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【AMDチップセットマザーボードレビュー第21回】

コストと性能のバランス良好なB550中堅モデル、シンプルかつ安定のMSI「MPG B550 GAMING EDGE WIFI」(1/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

製品名:MPG B550 GAMING EDGE WIFI
メーカー:MSI
実売価格:2万2000円前後

MSIのゲーミングマザーボードは現在、「MEG」、「MPG」、「MAG」といったシリーズ分けをしている。今回紹介するのは「MPG B550 GAMING EDGE WIFI」。MPGシリーズは、ハイエンドのMEG、コストパフォーマンス重視のMAGに挟まれているが、その中間であり”ちょうどいいバランス”が持ち味だ。MPG B550 GAMING EDGE WIFIを見ればバランスのよさがよく分かる。

「MPG B550 GAMING EDGE WIFI」の主なスペック
対応ソケット Socket AM4
チップセット AMD B550
フォームファクター ATX
メモリースロット DDR4×4(最大128GB)
対応メモリークロック DDR4-4866+(OC)~3466(OC)、DDR4-3200~2133
拡張スロット PCI Express 4.0 x16×1、PCI Express 3.0 x16(x4)×1、PCI Express 3.0 x1×2
ストレージインターフェース SATA3(6Gbps)×6、M.2(PCIe4.0x4/SATA)×1、M.2(PCIe3.0x4)×1
ネットワーク 2.5Gb LAN(Realtek RTL8125B)、Wi-Fi 6(Intel Wi-Fi 6 AX200、Bluetooth 5.1)
サウンド 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC1200)
リアインターフェース PS/2×1、USB3.2 Gen2 Type-A×1、USB3.2 Gen2 Type-C×1、USB3.2 Gen1 Type-A×2、USB2.0 Type-A×2、DisplayPort×1、HDMI×1、Wi-Fi 6アンテナ端子×2、オーディオ端子×5、S/PDIF×1、Flash BIOSボタン
M/B上インターフェース RGB LEDヘッダー×2、アドレッサブルLEDヘッダー×2、USB 3.2 Gen1 Type-C×1、USB 3.2 Gen1ヘッダー×1、USB2.0ヘッダー×2など

MPG B550 GAMING EDGE WIFIは、追加チップによる機能拡張などはほとんどない。その点ではシンプルな製品だ。ただし、ゲーミングマザーボードに求められる安定した電源回路、ハイエンドCPUを組み合わせた際の冷却、ハイエンドビデオカードを搭載した際の安定性といったところがエントリーモデルと比べて強化されている部分だ。

EPS12Vは8ピンなので過度なOC向けではない。ただし電源回路は10+2+1フェーズを採用している。MPGクラス、ミドルレンジクラスとしては十分な数と言えるだろう。

EPS12Vは8ピン1基

CPUソケット周辺、電源回路部分

回路を追うと、まずPWMコントローラはRenesas「RAA229004」。チップとしては6+2モードと5+2モードに対応するようだが、本製品では後者を利用し、2フェーズを1チーム(フェーズダブラー不使用)として10フェーズを構成しているようだ。次にMOSFET。これもRenesas製の「ISL99360」(Intersil)で、Smart Power Stageとされている。最大60A対応で、電力供給面での余裕もある。

PWMコントローラはRenesas「RAA229004」

MOSFETはRenesas「ISL99360」Smart Power Stage。最大60A対応とされている

チョークとコンデンサ

VRMヒートシンクはソケット左と上に分かれた2ピース。ヒートパイプなどは用いず独立したソリッドタイプのものだが、注目はソケット左側のヒートシンクだ。一見するとよくあるバックパネルシールド一体型にも見えるが、本製品はその全てが1つのヒートシンクなのだ。ほかの製品のようにプラ製カバーを用いているわけではなく、放熱面積が非常に大きい。

一方で、プラカバーのような複雑な造形ではない。わずかに凹みを設けただけであとはペイントでインパクトはやや薄めだ。とはいえ最近のゲーミングマザーボードのハデな外観に飽きてしまった方は、このシンプルなデザインが好ましく思えるだろう。

ミドルレンジマザーボードらしく2ピース分割式のVRMヒートシンク

取り外してみるとその大きさがよく分かる。造形も複雑で放熱面積が大きい

PCMark 10実行中のチップセットヒートシンクは表面温度37℃前後だった

ソケット上側のヒートシンクは面積的な制限もあり、上から見れば一般的なサイズだが、両面に彫り込みがありこちらも放熱面積は大きめだ。

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