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CPU性能は前世代から劇的アップ
グラフィック性能も軽いゲームなら遊べる
それでは各ベンチマークでパフォーマンスを測っていこう。まずはCPU性能を測る「CINEBENCH R20」を試してみる。スコアーはマルチスレッドで4771pts、シングルスレッドで507ptsになった。
前世代の最上位APUであるRyzen 5 3400G(4コア/8スレッド、3.7~4.2GHz)のパフォーマンスは、マルチで1900程度、シングルで400程度。今回採用しているRyzen 7 PRO 4750Gとはそもそもグレードが違うので比較するのは酷かもしれないが、GPU内蔵のRyzenで狙えるパフォーマンスの上限値が大きく引き上げられているのは間違いない。DeskMiniのような小型PCの性能も、数段パワーアップできるようになったということだ。
次は、「CrystalDiskMark」を使ってストレージのパフォーマンスを検証する。
テストの結果、シーケンシャルリードが3538、シーケンシャルライトが3192と、PCIe Gen3のNVMe SSDとしてはかなり高速な値をマークした。Ryzen 4000シリーズでは、Ryzen 3000X/3000XTシリーズが対応しているPCIe Gen4は使用できないものの、これだけ高速なストレージ速度を発揮できるのであれば、OSやアプリの起動、ゲームのロードなども快適だろう。
次は「3DMark」を使い、3Dゲームの描画性能を見てみよう。
「Fire Strike」のスコアーが3933、「Time Spy」のスコアーは1535になった。「Radeon Graphics 8」を搭載するRyzen 7 PRO 4750Gだけに、ローエンドのビデオカードと同程度とCPU内蔵のGPUとしては上々な数値。同じ8コア/16スレッドのCore i7-10700Kの内蔵GPU「UHD Graphics 630」などよりも高い値だ。
では実際にどの程度ゲームを遊べるのか。「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(以下、FFXIVベンチ)を使って、ゲーム性能を検証してみる。画質は「最高品質」、解像度はフルHD(1920×1080ドット)でテストしている。
FFXIVベンチでは、3480というスコアーで、スクウェア・エニックスの指標では「やや快適」という評価になった。テストレポートを見てみると、フレームレートは平均で23fps、最低11fpsほどになっていた。
ビデオカードなしでこれだけのスコアを出せるのはかなり健闘している。快適に遊ぶためには画質を落としたり、解像度をHD(1280×720ドット)に落とすなどしなければ難しいだろうが、十分に遊べる範囲のパフォーマンスを発揮できるとみていいだろう。
シューター系タイトルではどれほどのパフォーマンスになるのか、実際にゲームをプレイしてのフレームレートを検証してみた。
まずは「フォートナイト」で検証してみよう。今回は画質のクオリティプリセットを「最高」、解像度をフルHDにし、クリエイティブモードのデフォルトの島で、一定のコースを1分間周回した際のフレームレートを、「Fraps」で取得した。
フォートナイトは、解像度がフルHDでプリセット「最高」では、30fpsを切るため遊ぶには厳しかったが、解像度をHDまで落とし、プリセットを「中」にすると最低フレームレートすら74fpsと60fpsを軽く超え、快適にプレイできた。設定次第では、ビデオカードなしでもここまで快適に遊べるフレームレートが維持できるというのは、非常にうれしいところだ。
もっと軽量なタイトルとして、「VALORANT」はどうなるだろうか。フルHD解像度、描画負荷が最大になるよう設定したうえで、屋外射撃場の一定ルートを周回した際のフレームレートを、「Fraps」で取得した。
結果は平均が79fps、最小が63fpsだった。こちらは最低でも60fpsを上回っており、十分に遊べるパフォーマンスを発揮した。さらなる快適さを目指すのであれば、画質を調整すれば100fpsにも届きそうだ。
今回、そのほかのベンチマークテストとして、対戦格闘ゲームの「STREET FIGHTER V ベンチマーク」も試してみた。フレーム単位で技の隙などを計算しながら対戦する格闘ゲームは、まともに対戦をする上では対戦者同士の表示画面が一定のフレームレートに合っていなければならない。
フレームレートが高ければ高いほどいいシューター系タイトルとは異なり、高くても低くてもだめで、本作では基準値の60fpsが出るか/出ないかのみが快適さの基準といえる。今回のDeskMini X300でしっかりと遊べるのか試してみた。
「STREET FIGHTER V ベンチマーク」の結果、Ryzen 7 PRO 4750G搭載のDeskMini X300では、解像度フルHD、画面品質を「中」設定にすることで(ほぼ)60fpsが出せるということが分かった。
ちなみに、画面品質を「低」にすれば、完全に60fps張り付きになるが、ぱっと見でもわかるくらい画質は荒くなる。0.01fpsほどの差となるとほぼ知覚できないレベルなので、このフレームレート差をとるか画質を取るかは個人の好みによるだろう。いずれにせよ、本機でも格闘ゲームは十分快適にプレイ可能といえる。
PlayStation 4(PS4)よりも省スペースかつ、NVMeのSSDが使えるので、SATA接続のPS4よりもロードは高速になる。もちろん価格や用途が違うので、どちらがどちらの代わりになれるという話でもないのだが、これまでゲーム機を置いていたスペースにDeskMini X300を置いて格闘ゲームを遊ぶ、といったことは可能ではある。