PCI Experess 4.0の高速性を
遺憾なく発揮するPG4VNZシリーズ
ここからは、ベンチマーク結果からPG4VNZシリーズの性能を見て行こう。PG4VNZシリーズは、500GB、1TB、2TBのすべてのモデルを用意した。また、比較用に500GBモデルの第1世代のPCI Express 4.0対応SSD「PG3VNDシリーズ」と、PCI Experess 3.0対応のQLC NANDメモリ採用製品「EG1VNEシリーズ」も用意した。検証環境は表の通りだが、SSDはCPU側のM.2スロットに接続してテストを実施。発熱テストに関しては、まずはヒートシンク無しの状態で検証し、そのあとにヒートシンク有りの検証結果を記している。
検証環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 7 3700X」 (8コア/16スレッド、3.6~4.4GHz) |
マザーボード | GIGABYTE「X570 AORUS ELITE」(X570、ATX) |
メモリ | KLEVV「BOLT X KD4AGU880-32A160U」(16GB×2、DDR4-3200) |
グラフィックスカード | SAPPHIRE「PULSE RADEON RX 5600 XT 6G」 (Radeon RX 5600 XT) |
検証用SSD | CFD販売「PG4VNZ(CSSD-M2M2TPG4VNZ)」(2TB)、CFD販売「PG4VNZ(CSSD-M2M1TPG4VNZ)」(1TB)、CFD販売「PG4VNZ(CSSD-M2M5GPG4VNZ)」(500GB)、CFD販売「PG3VND(CSSD-M2B5GPG3VND)」(500GB)、CFD販売「EG1VNE(CSSD-M2M5GEG1VNE)」(500GB) |
システムSSD | Samsung「850 EVO」(250GB) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(Ver 2004) |
電源 | 玄人志向「KRPW-PT600W/92+」(600W、80PLUS PLATINUM) |
まずは、定番の「Crystal Disk Mark 7.0.0h」の結果だが、PG4VNZシリーズは、期待通りのさすがの高速性をみせている。1TB/2TBモデルは公称値通りの速度を発揮し、読み出し速度は7000MB/sを超えている。PCI Express 4.0 x4の帯域をすべて使い切っているわけではないが、ほぼ上限近くに達しており、第2世代PCI Express 4.0対応NVMe SSDにふさわしい性能と言えるだろう。
また、書き込み速度も1TBモデルでは5268.9MB/s、2TBモデルでは驚異の6740MB/sを記録した。PG4VNZシリーズの2TBモデルは、3D TLC NANDメモリを採用した現在主流のPCI Express 3.0対応NVMe SSDの約2倍の速度に達しており、現役最速の性能を実現している。なお、1TBモデルと2TBモデルで書き込み速度に違いがあるのは、SSDに搭載されているNANDメモリのダイの総数の違いからくる並列処理の数の差と推測される。
PG4VNZシリーズは、512Gbit/ダイのNANDメモリが採用されており、500GBモデルでは8個のダイ、1TBモデルでは16個のダイ、2TBモデルでは32個のダイで設計されている。ダイの総数は、理論上の最大並列数とイコールになるため、500GBモデルでは8並列処理が最大、1TBモデルでは16並列処理、2TBモデルでは32並列処理まで行なえることになる。
実際の最大並列数は、コントローラーがどこまで並列処理をサポートするかによって決まるが、いすれにしても搭載しているNANDメモリのダイの総数が多い2TBモデルのほうが、性能を上げやすいことに違いはない。この差が、記憶容量の違いによる性能差を生んでいる。
また、500GBモデル同士の性能比較だが、PG4VNZシリーズが最大性能でPG3VNDとEG1VNEを圧倒している。PG4VNZの500GBモデルは、公称値通りの性能を発揮し、最大読み出し速度は6570.5MB/sを記録。同じPCI Experess 4.0対応のPG3VNDと比較して、約1500MB/sの速度アップを実現している。書き込み速度も高速化されており、PG3VNDと比較して最大書き込み速度が約300MB/sほどアップしているほか、4KBのランダム書き込み(Q1T1)の速度もPG3VNDよりも約100MB/sほどアップしている。
なお、EG1VNEが、PG4VNZやPG3VNDと比較して大幅に遅いのは、1Tbit/ダイの3D QLC NANDメモリを採用しているためだ。EG1VNEの500GBモデルは、1Tbit/ダイのNANDメモリを採用しているため、PG4VNZやPG3VNDの半分の4並列処理しかできない。これが、すべての面でPG4VNZやPG3VNDに大きく劣ってしまった理由だ。現在のSSDは、512Gbit/ダイまたは1Tbit/ダイのNANDメモリを採用した製品が増えている。同じ製品でもスペック上の最大性能を求めるなら、16並列処理以上が行なえるモデル、記憶容量にすると少なくとも1TBモデル以上のモデルを購入する必要がでてきていると言えるだろう。