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検証環境は?
そろそろ今回の検証環境を紹介しよう。前述の通り今回はAMD側の要請により、Ryzen 9 5900XとRyzen 7 5800Xの2モデルしかテストすることができなかったので、比較対象も前世代同クラスのCPUを中心に揃えた。
Ryzen 9 3900XTとRyzen 7 3800XTの2つを選択したのは、CPUのコア数だけでなく、CPUクーラーが同梱しないモデルであること、さらにRyzen 5000シリーズとシリコン製造の“レシピ”が同じであるという理由からである。Ryzen 9 5950Xはテストできなかったが、Ryzen 9 5900Xの伸び方次第では旧16コアモデルも食う可能性があるので、Ryzen 9 3950Xも評価に加えている。さらに比較対象として、インテルのCore i9-10900KとCore i7-10700Kの2モデルも追加した。
また、ビデオカードはRadeon RX 6000シリーズのレビューサンプルがまだ存在しない段階であったため、GeForce初のPCI Express Gen4対応GPUである「GeForce RTX 3080 Founders Edition」を選択した。
ちなみに、X570マザーボードのBIOSはレビュー用に配布されたバージョンではなく、GIGABYTE公式からダウンロードできるAGESA 1.1.0.0 C対応の「F31e」(10月29日付)に統一。Windows 10は最新の「20H2」とし、Windows 10のHAGS(ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリング)は有効とした。インテル環境で重要なCPUのPower Limit設定については、インテルの定格(PL1=TDPとなる設定)設定とした。
【検証環境:AMD】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 3950X」 (16C/32T、3.5~4.7GHz)、 AMD「Ryzen 9 5900X」 (12C/24T、3.7~4.8GHz)、 AMD「Ryzen 9 3900XT」 (12C/24T、3.8~4.7GHz)、 AMD「Ryzen 7 5800X」 (8C/16T、3.8~4.7GHz)、 AMD「Ryzen 7 3800XT」 (8C/16T、3.9~4.7GHz) |
CPUクーラー | Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」 (簡易水冷、280mmラジエーター) |
マザーボード | GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」 (AMD X570、BIOS F31e) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」 (DDR4-3200、16GB×2)×2 |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」 |
ストレージ | Corsair「Force Series MP600 CSSD-F1000GBMP600」 (NVMe M.2 SSD、1TB) +ウエスタンデジタル「WDS100T2X0C」 (NVMe M.2 SSD、1TB) |
電源ユニット | Super Flower「Leadex Platinum 2000W」 (80PLUS PLATINUM、2000W) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」 (October 2020 Update) |
【検証環境:インテル】 | |
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CPU | インテル Core i9-10900K (10C20T、最大5.3GHz)、 インテル Core i9-10900 (10C20T、最大5.2GHz)、 インテル Core i7-10700K (8C16T、最大5.1GHz) |
マザーボード | ASUS「ROG MAXIMUS XII EXTREME」 (Intel Z490、BIOS 0707) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」 (DDR4-3200、16GB×2、CPUの定格で運用)×2 |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」 |
ストレージ | Corsair「Force Series MP600 CSSD-F1000GBMP600」 (NVMe M.2 SSD、1TB) +ウエスタンデジタル「WDS100T2X0C」 (NVMe M.2 SSD、1TB) |
電源ユニット | Super Flower「Leadex Platinum 2000W」 (80PLUS PLATINUM、2000W) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」 (October 2020 Update) |
シングルスレッド性能も完全にAMDの天下
では定番の「CINEBENCH R20」のスコアー比較から始めよう。各CPUの実売価格(11月4日時点)をマルチスレッドのスコアーで割り、1円あたりのスコアーも比較してみた。グラフは上からコア数順にソートしている。
ここで注目したいのは10C20TのCore i9-10900Kと8C16TのRyzen 7 5800Xのマルチスレッドのスコアーがほぼ同じであること、さらにRyzen 5000シリーズのシングルスレッドのスコアーは群を抜いて高いことの2つだ。
Core i9-10900KもPL1=無制限設定にすればもう少しスコアーを伸ばすことができるが、定格でシングルスレッド600ポイント以上は難しい。かつてはシングルスレッド性能の高さを伝家の宝刀としたインテル製CPUだが、Zen3世代のRyzen 5000シリーズでは、シングル最速の栄冠は完全にAMDの掌中にあるといってよい。
マルチスレッドのスコアーに関してもRyzen 5000シリーズは良好な伸びを示しており、特に12C24TのRyzen 9 5900Xは19%スコアーを伸ばしている。今回のRyzen 5000シリーズの動作クロックは3000XTシリーズに100MHz上乗せしただけなので、前述のIPC19%上昇とほぼ合致する結果が得られたと考えてよいだろう。
そして1円あたりのスコアーはRyzen 5000シリーズがRyzen 3000XTシリーズよりもやや上の値を示している。Ryzen 5000シリーズは値段だけ見ると前世代よりガッツリ値上げされたような気分になるが、こうして費用対効果を計測してみると値上げ分の仕事はこなしているようだ。