOHAZARD RE:2」でも試してみた。描画の軽めなSOULCALIBUR VIの結果を考えると、描き込みの重厚なこちらはもっと遅くなることは明白だが、一応検証しておきたい。解像度はフルHDとHDの2通りで、プリセットの画質は“処理速度優先”とした。テストに使ったのはクレア編を始めて間もなく、警察署に入るまでの屋外マップをぐるぐると移動する際のフレームレートを「OCAT」で測定した。
このゲームではレンダースケールと画質設定がリンクしていないので、HDに落としてもそれほどドット感はない。フルHDだと相当辛いが、HDだとカクついてしまうが怖い雰囲気を味わえる程度にはゲームが楽しめる……といったところだろう。