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「日本人は“質実剛健”」MSIに聞く、日本市場のAMDプラットフォーム製品の人気(1/2)

文● 宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部

ドラゴンのロゴが印象的なMSIは、AMDプラットフォームの製品を積極的に開発しているメーカーの1つだ。特に最近では、マザーボードやグラフィックスカードのほかにゲーミングノートPCが人気なようで、その中でもRyzenを採用したモデルは好調のようだ。

そんなMSIは、シェアを伸ばすRyzenをどう捉えているのだろうか? また、最近登場したRadeon RX 6000シリーズに関しては手ごたえを感じているのか。エムエスアイコンピュータージャパンの新宅洪一氏に話を伺った。

エムエスアイコンピュータージャパンのMBプロダクトマーケティング/FAEの新宅洪一氏

マザーボードのキーワードは“質実剛健”
ゲーミング向けでもシンプルなものが好まれる国民性とは

――今日はよろしくお願いします。まず、AMDプラットフォームのマザーボードの中で、人気を集めているのはどのモデルになりますか?

新宅氏:「MEG X570 UNIFY」ですね。最近のゲーミング向けモデルは、LEDを搭載して派手に光るものが多いです。それに反して、弊社のMEG X570 UNIFYは黒一色で光りません。まさに現在のトレンドと真逆を行く製品です。ですが、それがユーザーさんに受け入れられまして、近年稀に見るヒット商品になっています。

MEG X570 UNIFYはLEDが光らないなどシンプルなデザインではあるのですが、電源回路が強力で高機能なモデルですので、まさに“質実剛健”を具現化したと言っても過言ではありません。MEG X570 UNIFYのヒットで、「日本市場ではゲーミング向けでもシンプルなデザインが好まれる」というのがわかったことが、弊社としては大きな収穫だったと考えています。

“光らない”ことがヒットに繋がったというX570搭載モデルのMEG X570 UNIFY

――MEG X570 UNIFYはどういった経緯で開発されたマザーボードなのでしょうか?

新宅氏:もともと本社でシンプルなデザインのマザーボードを作るみたいな話が挙がっていまして、そこでシンプルでありながら高機能・高性能な製品はどうかと伝えたところ、いいアイディアだと採用されまして、MEG X570 UNIFYが誕生しました。

――最新製品ではどのモデルが売れていますか?

新宅氏:「MPG B550 GAMING PLUS」ですね。その理由としては、一番大きな要因はコスパの高さだと思います。AMDのRyzenの人気が出た理由に、競合製品に比べて安価でコア数が多いというコスパのよさが挙げられます。CPUに合わせてコスパがいいものを選ぶユーザーさんが多く、その結果、MPG B550 GAMING PLUSの売れ行きが伸びたと分析しています。

そのMPG B550 GAMING PLUSと同じくらい人気なのが「MAG B550 TOMAHAWK」です。このMAG B550 TOMAHAWKも、MPG B550 GAMING PLUSと同様にシンプルなデザインですので、そこがユーザーさんに受け入れられたのかなと思います。

コスパのよさが好評を博したいうMPG B550 GAMING PLUS

こちらも人気だというMAG B550 TOMAHAWK

――ここでも、凝ったデザインよりもシンプルなもののほうをユーザーは選んでいるということですね。

新宅氏:はい。AMDプラットフォームを選ぶユーザーさんは、自作PCについて非常に目が肥えている印象があります。そういったユーザーさんは、しっかりとした品質や性能で製品を作っておけば、シンプルなデザインであっても購入していただけますね。

――では、グラフィックスカードではいかがですか? そちらもシンプルな製品が好まれる傾向が強いですか?

新宅氏:ゲーミング用途としては、LEDを光らせたいというのも理解できます。LEDの点灯させて、気分を高めてゲームをプレイしたいといったユーザーさんもいらっしゃいます。でも、ここは国民性が表れるところで、日本の方は光らなくていいよとおっしゃる方は多いですね。たとえば、PCケースでは、日本市場でFractal Designさんの窓ナシモデルが人気を博していますが、その点を見ても、ユーザーさんはあまりグラフィックスカードが光ることを重要視していないのかなと思います。

――国民性というのはおもしろいですね。

新宅氏:はい。北米市場だと、LEDが光らないのはありえないといった反応です。それは、グラフィックスカードだけでなくマザーボードも同じで、MEG X570 UNIFYの人気は、PCゲーミング最大の北米市場よりも人気があります。

――AMDはRyzenの登場でパフォーマンスが一気に伸び、市場にも受けられました。御社はRyzenが登場したことで、AMDに対するイメージの変化などありましたか?

新宅氏:弊社は、Ryzenが登場する前からAMDプラットフォームで、ゲーミング向けのマザーボードを発売していました。正直に言いますと、以前のAMD製CPUはボルテージも高く、優れた製品と言い難く、理解した人が選んでいるといった印象ありました。それこそ、AMDが好きな方ですね。

ですが、Ryzenの登場によりユーザーさんのAMDに対する印象がガラっと変わったことで、弊社もAMDに対してユーザーさんに沿った形で変わりましたね。それはマザーボードの設計にも反映されていて、以前は尖った仕様の製品が多かったのですが、最近は多くの方が使いやすい製品へと変わっています。

――ではGPUに関してはいかがですか? Radeon 6000シリーズで久しくなかったハイエンドモデルが登場するなど大きな変化がありました。

新宅氏:Radeon 6000シリーズは、GPUでの演算処理よりも、ゲーミングパフォーマンスに大きく舵を切ってきたことが好印象ですね。Radeon 6000シリーズは競合製品と勝負できるパフォーマンスを備えていますので、今後の搭載モデルを売っていくのが楽しみな製品です。

最上位モデルに置かれるRadeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G

ミドルレンジ向けモデルのRadeon RX 6700 XT GAMING X 12G

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