■ゲームタイトル:グウェント ウィッチャーカードゲーム
■メーカー名:CD PROJEKT RED
■価格情報:基本無料
■公式サイト:https://www.playgwent.com/ja/updates/homecoming
人気シリーズ「ウィッチャー」の世界を背景としたデジタルカードゲーム
ここ数年で人気が高まり、eスポーツ競技としても頭角を現しつつあるデジタルカードゲーム。「ハースストーン」のようなオリジナルのタイトルはもちろん、「マジック:ザ・ギャザリング」のようなトレーディングカードゲームをデジタル化したものまで、バラエティに富んだタイトルが注目を集めている。
5月にSteam版がサービスインした「グウェント ウィッチャーカードゲーム」は、人気のアクションロールプレイングゲーム「ウィッチャー」シリーズに登場するミニゲーム「グウェント」を、単独で遊べるゲームタイトルとして独立させたものだ。
基本的なゲーム性は「ウィッチャー3 ワイルドハント」などに登場するグウェントに準じるものの、いくつかの変更により競技性を高め、シンプルに楽しめるカードゲームとして成立している。
デッキごとのカード枚数が最低25枚前後、1ターンごとにプレイできるカードが1枚といった特徴があるため、ゲーム自体はコンパクトで、1試合ごとにかかる時間は5分程度。一度ルールさえ覚えてしまえば、短時間でテンポよくプレイできるのが魅力のひとつと言える。
ゲームは3ラウンド制で、2ラウンドを選手したプレイヤーの勝利となる。メジャーなカードゲームにおいては、“あらかじめ設定された相手のライフを0にする”といった勝利条件が採用されていることも多いが、本作の勝利条件は“ボード上にあるカードの戦力値の合計を相手より高くする”というもので、やや独特だ。ゲームの流れもユニークなため、順を追って説明していこう。
ゲーム開始時、プレイヤーはお互いにデッキから10枚の手札を引く。この際、手札事故を防ぐため、最大2枚までの手札交換が可能だ(1ラウンド目の先行のみ3枚交換できる)。
ゲーム内で使用できるカードは、戦力値を持つ「ユニットカード」、使い切りで敵・味方のユニットに様々な効果をもたらす「スペシャルカード」、盤面に残り効果を発揮し続ける「アーティファクトカード」の3種類で、これを1ターンに1枚だけプレイ(場に出す)し、相手と交互にターンを繰り返していくことになる。
ターンごとにカードを引いたりはできないため、基本的にはラウンド開始時に手札にあるカードのみで戦力をやりくりしなくてはならない。
ラウンドを制するためには、“ユニットカードの戦力値をいかに高めるか”が重要となる。ユニットは戦力値と別に「アビリティ(効果)」が使用できるものも多く、特定条件で戦力値をアップさせるもの、敵ユニットカードの戦力値を削るものなど、そのメリットはさまざま。
任意のタイミングで発動できる「命令」などのアビリティは、相手の様子を見つつ使用することも可能だ。ボード上にプレイするカードは「近接」「間接」のどちらかの列に配置することになるが、いずれかの列でしかアビリティを発動できないカードもあるため、自分のボードの最終形を想定しつつ配置を考えていく必要もある。
もうひとつ重要なポイントとして、“ラウンドはお互いのプレイヤーがターンをパスするか、手札を使い切らない限り終了しない”ことも覚えておかなければならない。
1ラウンド目で10枚すべての手札を使い切ってもいいのだが、2ラウンド目、3ラウンド目では手札が持ち越しとなり、補充される手札はそれぞれ3枚だけ。つまり、時には次のラウンドを見越してカードを温存することも戦略のひとつというわけだ。
たとえば、相手より戦力値が十分に高い状態でパスをすれば、相手がそのラウンドを取ろうとした場合、戦力差を取り返すために多くカードを使わなくてはならず、次以降のラウンドで不利になる。手札の数が戦力差に直結しやすいので、不利な場合は無駄に手札を使わずパスしてしまうほうが得策だ。
極めて限られた手札のリソースでボードをコントロールしていく過程は、シンプルだが緊迫感がある。また、デッキとは別にボード上に常駐し、限られた回数の効果を発動できる「リーダー」をうまく活用することで、より戦況を有利に運べるだろう。
デッキ枚数が少ないこともあって、カードを手元に引き寄せる運よりも、状況を元に適切な判断を下すプレイヤースキルや思考力が強く求められる。戦略が上手くハマり、勝利できたときの爽快感は格別だ。