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【注目Radeonピックアップ!第28回】

240Hzゲーミングも余裕!クロックを90MHz引き上げたOCモデル、MSI「RX 6900 XT GAMING X TRIO」の実力をチェック(2/2)

文●宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部

多くのゲームで快適なプレイが可能
特に4K解像度でのパフォーマンスが優秀

それでは、テストによりRX 6900 XT GAMING X TRIOのパフォーマンスを見ていこう。今回、比較対象には「GeForce RTX 3080」(以下、RTX 3080)を用意。ゲーミング用途として人気の高いハイエンド向けのRTX 3080に対して、どれだけのアドバンテージがあるのかを確認しようというわけだ。なお、RX 6900 XT GAMING X TRIOは工場出荷時設定のBalancedでテストを行っている。それ以外のテスト環境は表のとおり。

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5900X」
(12コア/24スレッド、3.7~4.8GHz)
マザーボード ASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メインメモリ DDR4-3200 16GB(8GB×2)
グラフィックスカード MSI「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」(Radeon RX 6900 XT)
NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」
SSD Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」
(1200W、80PLUS GOLD認証)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」

まずは、「3DMark」(Version 2.17.7137)からだが、Fire StrikeにおいてRX 6900 XT GAMING X TRIOはRTX 3080に5~27%の差を付けた。特に4K(3840×2160ドット)解像度でのテストとなるFire Strike Ultraで、両者の開きが最大になっており、RX 6900 XT GAMING X TRIOは4K解像度で真価を発揮すると言ってよさそうだ。

一方、DirectX 12のテストとなるTime Spyでは、NVIDIAのAmpere世代のGPUがスコアを伸ばす傾向が見られるが、それでもRX 6900 XT GAMING X TRIOはRTX 3080に対して4~7%の溝を空けており、DirectX 12でも十分高いパフォーマンスを叩き出している。

では、実際のゲームではどうなのか、「BIOHAZARD RE:3」の結果に移ろう。ここでは、オプションから「テクスチャフィルタリング品質:高(3GB)」に指定して、ゲームをプレイ。そのうえで、1分間のフレームレートをGPUOpenの「OCAT」で取得している。なお、OCATの仕様上、データを並べた際の1%の値となる99パーセンタイルフレームレートを最小フレームレートの代わりに採用している。

さて、その結果だが、RX 6900 XT GAMING X TRIOはRTX 3080に平均フレームレートで9~11%の差を付けた。99パーセンタイルフレームレートでも、両者の差は6~9%ほどあり、RX 6900 XT GAMING X TRIOでのゲームの快適性は誰の目にも明らかだ。

続いて「DEATH STRANDING」では、最高プリセットを適用してゲームをプレイし、1分間のフレームレートを先ほどと同様にOCATで取得した。

1920×1080ドットはCPUがボトルネックになるためか、平均フレームレートにおける両者の差は縮まりつつあるが、それ以外の解像度を見てみると、RX 6900 XT GAMING X TRIOはRTX 3080を14~16%引き離している。特に、99パーセンタイルフレームレートを見ると、RX 6900 XT GAMING X TRIOは、3840×2160ドットで100fpsを上回っている点は評価できよう。

「Call of Duty: Warzone」でも、RX 6900 XT GAMING X TRIOのパフォーマンスは良好だ。ここでは、オプションから描画負荷が最大になるように設定し、ゲームをプレイ。1分間のフレームレートをOCATを用いて取得している。

平均フレームレートでは、RX 6900 XT GAMING X TRIOは、これまでの傾向と異なり、3840×2160ドットでRTX 3080に5%までその差を詰められるものの、それ以外の解像度では18%ほどの溝を空け、格の違いを見せ付けている。ただし、99パーセンタイルフレームレートにおいては、3840×2160ドットでもRTX 3080より21%ほど上につけ、100fps近いパフォーマンスを発揮している点は目を見張るものがある。

最後に「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」のテスト結果も確認しておこう。ここでは、最高品質に設定してベンチマークを実行している。やはりGeForceシリーズへの最適化が進んでいることもあり、RX 6900 XT GAMING X TRIOは苦しい戦いを強いられている。

それでも、RX 6900 XT GAMING X TRIOは3840×2160ドットでスクウェア・エニックスの指標で最高評価になるスコア7000の2倍以上を発揮。RTX 3080と逆転している点は注目すべきポイントだ。

価格は実売で20万円弱
高価だが品質と性能ともに申し分なし

以上のテスト結果から明らかなとおり、RX 6900 XT GAMING X TRIOのゲームパフォーマンスはかなり高い。今回検証したタイトルでは、4K解像度で描画負荷を最大に設定しても、十分なフレームレートが得られるという点に、魅力を感じるゲーマーは多いのではないだろうか。もちろん、解像度を抑えてフレームレートを高め、高リフレッシュレートの液晶ディスプレーと組み合わせることで、FPSやTPSで有利に立ち回ることも可能だ。

RX 6900 XT GAMING X TRIOの実売価格は19万5000円~20万円ほどと、気軽に購入できるものではないことは確か。だが、これだけの高いパフォーマンスを発揮し、GPUクーラーなどのしっかりとした作り込みを考慮すると、このRX 6900 XT GAMING X TRIOは、それだけの価値があるカードと言っていいだろう。


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