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【AMDチップセットマザーボードレビュー第19回】

B550だが高品質設計でハイエンドPCを実現する新しい“Taichi”、ASRock「B550 Taichi」 (1/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

製品名:B550 Taichi
メーカー:ASRock
実売価格:4万円前後

 これまでのTaichiは、ハイエンド級の品質をアッパーミドル価格で提供してきたイメージ。一方、今回紹介するASRock「B550 Taichi」はAMD B550チップセットのなかでも最高級クラスの製品だ。執筆時点では上位チップセットを搭載するX570 Taichiよりも高価だ。

 もちろん、X570 Taichiが発売から月日が経ち、価格がこなれてきたという理由もあると思われるが、この価格の逆転現象については考察しなければならないだろう。

「B550 Taichi」の主なスペック
対応ソケット Socket AM4
チップセット AMD B550
フォームファクター ATX
メモリースロット DDR4×4(最大128GB)
対応メモリークロック DDR4-5000+(OC)~3466(OC)、DDR4-3200~2133
拡張スロット PCI Express 4.0 x16×2(x16/-、x8/x8)、PCI Express 3.0 x16×1(x4)、PCI Express 3.0 x1×2
ストレージインターフェース SATA3(6Gbps)×8(うち4ポートはASMedia ASM1061)、M.2(PCIe 4.0 x4)×1、M.2(PCIe 3.0 x4/SATA3)×1
ネットワーク 2.5Gb LAN(Intel I225-V)
サウンド 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC1220)
リアインターフェース USB 3.2 Gen2 Type-A×1、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、UBS 3.2 Gen1×4、USB 2.0×2、オーディオ端子×5、S/PDIF×1、DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.1×1、Wi-Fi 6アンテナ端子(Intelチップ)×2、CMOSクリアスイッチ、BIOS Flashbackスイッチ
M/B上インターフェース RGB LEDヘッダー×2、アドレッサブルLEDヘッダー×2、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen1×2、USB 2.0ヘッダー×2など

 細かく見ていけば異なるものの、B550 TaichiのレイアウトはX570 Taichiに似ている。陰陽というTaichiのデザインコンセプトは当然として、スロットレイアウトや電源/リセットボタンやPOSTコード表示パネル、ヒートパイプで繋がれた2つのVRMヒートシンクなど、拡張性や機能面はかなり近いように見える。

 また、これは同時期に発売されたIntel 400シリーズチップセット搭載Taichiと同じだが、陰陽の陽の部分、従来シルバーだった部分がゴールド系のカラーに改められている。

 電源設計を見ると、B550 TaichiはX570 Taichiを上回っているように見える。B550 Taichiは16フェーズ電源回路を採用しており、X570 Taichiの14フェーズを上回る数だ。しかもCPU用電源端子は8+8ピンで、ここも8+4ピンだったX570 Taichiよりも供給可能電力が大きいことを示している。

16フェーズ電源回路はX570 Taichiを数で上回る
CPU電源端子も8+8ピン仕様で大電力を供給できる

 回路追ってみると、まずPWMコントローラはRenesas Electronics「RAA229004」。8フェーズ対応のチップだ。PCB裏面にはフェーズダブラーのRenesas(Intersil)「ISL6617A」(刻印は17AF)が実装されている。

PWMコントローラはRenesas「RAA229004」
フェーズダブラーはRenesas「ISL6617A」

 MOSFETはVishay Intertechnologyの「SiC654」。ドライバICとともにハイサイド、ローサイドのMOSFETを統合した最大50A対応のDrMOS Power Stageだ。その下流の合金製チョークコイルは最大60A対応品。さらにCPUやメモリなどの電源回路周辺には耐久時間12K(1万2000時間)グレードのニチコン製コンデンサを搭載している。

MOSFETはVishay「SiC654」
チョークやコンデンサの品質、対応出力も追求している

 まず、B550 Taichiは、その電源設計を見るとX570 Taichiよりも上位と見ることができる。CPU用電源端子からフェーズ、そしてMOSFETもX570 TaichiはSiC634を採用していたので、B550 Taichiが採用するSiC654のほうが上のグレードのようだ。

 もちろん豪華な電源回路は発熱の抑制・安定性の担保という側面もあるだろう。ただしB550はOCも可能なチップセットだ。B550 TaichiのほうがよりOC向けに設計されているようにも見える。

 B550 Taichiがターゲットとしているユーザーは、B550チップセットマザーボードが本来ターゲットとしているメインストリーム層よりも上の層と思われる。

 X570もB550も、CPU直結のビデオカード用PCI Express x16スロットや1基目のM.2スロットでPCI Express 4.0接続が利用できる。おそらくここまででハイエンドユーザーの大半のニーズをまかなえてしまうのではないだろうか。現状、2基目以降のSSDや拡張カードでもPCI Express 4.0対応を求めるニーズは、ハイエンドの中でも上層に該当するだろう。

 要は主要部分のPCI Express 4.0対応を果たし、OCまでサポートしているB550のカバー範囲は、Intelチップセットの「B」や「H」のグレードよりも上寄りに広範囲。そしてそうしたB550のニーズにおいて、B550 Taichiは上端を満たすモデルなのだと言える。

B550 Taichiから考察するB550チップセットのカバー範囲とB550 Taichiのポジション

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