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【AMDチップセットマザーボードレビュー第32回】

豪華な電源回路とM.2スロット、B550ながらハイエンドゲーミングPCにも適したMSI「MEG B550 UNIFY」(1/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

製品名:MEG B550 UNIFY
メーカー:MSI
実売価格:3万3000円前後

「MEG B550 UNIFY」の主なスペック
対応ソケット Socket AM4
チップセット AMD B550
フォームファクター ATX
メモリースロット DDR4×4(最大128GB)
対応メモリークロック DDR4-5100+(OC)~3466(OC)、DDR4-3200~1866
拡張スロット PCI Express 4.0 x16(x16)、PCI Express 3.0 x16(x4)、PCI Express 3.0 x1×2
ストレージインターフェース SATA 3(6Gbps)×6、M.2(PCIe 4.0 x4/SATA)×2、M.2(PCIe 4.0 x4)×1(※CPUサポートモード時)、M.2(PCIe 3.0 x4)×1(※CPUサポートモード時)
ネットワーク 2.5Gb LAN(Realtek RTL8125B)、Wi-Fi 6(Intel Wi-Fi 6 AX200)
サウンド 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC1220P)
リアインターフェース USB 3.2 Gen 2 Type-A×3、USB 3.2 Gen 2 Type-C×1、USB 2.0×4、PS/2×1、HDMI×1、S/PDIF×1、オーディオ端子×5、CMOSクリアボタン、Flash BIOSボタンなど
M/B上インターフェース RGB LEDヘッダー×1、RAINBOW LEDヘッダー×2、CORSAIR LEDヘッダー×1、USB 3.2 Gen 2 Type-Cヘッダー×1、USB 3.2 Gen 1 Type-Aヘッダー×1など

MSIの漆黒色マザーボードのAMD B550搭載版が「MEG B550 UNIFY」。ハデなLED演出は搭載しない質実剛健を追求しつつ、ハイエンドの「MEG」グレードでもあるUNIFYシリーズの製品だ。機能を最小限に絞った結果のシンプルさではなく、ハイエンドに求める機能に加え、長期安定を目指した電源回路や冷却機構を搭載している。

チップセットはAMD B550なので上位チップセットと比べて機能制限があり、差別化が難しいところだが、MEG B550 UNIFYはユニークな機能を備えている。映像出力端子も備えており、そのカバー範囲はゲーミングやOCにとどまらず広い。

そんなMEG B550 UNIFYの特徴を順番に見ていこう。まずは長期安定を目指した設計からだ。

PCにとって安定性と言えばCPU電源回路。MEG B550 UNIFYでは、CPU電源コネクタにEPS12V(8ピン)を2つ搭載しており、高性能CPUが求める電力をケーブル1本あたりの負荷を抑えつつ供給できる。

8ピンEPS12Vを2つ搭載。OCだけでなく、定格運用でも(ケーブルに対する)1系統あたりの電流負荷を下げる効果が期待できる

8ピンEPS12Vを2つ搭載。OCだけでなく、定格運用でも(ケーブルに対する)1系統あたりの電流負荷を下げる効果が期待できる

続いて電源回路。MEG B550 UNIFYのフェーズ構成は14+2。しかもフェーズダブラーを用いないダイレクト供給としている。どちらの方法にもそれぞれメリット・デメリットがあるが、MEG B550 UNIFYのようなダイレクト方式は一般的に負荷への反応、追従性がよいとされる。昨今の傾向では、ノイズを抑えられるダブラーよりも、多少ノイズが乗っても追従性がよいダイレクト方式をハイエンドで採用することが増えている。ハイエンドマザーボードに組み合わせられるハイエンドCPUは、負荷変動も大きいためだろう。

続いては部品単位で見ていこう。まずPWMコントローラはInfineonの「XDPE132G5C」。16フェーズ構成に対応しており、MEG B550 UNIFYではこのチップの仕様そのままに14+2フェーズを実現していると見られる。

PWMコントローラはInfineonの「XDPE132G5C」

PWMコントローラはInfineonの「XDPE132G5C」

MOSFETはInfineonのOptiMOS「TDA21490」。ピーク出力90A対応を謳い、放熱の効率が高いパッケージを採用していると言う。16フェーズすべてがこのMOSFETを採用しているというだけでも、PWMコントローラからMOSFETにかけての回路にコストをかけていることが分かる。そしてその下流には同社「チタニウムチョークIII」を組み合わせている。

MOSFETはInfineonの「TDA21490」

MOSFETはInfineonの「TDA21490」

VRMヒートシンクは同社の特徴でもある超大型のソリッドタイプ。I/Oシールドカバー部分まですべてがヒートシンクであり、大きな放熱面積でしっかり冷やしつつ、フィンタイプのものよりもコスト上昇を抑えられる。MEG B550 UNIFYでは左側ヒートシンクと上部ヒートシンクがヒートパイプで結ばれているため、この部分での熱の輸送、拡散ができる。

バックパネルのI/Oシールドカバーまで一体化した、大型サイズかつ上部ヒートシンクまでヒートパイプで接続した設計

バックパネルのI/Oシールドカバーまで一体化した、大型サイズかつ上部ヒートシンクまでヒートパイプで接続した設計

もう1つ、メモリーにも触れておこう。CPUのコア数が増えている昨今、メモリー帯域が足りないこともよくある。それにAPUではメインメモリーをグラフィックスメモリーとシェアするため、メモリーが高速であれば3D性能も伸びる。

MSIの上位マザーボードではDDR4 Boostと呼ばれる回路を採用しており、MEG B550 UNIFYではDDR4-5100+を謳っている。互換性検証という点でも積極的で、メモリーのサポートリストも充実しているので、性能を求める方はチェックしておくとよいだろう。

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