クリエイター向けのバンドルも豊富で機能性が◎
製品名:TRX40 DESIGNARE(rev. 1.0)
メーカー:GIGABYTE
実売価格:9万3000円前後
GIGABYTEの「DESIGNARE」は「クリエイター向け」を意識したモデル。32コア64スレッドの第3世代Ryzen Threadripperのパフォーマンスは、ゲーム+ギガスレッド用途に加え、映像や音楽制作などのプロクリエイターやプロシューマーに適している。どちらかと言えばクリエイター向けモデルのなかでもハイエンド寄りだろう。
電源設計はOCなどを視野に入れたゲーミングモデルに匹敵し、採用チップに妥協がない。そして、ゲーミングニーズとは異なるクリエイターのニーズに合わせて、デザインやバンドルなどを調整しているところが見られる。
「TRX40 DESIGNARE(rev. 1.0)」の主なスペック | |
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対応ソケット | Socket sTRX4 |
チップセット | AMD TRX40 |
フォームファクター | XL-ATX |
メモリースロット | DDR4×8(最大256GB) |
対応メモリークロック | DDR4-4400(OC)~3300(OC)、DDR4-3200~2133 |
拡張スロット | PCI Express 4.0 x16×4(x16/x8/x16/x8)、PCI Express 4.0 x1×1 |
ストレージインターフェース | SATA3(6Gbps)×8、M.2(PCIe4.0x4)×1、M.2(PCIe4.0x4/SATA3)×3、M.2(PCIe4.0x4)×4(AORUS Gen4 AICカード) |
ネットワーク | 1ギガビットLAN(Intel)、Wi-Fi 6(Intel) |
サウンド | 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC4050H、ALC1200-VB) |
リアインターフェース | USB3.2 Gen2 Type-A×5、USB3.2 Gen2 Type-C×1、USB2.0 Type-A×2、オーディオ端子×5、SPDIF端子×1 |
M/B上インターフェース | RGB LEDヘッダー×2、アドレサブルLEDヘッダー×2、USB2.0ヘッダー×2、USB3.2 Gen1ヘッダー×2、USB3.2 Gen2 Type-Cヘッダー×1、温度センサー用ヘッダー×2、GIGABYTE GC-TITAN RIDGE(Thunderbolt 3アドインカード)用コネクタ×1など |
TRX40 DESIGNAREのクリエイター向けの要素は、機能的なマザーボードデザインと、豊富なバンドルだ。機能的な設計とは、たとえば4つのM.2スロットとそのヒートシンクが挙げられる。
ゲーミングのAORUSモデルにも4つのM.2スロットを搭載するモデルはあるが、デザインを重視し、チップセットヒートシンク部分と一体化するといった、装着にひと手間かかる設計が見られる。一方、TRX40 DESIGNAREのヒートシンクは基本的に独立しているので、装着時の工程数が少なくて済む。3つのヒートシンクはそれぞれ1つのネジだけで固定されている。
TRX40 DESIGNAREにバンドルされるのは、一つが「GC-TITAN RIDGE」。Thunderbolt 3を増設できる拡張カードだ。PCI Express 3.0 x4インターフェースのカードで、2つのThunderbolt 3端子、2つのMini DisplayPort入力、1つのDisplayPortパススルーを備えている。
Thunderbolt 3の高速な転送を利用できることに加え、Thunderbolt 3のType-Cコネクタからディスプレイ出力を、Power DelivertyではPD 3.0に対応しており最大100Wの供給が可能だ。
もう一つは「AORUS Gen4 AIC」。PCI Express 4.0 x4対応のM.2 NVMe SSDを4基搭載できるPCI Express 4.0 x16カードだ。同社からはSSD装着済みのものが発売されているが、バンドルされるのはSSD非搭載のもので、ユーザー各自が好みのSSDを搭載することができる。
オンボードのM.2とAICカードのM.2スロットを合わせると最大8基。それもすべてPCI Express 4.0 x4対応なので、よほどのことでない限りSSDの容量不足、M.2スロット不足にはならないだろう。
拡張スロットはPCI Express 4.0 x16が4本、PCI Express 4.0 x1が1本。PCI Express 4.0 x16スロットは、うち2本が16レーン、残る2本が8レーン固定だ。
ワークステーション向けGPUのマルチ構成などでは最大4-wayまでに対応し、一方、バンドルされたカードを使う場合も片方はx4、片方はx16なので、両方利用した場合でもビデオカード用の16レーンのほか、8レーンのPCI Express 4.0 x16スロットが1本、PCI Express 4.0 x1スロットに空きが生まれる計算だ。
拡張カードスロットの話が出たので、いくつか補足をしておこう。拡張スロットに金属カバーを装着するのが最近のハイエンドの流れ。TRX40 DESIGNAREも同様にカバーを装着しており、アンカーを設けてハンダ付けすることで補強している。
加えて、x16スロットの切り欠き部分と後端部分にはより幅のある「Double Locking Bracket」をPCBに貫通、裏面からハンダ付けすることでより強固に固定している。これでクリエイティブユーザーが求めるハイエンドビデオカードを装着した時も、その冷却機構の重量でスロットに負荷がかかってもスロットの破損、PCBとスロットの接点不良といったことを防ぐことができる。
GIGABYTE製品はこうしたスロットや端子部分の補強に積極的で、メモリスロットにも、そしてATX24ピンやEPS12V端子にも金属カバーによる補強を施している。こちらは各部装着時に過度の力がかかることによってPCBにたわみが生じて損傷することを防ぐための設計だ。確かに日頃、PCの組み立て/分解を行なう際、メモリスロットはある程度硬いし、ATX24ピンやEPS12V端子も抜き差し時に硬さを感じる部分ではある。
このように、クリエイターが求める機能、機能性を備えていることがTRX40 DESIGNAREが「デザイナー」という製品名であることの理由である。