国内未発売のRadeon RX 5700 XTのAMD設立50周年記念モデル
AMDから期待のGPUであるRadeon RX5700/5700 XTが登場し、性能的にもボリュームゾーンでライバル社とも戦えるようになってきた。Radeon RX VEGAシリーズがグラフィックスメモリに高価なHBMを使用していためやや高価であったが、Radeon RX 5700/5700 XTシリーズではGDDR6を採用することによりコストパフォーマンスにも優れたグラフィックスカードとなっている。
そんなRadeon RX 5700シリーズにもスペシャルモデルが用意されているのだ。その名も「AMD Radeon RX 5700 XT 50th Anniversary」である。既に発売されているCPUのRyzen7-2700X 50th Anniversaryと同様にAMD設立50周年記念を謳うモデルとなっている。
残念ながら、このモデルは日本国内では購入することができない。今回はヨーロッパから輸入代理業者を利用して入手することができた。日本ユーザーから見るとコレクター向けのアイテムとなるだろう。
日本国内では購入できないが、何故か日本語の製品ページは用意されているのである。
https://www.amd.com/ja/products/graphics/amd-radeon-rx-5700-xt-50th-anniversary
Radeon RX 5700 XT 50th Anniversaryは普通の5700 XTと何が違う?
AMD設立50周年記念モデルということだが何がスペシャルなのだろうか? Ryzen 7 2700X 50th AnniversaryではAMD CEOであるLisa Su氏のサインが印字されたCPUやTシャツのもらえるキャンペーンなどがあった。
これに対して、50th Anniversaryは立派な化粧箱に収められており、グラフィックスカード自体は50周年記念のオリジナルデザインの冷却ファンを搭載した、GPUのオーバークロック仕様となっている(後述)。特にゲームやノベルティが付属しているわけではなく、CPUの時と比べるとややシンプルな内容だ。
Radeon RX 5700 XT 50th Anniversary(以下50th Anniversaryと記載)とRadeon RX 5700 XT(以下5700 XTと記載)の主なスペックを表にまとめてみた。
Radeon RX 5700 XT 50th Anniversary | Radeon RX 5700 XT | |
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演算ユニット数 | 40 | 40 |
GPUクロック | 1680MHz | 1605MHz |
GPUクロック(ブースト) | 1980MHz | 1905MHz |
GPUクロック(ゲーム) | 1830MHz | 1755MHz |
半精度計算性能(ピーク) | 20.28TFLOPs | 19.51TFLOPs |
単精度計算性能(ピーク) | 10.14TFLOPs | 9.75TFLOPs |
VRAMタイプ | GDDR6 | GDDR6 |
VRAM容量(最大) | 8GB | 8GB |
VRAM帯域(最大) | 448GB/s | 448GB/s |
消費電力(Typical) | 235W | 225W |
推奨電源 | 600W | 600W |
スペックを確認すると、演算ユニット数やメモリ帯域は同一でありGPUクロックが50th Anniversaryの方が約4%高くなっており、演算性能も同様に約4%高くなっている。このことから、50th Anniversaryは5700 XTのクロックアップ版であると言える。消費電力も10W上がっているがほぼ同等と考えて良いだろう。
逆に言えば5700 XT搭載でGPUクロックが4%オーバークロックされたグラフィックカードが登場すれば50th Anniversaryとほぼ同じ性能になると考えられる。