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Dellがゲーミング向けノートPCとして展開するDell Gシリーズ。そのシリーズにCPUとGPUともにAMD製のものを採用する「Dell G5 15 Special Edition」(以下、G5 15 SE)が登場した。
このG5 15 SEは15インチのゲーミング向けノートPCで、CPUにモバイル向けで8コア/16スレッドタイプの「Ryzen 7 4800H」を採用し、GPUには同じくモバイル向けの「Radeon RX 5600M」を搭載している。では、このG5 15 SEでゲームは快適にプレイできるのだろうか。そのポテンシャルについて、特徴を紹介しながら、テストにより確かめてみたい。
Ryzen 7 4800HとRadeon RX 5600Mを搭載
SmartShiftに対応し性能向上を実現
試用機の主なスペック | |
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CPU | AMD「Ryzen 7 4800H」 (8コア/16スレッド、2.9GHz~4.2GHz) |
メモリー | DDR4-3200 8GB×2(計16GB) |
グラフィックス | AMD「Radeon RX 5600M」(GDDR6 6GB) |
ディスプレー | 15.6インチ (1920×1080ドット、リフレッシュレート144Hz) |
ストレージ | 1TB M.2 SSD(NVMe) |
有線LAN | 1000BASE-T LAN |
無線LAN | Wi-Fi 6(Killer Wi-Fi6 AX1650) |
OS | Windows 10 Home(64ビット) |
サイズ | 365.5(W)×254(D)×21.6(H)mm |
重量 | 約2.5kg |
今回試用したモデルは、G5 15 SEの最上位に当たる「プラチナ(大容量メモリー&SSD・RX5600M搭載)」の構成。冒頭でも述べたとおり、CPUには第3世代RyzenにあたるRyzen 7 4800Hを採用し、ベースクロックは2.9GHzと低めながらも、ブーストクロックは4.2GHzを誇る。それでいて、TDPは45Wに抑えられているあたりはモバイル向けらしい仕様だ。さらに、このG5 15 SEはAMDのSmartShiftテクノロジーをサポートしている点も特長になる。
このSmartShiftは、Ryzen 4000シリーズから採用された技術で、CPUとGPUのワークロードを判断し、両者のパフォーマンスを動的制御するというもの。CPUとGPUのどちらか一方に負荷が掛かる場合に、SmartShiftの恩恵が大きいとされる。このG5 15 SEでは、SmartShiftのONとOFFを明示的に切り替えることはできず、常時有効な状態だが、Radeon Softwareからその効果を確認することが可能だ。なお、システムメモリーには、DDR4-3200を8GB×2の計16GB搭載する。
GPUにはRadeon RX 5600Mを採用し、こちらはNavi世代でシェーダープロセッサーは2304基搭載。デスクトップ向けGPUの「Radeon RX 5600 XT」が同じく2304基なので、同規模のGPUが搭載されていると捉えて問題はない。ただ、Radeon RX 5600 XTのブーストクロックが1560MHzだったのに対して、Radeon RX 5600Mは1265MHzとかなり抑えめだ。また、グラフィックスメモリーには12GbpsのGDDR6を6GB備える。
さらに、G5 15 SEでは、「Alienware Command Center」という付属アプリケーションが用意され、CPUやGPUの負荷状況をリアルタイムでモニタリングできるほか、CPUやGPUファンの制御方法の変更、電源プランの設定などが可能になっている。
さらに、このAlienware Command Centerでは、Nahimicのサウンド技術が盛り込まれ、サウンド出力にバスブーストやリバーブといった効果を加えたり、7.1chのバーチャルサラウンドが利用できる。
そのほか、ストレージにはNVMe接続の1TB SSDを搭載する。ゲームを多くインストールするユーザーでも、1TBもあれば足りなくなる状況になることはまずないはずだ。
液晶ディスプレーはリフレッシュレート144Hzをサポート
無線LANは高速規格のWi-Fi 6に対応
それでは、G5 15 SEの外観を見て行こう。天板はイリデセントシルバーカラーと言われるグレーに近いシルバー一色で、中央にDELLのロゴがあしらわれたデザイン。底面もグレー一色になっており、全体的にグレー基調のおとなしめな印象だ。液晶ディスプレーを開くと、キーボードなどはブラック一色で、グレーと黒のツートンカラーというと分かりやすい。重量は2.5kgと可搬性に優れるとまでは言えないが、鞄に入れて持ち歩くことは可能だ。
その液晶ディスプレーは、15.6インチで光沢のないノングレアタイプ。駆動方式は公開されていないものの、視野角は広く、ほぼ真横から画面を覗き込んでも色ムラなどは感じ取れなかった。また、上位モデルではリフレッシュレート144Hzに対応している点も大きな特長で、FPSやTPSなどで1フレームでも多く描画し、他者より有利に立ち回ることが可能だ。
キーボードは、日本語配列の105キータイプを採用。キーピッチとキーストロークは、実測でそれぞれ19.0mmと1.5mm。若干浅めながらも、パームレストが広めに設けられていることもあり、キーの入力はかなりしやすいように感じた。
また、ゲームで使用頻度の高い[W][A][S][D]キーに内部の熱が伝わってくることもなかった点は評価したい。ただ、[BackSpace]キーがほかより小さいため、少々慣れが必要な印象だ。なお、白色のバックライトも搭載されているので、暗がりでの視認性も上々だ。
インターフェースについても確認しておこう。USBは、左側面にUSB 3.2 Gen.1(Type-A)と、右側面にUSB 2.0を2つの計3系統を装備。左側面にはUSB Type-Cの姿も見られるが、これはDisplayPort出力として使用するAlt-Modeのみのサポートとなっている。
また、左側面にギガビットイーサー用の有線LANポートを備えるほか、Killer AX1650によるWi-Fi 6をサポート。2×2と160MHz幅のチャネルに対応し、5GHz帯接続時には最大2.4Gbpsでの通信が可能だ。もちろん、従来のIEEE 802.11ac/n/a/g/bにも対応している。