RTX 2070 SUPERと互角以上のパフォーマンスを発揮

それでは、RX 5700 XT Challengerのパフォーマンスを、実際にテストを行い確かめてみよう。今回は、比較対象に競合製品となる「GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition」（以下、RTX 2070 SUPER）を用意した。そのほかのテスト環境は表のとおり。

まずは、「3DMark」（Version 2.10.6799）の結果からだが、RX 5700 XT Challengerは、Fire Strikeの3つのテストにおいて、RTX 2070 SUPERを3～7％上回るパフォーマンスを発揮。その一方で、DirectX 12のテストであるTime Spyでは後塵を拝してしまっており、3DMarkにおいては、RX 5700 XT ChallengerはDirectX 12よりもDirectX 11のほうが好パフォーマンスが期待できそうだ。

続いて、「F1 2019」のテストに移ろう。ここでは、描画プリセットを「超高」に指定したうえで、ゲームに用意されたベンチマークモードを実行した。その結果だが、RX 5700 XT Challengerは2560×1440ドット以下の解像度では、RTX 2070 SUPERに若干届いていない。しかし、3840×2160ドットでは、RX 5700 XT Challengerが逆転を果たしているほか、最小フレームレートが60fpsを超えている点は評価できる。

さらに、「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」（以下、PUBG）でもRX 5700 XT Challengerのスコアは良好だ。今回は、描画負荷が最も大きくなる「ウルトラ」プリセットを選択したうえで、実際にプレイし、1分間の平均フレームレートと最小フレームレートを「Fraps」（Version 3.5.99）で取得した。その結果、RX 5700 XT Challengerは、1920×1080ドットにおいて、平均フレームレートと最小フレームレートともに、RTX 2070 SUPERを7～9％上回るパフォーマンスを見せた。そのほかの解像度でもRTX 2070 SUPERといい勝負を演じている点も見逃せないポイントだ。

「Far Cry New Dawn」でも、RX 5700 XT ChallengerはRTX 2070 SUPERに対して優位な結果を残した。ここでは、「最高」プリセットに設定したうえで、ゲームに用意されているベンチマークを実行している。その結果だが、RX 5700 XT ChallengerとRTX 2070 SUPERとの差は、平均フレームレートで2～6％といったところ。すべての解像度において、RX 5700 XT Challengerが安定して上回っている点は特筆すべきポイントだ。

最後に、GeForceシリーズへの最適化が進んでいるため、Radeonシリーズでは少々分が悪い戦いとなる「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果を見てみよう。さすがに、RX 5700 XT ChallengerはRTX 2070 SUPERに届いていないものの、3840×2160ドットでスクウェア・エニックスが指標で最高評価とするスコア7000以上を発揮。RX 5700 XT Challengerであれば、4K解像度でも快適にファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズが快適にプレイできることに疑いの余地はないだろう。

RTX 2070 SUPERより安い価格は魅力的
コストパフォーマンスは非常に優秀

気になるRX 5700 XT Challengerの価格は、5万7000円～6万円といったところ。それに対して、RTX 2070 SUPER搭載製品は6万2000円～7万5000円と、RX 5700 XT Challengerのほうが5000円～1万円ほど安価で、値ごろ感は高い。

テスト結果を見ても明らかなように、多くの場面でRX 5700 XT ChallengerがRTX 2070 SUPERを上回っており、それでいて価格は安いのだから、RX 5700 XT Challengerを選ばない理由はない。コストパフォーマンスを重視するユーザーにとって、このRX 5700 XT Challengerはかなり魅力的な製品ではないだろうか。

関連サイト

• Radeon RX 5700 XT Challenger D 8G OC