実環境で冷却パフォーマンスをテスト

PCケーストップに各簡易水冷クーラーを取り付けてテストを行なっている
Ryzen 9 3950Xや、AMD X570チップセット採用マザーボードのASUS「ROG CROSSHAIR VIII FORMULA」、GeForce RTX 2070などの各種パーツを、ミドルタワーPCケースのFractal Design「Define R6」に取り付けて、各簡易水冷クーラーのパフォーマンスを見ていこう。
ラジエーターは「Define R6」のトップに固定しており、ファンはラジエーターに対して吹き付けになるように取り付けている。
32スレッドへの負荷はCGレンダリングソフト「blender」を使用。Ryzen 3950Xでも処理完了に約17分要する「Gooseberry Production Benchmark」を実行した際のCPUの温度と動作クロックの変化を、「HWiNFO64」で記録している。ログの「CPU(Tctl/Tdie)[°C]」をCPU温度、「Average Effective Clock [MHz]」をCPUクロックとしている。CPU温度は処理完了1分前から5分間分を抽出して平均を出している。CPUクロックも、同じように5分間分を抽出してまとめている。
また、CGレンダリング中のPC動作音も計測している。計測はデスク下の足元に「Define R6」を設置し、椅子に座ったときに頭がくるケーストップから約60cmの位置で行なっている。
各テストは、Ryzen 9 3950Xと同じ105WのTDPになるRyzen 9 3900Xに付属しているAMD純正の空冷CPUクーラー「Wraith Prism Cooler」でも行なっている。
テスト環境 | |
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CPU | AMD Ryzen 9 3950X(16コア/32スレッド、3.5GHz〜4.7GHz) |
CPUクーラー | AMD「Wraith Prism Cooler」 CORSAIR「H115i RGB PLATINUM」(280mmラジエーター) CORSAIR「H150i PRO RGB」(360mmラジエーター) NZXT「KRAKEN X62」(280mmラジエーター) NZXT「KRAKEN X72」(360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG CROSSHAIR VIII FORMULA」(AMD X570) |
メモリ | CORSAIR「CMW32GX4M2C3200C16W」(DDR4-3200 16GB×2枚) |
ビデオカード | ASUS「ROG-STRIX-RTX2070-O8G-GAMING」(GeForce RTX 2070、GDDR6 8GB) |
SSD | Western Digital「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB WDS100T3X0C」(NVMe M.2、1TB) |
PCケース | Fractal Design「Define R6」(ミドルタワー) |
電源ユニット | Seasonic「SS-750KM」(750W、80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 PRO 64bit版(May 2019 Update) |

TDP105Wの冷却に対応している「Wraith Prism Cooler」。ファンとフレームにリング状のLEDを内蔵している
デフォルト設定のパフォーマンスをチェック
CORSAIR「H1××i」シリーズと、NZXT「KRAKEN X」シリーズは、PWM制御ではなく、独自のユーティリティー上からファンとポンプの回転数を制御できるようになっているのも魅力のひとつ。
環境に合わせてファンとポンプの回転数(プリセット)をカスタマイズすることで、高い冷却性能と静音性を発揮させられるので、手動設定での運用が断然おすすめだが、まずはデフォルトのプリセットでのパフォーマンスを見ていこう。

CORSAIRの総合ソフトウェア「iCUE」。ファンとポンプの回転数は細かな指定のほか、4つのプリセット「静か」、「安定」、「強い」、セミファンレス動作の「ゼロRPM」を備えている

回転数の制御ソースは、マザーボードの各種センサー値を選べるようになっている

システムのモニタリングのほか、LED制御やファン回転数などを行なえるNZXTの総合ソフトウェア「CAM」

ファンとポンプの制御は4つから選べ、「静音」、「パフォーマンス」のほか、動作を細かく指定できる「カスタム」、回転をパーセントで指定する「固定」を備えている