DaVinciではRadeon VIIのみがまともに出力できた!
しかし、Premiereの結果はあまりにもパッとしない。そこで目をつけたのが「DaVinci Resolve Studio」だ。製品版と無償版があるが、無償版では付与できるエフェクトの数等に制限がかかっていて満足な検証ができなかったので製品版で検証を行なった。
ここでは1つの8Kクリップに対し3つのノードを追加、グローや色調整、ノイズリダクション等のエフェクトを追加していった。これをH.264形式の4K(MP4)に書き出すだけ。再生時間にしてたった6秒という短い素材を使ったが、アウトプットにGPUのチョイスはどう影響するかチェックしたい。
グラフだけを見るとVega 64が飛び抜けて低速でRTX 2080はRadeon VIIに次ぐスピードで処理を終えているが、RTX 2080もVega 64もエンコード結果は黒一色もしくはノイズだらけの失敗作を出力しただけ。意図した通りの結果を出せたのはRadeon VIIだけだった。VRAM 8GBのGPUではエンコード中にVRAM不足が発生することにより、GPU側の処理にエラーが出てしまうからだ(DaVinci側のエラーハンドリングの悪さも原因のひとつだとは思うが……)。
まとめ:Radeon VIIをゲームだけに使うのはもったいない!
簡単ながらRadeon VIIとクリエイティブ系アプリにおける使い方を考察してみた。16GBもあるVRAMを使い切るシチュエーションを作るのは結構大変だという印象を持ちつつも、条件さえ揃ってしまえば8GBの壁を突破するのは一瞬。
まだ8K動画なんて一般ユーザーには手の届かない話ではあるが、将来的に挑戦したいのであれば、豊富なVRAM環境がライバルより安価に手に入るRadeon VIIはお買い得である、と覚えておきたい。特にDaVinci Resolve StudioではVRAM8GB環境では全く話にならなかった(正しく出力されない)のが衝撃的だった。
CG系ではライバルとの絶対的な優勢とは言えないものの(Creator Readyドライバーはかなり頑張っていると言えるだろう)、 価格帯が同じであることを考えると優れたソリューションであると言ってよいだろう。
趣味で動画編集等をたしなむ程度のユーザーにはあまりピンと来ないかもしれないが、もっと上の映像制作に挑もうとするのであれば、Radeon VIIはファーストチョイスにすべきGPUではなかろうか。