PBO2のCurve Optimizer設定は(今のところ)BIOSで設定する。コア電圧下げ幅は具体的な電圧ではなく“カウント(Counts)”という単位でユーザーが指定することになる。1カウントは3mV~5mVと幅が設けられており、最大30カウントまで下げることができる。
カウントが高いほど、より低いコア電圧を狙う設定になるというわけだ。実際にこのカウント設定からどれだけ実コア電圧に反映されるかは、CPUの負荷や温度等の状況で判断される。コア電圧下げの最適値を探る作業から解放されるだけでなく、あらゆる状況に最適な下げ幅を見つけてくれる機能といえるだろう。
Curve Optimizerはコア電圧の調整幅を「カウント」という単位で管理する。30カウントまでの範囲で変更することができるが、その場合は90~150mVの変動が期待できる。実際どこまで下がるかは負荷のかかり方次第という訳だ。さらに電圧の変動方向はプラスにもマイナスにも指定できる(続く)
(続き)上の図からBIOSの画面の部分だけ拡大してみた。一番上の設定からCurve Optimizerは全コアもしくは特定のコアに対し適用できるようだ。2番目の設定では電圧を上げる(Positive)か下げる(Negative)かを決め、3番目の「Magnitude」がAMDが言うところの“Curve Optimizerのカウント”となる
「PBO2はこう使え」という簡単なガイドラインもAMDは示している。Max CPU Boost Clock Overrideまでは従来のPBOと同じだが、CCDの中の優秀なコア(Ryzen Masterで★や●が付くコア)に対しCurve Optimizerでコア電圧下げ(負のカウントを増やす)ことを試してみること、さらにCCDが2基あるRyzenは片方のCCD全体のコア電圧を下げてみるべし、としている
PBO2の効果については、Ryzen 7 5800XおよびRyzen 9 5900Xを例にとったグラフも提示されたが、シングルスレッドで2%、マルチスレッドで10%の性能向上が得られるとしている。もちろんCPUクーラーの性能やマザーの設計(VRMの設計に十分な余力も必要)にもよるが、Ryzen 5000シリーズの性能をさらに引き出すことができるので、今後が楽しみな機能といえるだろう。
ただし、PBO2は「オーバークロック」であるため、実施については完全な自己責任となり、保証外の行為であることを念押ししておきたい。
PBO2の効果を「CINEBENCH R20」のシングルスレッドのスコアーで比較したもの
同じくマルチスレッドのスコアーでの比較。シングルスレッドのスコアーよりも伸び率が良い点に注目
資料の最後には、PBO2を使ってCPUが壊れても、それは保証の対象ではない、という警告文が記されていた
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