高解像度に強みを見せる結果
2560×1440ドットまでなら快適なプレイを実現
それでは、STRIX-RX5600XT-GAMINGのパフォーマンスをチェックしていこう。比較対象には、AMDがRX 5600 XTの競合製品と位置付ける「GeForce GTX 1660 Ti」(以下、GTX 1660 Ti)を用意。なおSTRIX-RX5600XT-GAMINGは、工場出荷時設定のP MODEかつGamingモードでテストを行ない、そのほかのテスト環境は表のとおりとなる。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i7-8086K」(4.0GHz、最大5.0GHz) |
マザーボード | MSI「MPG Z390 GAMING PLUS」(Intel Z390) |
メインメモリ | DDR4-2666 8GB×2 |
ビデオカード | ASUS「ROG-STRIX-RX5600XT-O6G-GAMING」(Radeon RX 5600 XT) ASUS「ROG-STRIX-GTX1660TI-O6G-GAMING」(GeForce GTX 1660 Ti) |
SSD | Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS Gold) |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
まずは、「3DMark」(Version 2.11.6866)の結果からだが、STRIX-RX5600XT-GAMINGは、Fire StrikeでGTX 1660 Tiに27~53%の差を付けた。解像度が高まるにつれて、両者の差が広がる傾向が確認できる。DirectX 12のテストであるTime SpyでもSTRIX-RX5600XT-GAMINGのスコアは良好で、GTX 1660 Tiに対して11~12%の溝を空けている。
では、実際のゲームではどうなのか、「F1 2019」の結果を見てみよう。ここでは超高プリセットに指定したうえで、ゲームに用意されたベンチマークモードを実行。その結果だが、まさにSTRIX-RX5600XT-GAMINGの独壇場といった感じで、GTX 1660 Tiに平均フレームレートと最小フレームレートで大差を付けている。これはF1 2019がRadeonシリーズへの最適化が進んでいることが奏功したのではないだろうか。
続く「Borderlands 3」では、プレイアブルなフレームレートを想定し、中プリセットを採用。そのうえでベンチマークモードを実行したが、ここでもSTRIX-RX5600XT-GAMINGのパフォーマンスは良好だ。F1 2019ほどの開きはないものの、STRIX-RX5600XT-GAMINGはすべての解像度においてGTX 1660 Tiに対して優位に立つ結果を残している。
とくに平均フレームレートにおける両者の差は、1920×1080ドットが8%ほどだが、3840×2160ドットでは25%に広がっており、高解像度における性能ではSTRIX-RX5600XT-GAMINGに軍配が挙がる。
「Far Cry New Dawn」でもその傾向は変わらない。最高プリセットを選択したうえでベンチマークモードを実行したが、ここでも平均フレームレートでSTRIX-RX5600XT-GAMINGがGTX 1660 Tiを上回るパフォーマンスを見せた。
ただ、最小フレームレートについては、STRIX-RX5600XT-GAMINGは1920×1080ドットでGTX 1660 Tiの後塵を拝している。だが2560×1440ドットでは逆転を果たしており、STRIX-RX5600XT-GAMINGが高解像度で強みを見せる点は、Far Cry New Dawnでも同様だ。
GeForceシリーズへの最適化が進んでいるため、Radeonシリーズには分が悪い勝負となる「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」だが、STRIX-RX5600XT-GAMINGはかなりの健闘を見せる結果となった。
今回は描画負荷が最大となる最高品質でベンチマークを実行しているが、STRIX-RX5600XT-GAMINGはGTX 1660 Tiといい勝負を演じており、2560×1440ドットでは1万を超えるスコアを発揮した。STRIX-RX5600XT-GAMINGでファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズが快適にプレイできることは疑いの余地はないだろう。
価格は若干高めの5万円弱
ただし仕様を考慮すれば納得
以上のテスト結果から明らかなように、多くの場面で、STRIX-RX5600XT-GAMINGはGTX 1660 Tiに大きな差を付けている。フルHDはもちろんのこと、2560×1440ドットまでならSTRIX-RX5600XT-GAMINGで多くのゲームが快適にプレイできると言っていいだろう。
STRIX-RX5600XT-GAMINGの価格は、4万6000円から5万円程度と、RX 5600 XT搭載モデルとしても少々高めだ。しかし前述したとおりの高品質かつ高機能な製品に仕上がっており、仕様を考慮すれば十分納得のいく価格ではないだろうか。ミドルレンジ向けとしては高いことは間違いないが、長期的に高性能なパフォーマンスを享受したいのであれば、このSTRIX-RX5600XT-GAMINGは十分魅力的な選択肢と言えるだろう。