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【AMDチップセットマザーボードレビュー第27回】

普通では物足りない、見映えもコスパも気になる人に最適なASUS「ROG Strix X570-F Gaming」

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

製品名:ROG Strix X570-F Gaming
メーカー:ASUS
実売価格:3万円前後

 AMD X570チップセットを搭載するマザーボードは、1万円台から9万円まで幅広い。求めるニーズによって異なるが、3万円前後が平均価格帯になるだろう。いわゆるメインストリーム帯の製品は、チップセットの機能を引き出しつつ、電源回路や安定性、耐久性で一定のレベルを満たす。ASUSの「ROG STRIX」シリーズなら「ROG Strix X570-F Gaming」がこれに当たる。

「ROG Strix X570-F Gaming」の主なスペック
対応ソケット Socket AM4
チップセット AMD X570
フォームファクター ATX
メモリースロット DDR4×4(最大128GB)
対応メモリークロック DDR4-4400(OC)~3400(OC)、DDR4-3200~2133
拡張スロット PCI Express 4.0 x16×3(x16/-/x4またはx8/x8/x4)、PCI Express 4.0 x1×2
ストレージインターフェース SATA3(6Gbps)×8、M.2(PCIe 4.0 x4/SATA)×2
ネットワーク 1Gb LAN(Intel I211AT)
サウンド 7.1ch HDオーディオ(SupremeFX S1220A)
リアインターフェース PS/2×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A×3、USB 3.2 Gen 2 Type-C×1、USB 3.2 Gen 1 Type-A×4、DisplayPort×1、HDMI×1、S/PDIF×1、オーディオ端子×5、USB BIOS FlashBack×1
M/B上インターフェース Aura LEDヘッダー×2、アドレサブルLEDヘッダー×2、USB 3.2 Gen 2 Type-Cヘッダー×1、USB 3.2 Gen 1 Type-Aヘッダー×1、USB 2.0ヘッダー×2など

 ROGシリーズのマザーボードは、大体どれもひと目でROGであることが分かるデザインだ。ROG Strix X570-F Gamingの場合は、バックパネルのシールド一体型カバー部分にROGロゴと、「STRIX」の文字をあしらっている。なお、兄弟モデルにROG Strix X570-E Gamingがあり、そちらは強化された電源回路、2.5GbE LANやWi-Fi 6、USB 3.2 Gen 2ポート増、LEDライティング機能も1つ上といったスペックだ。

 実売価格で1万円程度の開きがあるので、機能を求めるならハイエンドに片足を突っ込んだX570-E Gamingを、コスパを重視するならX570-F Gamingを選べばよいのではないだろうか。

電源回路は14フェーズ。CPUソケット左に7フェーズ、上に7フェーズ

 ROG Strix X570-F Gamingの電源回路は14フェーズだ。十分すぎるほどの余裕がある。自社製Digi+VRMをコントローラに、Dr.MOSを組み合わせた構成で、MOSFETはメインストリームで採用例の多いVishay Intertechnology「SiC639」。最大50A対応とされ、上位モデルのように60Aとまではいかないが、14フェーズ構成とあわせて1フェーズあたりの負荷を抑えられる。

PWMコントローラはDigi+VRM
MOSFETはVishay「SiC639」
VRMヒートシンクとの間にサーマルパッドを挟んだチョークと、標準品よりも耐熱を110%向上させたというコンデンサ
CPU用電源端子は8+4ピン

 VRMヒートシンクは大型だがシンプルな設計。2つのヒートシンクをヒートパイプで結んだデザインだ。一般的なVRMヒートシンク同様、MOSFETの熱をサーマルパッドを通じて熱輸送するが、本製品はチョーク部分にもサーマルパッドをはさみ、そちらの熱も処理する。

シンプルなデザインだが、MOSFETとチョークの両方の熱を放熱する

 チップセットヒートシンクはM.2ヒートシンクと一体感を持たせた大型タイプで、表面のパンチング処理とそこにテキストをあしらったインパクトのあるデザインだ。内部にはファンを内蔵している。

パンチ穴とテキストでデザイン性を高めたチップセットヒートシンク。なお、M.2ヒートシンクの着脱時にこのPCHヒートシンクカバーを外す必要があるので、そのタイミングでファンのホコリ取りをするとよい

 拡張スロットは、CPU直結のPCI Express 4.0 x16スロットが2本(x16×1またはx8×2)あり、ほかチップセット側につながるPCI Express x16形状のx4スロット、2つのPCI Express 4.0 x1スロットがある。

 2本のPCI Express 4.0 x16スロットの間隔は2スロット分。最近多い3スロット厚のハイエンドビデオカードを搭載しても2番目のスロットを塞ぐことがない。PCI Express x16 #3はPCI Express x1 #2との排他利用となる。ただし、そのほかのPCI Expressスロットの使用でM.2やSerial ATAポートが利用できなくなる排他の関係はないようだ。

PCI Express 4.0 x16スロットには金属カバーによる補強が施されている

追加機能は最小。オーディオ機能はROGグレード

 そのほかインターフェースなどのハードウェアは比較的シンプルだ。有線LANは1GbEのIntel I211-ATを搭載。2.5GbEは現在5ポートで1万円台後半という価格であり、普及はまだ2~3年先と考えるならば、1GbEモデルで価格を抑えるという考えもありだ。ROG Strix X570-F Gamingのスペックならばその2~3年を十分にカバーできる。

LANチップは1GbEのIntel「I211-AT」

 USBに関しては追加チップは確認できなかった。すべてチップセット側機能を利用していると思われる。速度を求めるUSB 3.2 Gen 2はリア・フロント両方に用意されており、Type-A/Cともに装備している。メインで利用されるだろうUSB 3.2 Gen 1も十分なポート数と言えるだろう。

数はそこまで多くないが、映像出力を含め不便を感じさせないバックパネル端子
フロントUSB Type-CヘッダーはUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)対応

 ストレージはM.2×2、Serial ATA 3.0×8。M.2に関してはCPU直結とチップセット経由が各1基。AMD X570マザーボードの中には3スロット以上を搭載するものもあるため、少なく感じるところもあるが、どちらもPCI Express 4.0 x4/Serial ATA 3.0両対応とされているため、自由度は高い。一方、Serial ATA 3.0ポートが8基あるのは3.5/2.5インチストレージを大量に搭載したいユーザーにとって魅力的だろう。

M.2 22110対応のスロットを2つ
最近では数を減らされがちなSerial ATAポートも8基搭載

 オーディオ回路は同社SupremeFX S1220Aチップにニチコン製オーディオグレードコンデンサ、デュアルオペアンプを加えている。ソフトウェアの「Sonic Studio」が利用できることに加え、DTS Sound Unboundによる立体音響も楽しめる。

SupremeFX S1220Aは通常のRealtek ALC1220チップが108dBであるところ、113dB(入力)に向上させているとのこと
実装されているオペアンプはTIのRC4580「R4580I」と同OPA1688「O1688A」と見られる
ニチコンのオーディオグレードコンデンサを搭載

 LEDイルミネーションは一体型シールドパネルのエンブレムとロゴ部分で、ほかはAura LEDヘッダーとアドレサブルLEDヘッダーが各2つ用意されている。制御ユーティリティーはAura Sync。

ROGマークとSTRIXロゴが光る
LEDヘッダーはわかりやすい白端子。4ピン(左)と3ピン(右)が2つずつ

見映えヨシ、コスパヨシ、Zen 3への備えヨシ

 ROG Strix X570-F Gamingは、メインストリームの1つ上を狙いつつも、基本的な機能に絞り込みコストパフォーマンスを向上させ、「ROG STRIX」としてのデザイン性も持たせたマザーボードと言える。上位モデルのような追加機能がないため、スペック重視の方には物足りないかもしれない。しかし、CPUとチップセットの機能をカバーしているため不足はない。

ROG Strix X570-F Gamingはデザインのよいマザーボードという点でも人気だろう。隠れてしまう背面にもテキストが散りばめられている

 インターフェースでのポイントは2.5GbE非対応と、フロントUSB 3.2 Gen 2 Type-C対応。前者は後者と比べるとまだ普及には至っていない印象だが、次世代のスタンダードになるだろうことから、いつ普及が始まるのか、いつ導入すべきかがポイントになる。

 オンラインゲームをすることが多いならば一足先に導入してもよいと思われるが、まだ高価であり手頃な価格になるのは2~3年後と考えるならば、現時点でオンボードにこだわる必要はないだろう。拡張カードで追加搭載するという選択肢もある。

 Ryzen 5000シリーズへの対応については、BIOSバージョン「2606」(8月17日付け)で対応済みとされ、執筆時点では「AMD AM4 AGESA V2 PI 1.1.0.0 Patch B」対応の「2802」が10月23日付けで公開されている。本製品もRyzen 5000シリーズへの準備は万全だ。

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