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低予算システムでのパフォーマンスをみる
今回の検証では、比較対象として上位モデルのRyzen 5 3600、そして戦略的な仮想敵であるCore i5-9400Fを準備した。また、Ryzen 5 3600のSMTをオフにした状態とも比較してみる。
また、CPU以外のパーツについては時間的&物理的な制約上、比較的低予算で準備できるものを中心とした。具体的にはマザーはB450、SATAのSSD、そしてビデオカードはRadeon RX 5500 XTといった具合である。メモリーはXMPを有効にし、各プラットフォームの定格で運用、さらにCPUは冷却条件を揃えるためENERMAX製のTDP130W対応の小型空冷クーラーをチョイスした。
【検証環境:AMD】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 5 3600」 (6コア/12スレッド、3.6~4.2GHz) AMD「Ryzen 5 3500」 (6コア/6スレッド、3.6~4.1GHz) |
マザーボード | ASRock「B450 Steel Legend」 (BIOS P3.20) |
メモリー | G.Skill「F4-3200C16D-16GTZRX」 (DDR4-3200、8GB×2) |
ビデオカード | GIGABYTE「GV-R55XTOC-8GD」 (Radeon RX 5500 XT) |
ストレージ | Crucial「CT1050MX300SSD4/JP」 (M.2 SATA SSD、1.05TB) |
電源ユニット | Silverstone「ST85F-PT」 (850W、80Plus Platinum) |
CPUクーラー | ENERMAX「ETS-N31」 |
OS | Windows10 Pro 64bit版 (November 2019 Update) |
【検証環境:Intel】 | |
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CPU | Intel「Core i5-9400F」(6コア/6スレッド、2.9~4.1GHz) |
マザーボード | MSI「Z390-A PRO」 (BIOS 7B98v18) |
メモリー | G.Skill「F4-3200C16D-16GTZRX」 (DDR4-3200、8GB×2、DDR4-2666で運用) |
ビデオカード | GIGABYTE「GV-R55XTOC-8GD」 (Radeon RX 5500 XT) |
ストレージ | Crucial「CT1050MX300SSD4/JP」 (M.2 SATA SSD、1.05TB) |
電源ユニット | Silverstone「ST85F-PT」 (850W、80Plus Platinum) |
CPUクーラー | ENERMAX「ETS-N31」 |
OS | Windows10 Pro 64bit版 (November 2019 Update) |
SMTが利用できるRyzen 5 3600に対し、SMTが無効化されたRyzen 5 3500のスコアーはマルチスレッド性能において30%弱下がっている。SMTを無効化したRyzen 5 3600との差は極めて小さく、「CINEBENCH R20においては」L3キャッシュ半減のデメリットは明確に感じられるレベルではない、といったところだ。ライバルとなるCore i5-9400Fに対してはマルチスレッド性能で約7%シングルスレッド性能で約11%のアドバンテージを得ている。実売価格が2000円程度安いのに約10%性能が高い、というのは極めて大きな魅力といえる。
続いては総合ベンチマーク「PCMark10」から、Standardテストの結果を比較してみよう。総合スコアーのほかに、各テストグループ別のスコアーも比較してみる。
CINEBENCH R20よりもマルチスレッド性能が重要でないベンチであるため、Ryzen 5 3500と3600の差は5〜8%程度にとどまっている。差が大きいのはDCC(Digital Contents Creation)テストグループだが、これは動画エンコードやCGレンダリングといった作業が入っているためだ。
Core i5-9400Fに対しても総合スコアーで3〜4%しか伸びていないが、Essentialsテストグループでは特にWeb Browsingのスコアーの差が大きい。Webブラウジング主体の使い方なら、圧倒的にRyzen 5 3500の方が快適であることを示している。