細かなところでも進化あり。2.5GbE対応は要チェック
インターフェースも充実している。バックパネルはPS/2のようなレガシー端子を備えつつ、Wi-Fi 6アンテナやUSB 3.2 Gen2 Type-Cなどを備える。また、フロント用Type-CヘッダーはUSB 3.2 Gen2対応だ。ほか、拡張して利用するものとして、Thunderbolt AICヘッダーも備えている。
これはASRockからリリースされている「Thunderbolt 3 AIC」拡張カードを挿した際、カードとマザーボードを接続するケーブルのためのコネクタで、マザーボード側がこれを備えていないと拡張すること自体ができない。
X570 Taichiではネットワークが1GbE&Intel Wi-Fi 6という組み合わせだったが、昨今は特にデスクトップPCで重要な有線LANが2.5GbEに対応している製品が多い。この点、X570 Taichi Razer Editionでは2.5GbEのKiller Ethernet E3100が搭載されており、最新マザーボードと肩を並べた。無線LANに関しては小さな変更だが、Intel製Wi-Fi 6から、Intel製は変わらないもののKiller Wi-Fi 6 AX1650に変更されている。
オーディオ機能では、コーデックチップはRealtek ALC1220で同じだが、フロントオーディオ用にWIMA製コンデンサ、ESS SABRE9218DACといった組み合わせに変更されている。
拡張スロットは先に触れたようにPCI Express 4.0 x1スロット1基分少なくなったが、そのほかにも異なる箇所があるようだ。X570 Taichi Razer Editionでは外部PCI Express 4.0クロックジェネレータを搭載し、オーバークロック時の性能を向上させると謳われている。
M.2スロットは合計3基。まずPCI Express 4.0 x4/Serial ATA 3.0両対応のものが2基、1つはCPU直結でもう1つはチップセット接続となる。また、CPU直結側は2280サイズまでの対応だが、チップセット接続側は22110サイズまで対応する。残る1基はPCI Express 4.0 x4接続のみサポートされるチップセット接続の2280対応のものだ。なお、PCI Express 4.0 x4/Serial ATA 3.0両対応のチップセット接続側スロットを使用する場合は、PCI Express x16#3スロットと排他利用になる。
Razerのデザイン&トレンドに合わせたスペックで
X570ハイエンドのダークホース
X570 Taichi Razer Editionは、まずはもちろんRazerとのコラボレーションモデルであるところがポイントだ。ASRockらしさを残しつつもRazerのデザインにより流行りのブラックデザインに寄せている。ASRock製マザーボードは昨今のマザーボードの中ではカラフルだったが、X570 Taichi Razer Editionは少し落ち着いた印象がある。また、LEDはRazer Chroma対応なので、Razer製ゲーミングデバイスを利用しているユーザーにとってはメリットとなり、あるいはより個性的な発光パターンを求める人にもよいだろう。
そしてもう1つ、X570 Taichiのリフレッシュモデルとして最新スペックになったところも大きい。X570 Taichiもハイエンドモデルであるため、発売当初は最新のスペックと言える内容だったが、Ryzen 3000シリーズの頃に設計されたものだ。Ryzen 5000シリーズが登場した今、X570 Taichi Razer Editionは最新の、買って間違いないスペックであると言えるだろう。