Radeon VIIから5割ほどの進化を遂げたRX 6800 XT
さらにRX Vega 64比では2倍以上の性能
それでは、実際にテストを進めていこう。今回、Radeon Softwareは「Adrenalin 2020 Edition 21.3.1」で統一している。すでにAdrenalin 2020 Edition 21.3.2が登場しているが、テスト開始時のタイミングにより、このバージョンでのテストとなっていることはご理解いただきたい。そのほかのテスト環境は以下表のとおりで、CPUにはAMDの「Ryzen 9 5900X」を用いている。
【テスト環境】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5900X」(12コア/24スレッド、3.7~4.8GHz) |
ビデオカード | Radeon RX 6800 XTリファレンスカード、Radeon RX 6800リファレンスカード、Radeon VIIリファレンスカード、Radeon RX Vega 64 Liquid Cooled Editionリファレンスカード |
マザーボード | ASRock「X570 Taichi」(AMD X570) |
メモリー | DDR4-3200 8GB×2 |
ストレージ | Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB SSD) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS GOLD) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro」(64ビット) |
まずは「3DMark」(Version 2.17.7137)の結果から見ていこう。
「Fire Strike」では、RX Vega 64からRadeon VIIでは13~17%ほどスコアーが上昇。RX 6800 XTは、そのRadeon VIIに45~85%もの溝を空けており、格の違いを見せつけている。なお、「Fire Strike“無印”」でRX 6800 XTとRadeon VIIとの差が詰まっているのは、テスト解像度がフルHDと低いため、RX 6800 XTのテストではCPUがボトルネックとなったためと捉えるのが妥当だろう。
また、RX 6800でも、Radeon VIIには32~62%の差をつけており、RDNA 2世代は前世代から大きな上積みがあることが見て取れる。それはDirectX 12のテストである「Time Spy」でも同じだ。Time Spyでは、RX 6800とRadeon VIIとの差は70~76%、RX Vega 64にはほぼダブルスコアーの差をつけており、RX 6800 XTとでは勝負になっていない。
さらに、3DMark実行時のシステム全体の消費電力を「Watts up? PRO」で取得してみた。
今回はピーク値を最大消費電力として採用しているが、RX 6800 XTはRadeon VIIよりも30W弱増えてしまっているものの、RX Vega 64よりは45Wほど低い消費電力を実現。このあたりは、7nmプロセスが奏功したといっていいだろう。RX 6800にいたっては、Radeon VIIより30W弱低い値となっており、RX 6800 XTとRX 6800は、消費電力という観点でも世代の進歩を実感できる内容となった。
では、実際のゲームではどうなのか、「BIOHAZARD RE:3」の結果に移ろう。ここでは、オプションから「テクスチャフィルタリング品質:高(3GB)」に指定して、ゲームをプレイ。1分間のフレームレートをGPUOpenの「OCAT」で取得している。なお、OCATの仕様上、最小フレームレートの代わりに、データを並べた際の全体の1%が位置する値を、99パーセンタイルフレームレートとして採用している。
その結果だが、RX 6800 XTはRadeon VIIに平均フレームレートで55~61%の差をつけ、RX Vega 64に92~105%ほど引き離す勢いを見せた。ただ、99パーセンタイルフレームレートを見ると、RX Vega 64であっても2560×1440ドット以下の解像度であれば80fps以上のパフォーマンスが得られており、快適なプレイが可能だ。そのため、BIOHAZARD RE:3におけるRX 6800 XTとRX 6800のアドバンテージは、4K解像度でも常時60fps以上のパフォーマンスが得られる点であるといってよいだろう。