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メモリーOCした際の第3世代Ryzenの性能や極冷環境での耐性などをチェック!(2/3)

清水貴裕 編集● ジサトラハッチ

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

メモリーOCの傾向はいかに?

CPU内のインターコネクトであるInfinity Fabricとメモリーのクロックが同期しているのがRyzen 2000シリーズまでの仕様でした。。しかし、Ryzen 3000シリーズでは「Infinity Fabric Divider」という機能が実装されて、Infinity Fabricの動作クロックをメモリーの半分にする事が可能となりました。この恩恵でDDR4-4000を超えるメモリーが簡単に動かせるようになりOC面でのRyzenのネガが1つ解消された訳です。

Divider機能有効時のInfinity Fabricの動作クロックですが、DDR4-4000時を例に挙げると1000MHz、DDR4-4400時だと1050MHzといった具合です。CPU-Zのメモリータブに表示されるメモリークロックの半分の値になります。

しかし、良い事ばかりではありません。CPU内の各部を繋ぐ大事な部分のクロックが下がるため、高クロックメモリーを使った分のパフォーマンス向上を打ち消したり、逆にパフォーマンスが下がる場合もあります。

AMD公式発表によると最もパフォーマンスが出るのがDDR4-3733とされていますが、多くのマザーボードではDDR4-3733を超えると自動でDevider機能が有効になってInfinity Fabricの動作クロックが半分になってしまいます。

DDR4-3733設定時のCPU-Z画面。Infinity Fabricのクロックが半分になっている

GeekBench 3 ver3.4.2のメモリースコアー

GeekBench 3 ver3.4.2のメモリースコアーを複数の設定で計測してみたグラフです。まず注目してほしいのがDDR4-3733のスコアーです。Infinity Fabricの動作クロックがDivider機能が有効になって933MHzになった際は、手動で1対1の1866MHzに設定した際よりもマルチスコアーが約5.8%、シングルスコアーが6.4%低下しています。他の設定を見てもわかる通り、このベンチマークだとシングルスコアーの方がよりInfinity Fabricのクロックの影響を受けるようです。

次に注目したいのがDDR4-4000 CL18-20-20のスコアーです。これはIntel環境向けのTeam Group「XCALIBUR Phantom Gaming RGB DDR4-4000」を使った際のスコアーですが、なんとDDR4-3200のTeam Group「XCALIBUR Phantom Gaming RGB DDR4-3200」使用時のスコアーよりも低くなっています。

「Infinity Fabric Divider」が有効になった事が原因の1つというのは容易に想像出来ますが、それを加味しても明らかに低いスコアーです。原因はズバリ「相性が悪い」事です。Intel環境向けの高クロックメモリーの中にはRyzenとの相性が悪い製品も当然ながらあります。手動設定を行えば解決できますが、初心者の方はドツボにハマり易いので、お店で店員さんにRyzen環境でOCに向いているメモリーを確認してから購入した上、自己責任で行ないましょう。

同じメモリーを使用してASRock「X570 Taichi」に内蔵されているメモリーOCプリセットを有効にした際のスコアーをチェックしてみましょう。DDR4-4200 CL20-22-22というルーズな設定ですがマルチスコアーが6761、シングルスコアーが5862と大幅にスコアーが向上しています。

この設定のままDDR4-4400にメモリークロックだけを上げるとマルチスコアーが7058、シングルスコアーが6074と大幅にスコアーが向上しています。しかし、DDR4-3733設定と比べるとマルチは僅かに低く、シングルに至っては約2.1%低いです。

これらのデータから言えるのはInfinity Fabricの速度はソフトによってはメモリーパフォーマンスにも影響を与えているという事で、1対1で動作するDDR4-3733前後がバランスが取れていて速いという事です。

DDR4-3800でInfinity Fabricを1900MHz動作すると速いです

CPUの耐性にもよりますが1900MHzまでは動作が可能な個体もあるので、DDR4-3800を1対1運用の最大値と考えておくと良いでしょう。常用を考えるとCL16で上述の設定を狙うのが最速だと思います。

DDR4-4600 CL14のメモリースコアー

参考までにメモリーを限界まで追い込んでみました。使用したメモリーはG.SKILL「Trident Z Royal DDR4-4000 CL17」です。結果、常用は不可能ですがDDR4-4600 CL14-14-14というぶっ飛んだ設定も可能でした。スコアーはマルチが7110、シングルが8443と圧倒的です。1,8Vも入れたのは内緒ですよ。設定に時間が掛かりますが、レイテンシを詰めなければ1.50V以下も狙えるので、耐性の良いメモリーで頑張れば常用も出来るかもしれません。ただし、設定を煮詰めている内に外が明るくなってきて小鳥たちのさえずりが聞こえだすこと必至ですが……。

ここまで来るとメモリーの耐性だけでなくマザーボードの作りも重要で、高クロックが狙えるデュアルチャンネル時にノイズに強い「Daisy Chain」方式のメモリー配線を採用するマザーボードが必要になってきます。今回試したASRock「X570 Taichi」は同方式を採用しているためメモリーOCに強いX570マザーと言えます。同社のX570マザーは下位モデルを除いて「Daisy Chain」方式を採用しているので、イージーに高クロックメモリーを使いたい人にはお勧めです。

【使用メモリー】
DDR4-3200:Team Group「XCALIBUR Phantom Gaming RGB DDR4-3200」
DDR4-3600/3733/3800:G.SKILL「Trident Z Neo F4-3600C16D-16GTZN」
DDR4-4000C18-20-20/DDR4-4200/DDR4-4400:Team Group「XCALIBUR Phantom Gaming RGB DDR4-4000」
DDR4-4000C18-17-17/DDR4-4600:G.SKILL「Trident Z Royal F4-4000C17D-16GTRS」

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