次世代LANに加えAPUで3系統映像出力
インターフェースを見ていこう。バックパネルは多少余裕があり、USBやオーディオに関しては端子数を絞っているが、種類としては十分と言えるだろう。
GIGABYTEのMini-ITXマザーボードで特徴と言えるのが豊富な映像出力端子だ。一般的にHDMI、DisplayPortが各1基あれば普通だが、GIGABYTEのMini-ITXではDisplayPortに加えてHDMI×2がある。マザーボードの映像出力が利用できるAPUとの組み合わせは、ゲームと言うよりはビジネス、ホームエンターテインメント寄りの用途になるだろう。
マルチディスプレーが低コストで実現できるほか、リビングのテレビとデスク上のディスプレーに出力できれば、テレビの大画面と手元のディスプレーによる操作で快適なホームエンターテインメントが実現できる。活用方法はいろいろだ。
ネットワークは2.5GbEとWi-Fi 6。Mini-ITXマザーボードでもATXマザーボードと同じトレンドに対応している。チップは有線LANがRealtek「RTL8125BG」、無線LANが「Intel Wi-Fi 6 AX200」。
USBはUSB 3.2 Gen 2 Type-A×1、同Type-C×1、USB 3.2 Gen 1 Type-A×4。4ポートのUSB 3.2 Gen 1 Type-Aのうち、1つはBIOS更新に用いる白いQ-Flash Plus端子になっている。
フロントUSBに関してはUSB 3.2 Gen 1 Type-A×1。マザーボード右辺、下辺は端子類が高密度に実装されており、USB 3.2 Gen 2 Type-Cを搭載するスペースが確保できなかったのだろう。Type-Cが必要な場合は、Type-A用ヘッダーから変換ケーブルを用いることで対応するのがよい。
オーディオ端子はバックパネル上では3つのみだ。S/PDIFは非搭載でPCB上にもヘッダーピンを確認できなかった。ただしコーデックチップはRealtek ALC1220-VBを採用しており、数は少ないがオーディオグレードのニチコンFine Goldコンデンサが3つ確認できる。より高音質を求めるゲーマーはUSB DACなどを活用するとして、一般的な用途ならオンボードサウンドでもカバーできるだろう。
LEDイルミネーションはマザーボード右辺の裏に搭載している。ゲーミングを謳うMini-ITXマザーボードでは一般的な位置だ。このほかにアドレサブルLEDヘッダー、RGB LEDヘッダーを各1基搭載している。
ハイエンドCPUにもAPUメインにもオススメできる
Ryzen CPUとグラフィックスカードを組み合わせたハイパフォーマンス構成を取る場合は、CPU電源回路がポイントになるだろう。多コアのCPUが激しくクロック変動するような使い方であっても、B550I AORUS PRO AX (rev. 1.0)の余裕のあるCPU電源回路なら安定動作を担うことができそうだ。効率のよい電源回路は小型PC、とくにハイエンド構成では熱を抑える点でもメリットがある。
一方、APUを組み合わせて、AMD B550のコスパとMini-ITXのコンパクトさを両立させようという用途なら、B550I AORUS PRO AX (rev. 1.0)の3系統映像出力がポイントになるだろう。Mini-ITXなので、コスパという点でATXやMicro-ATXと比べると少し高いが、B550I AORUS PRO AX (rev. 1.0)はAMD B550を搭載するMini-ITXマザーボードの中でも価格は中間帯にある。ミドルレンジ以上のスペックであることを考えれば、決して高過ぎるということはないだろう。