RTX 3060 Tiを安定して上回る
高いゲームパフォーマンスを発揮
それでは、Hellhound Spectral Whiteのパフォーマンスをチェックしていこう。今回は、RX 6700 XTと同じミドルレンジ向けということもあり、比較対象には「Geforce RTX 3060 Ti」(以下、RTX 3060 Ti)を用意。グラフィックスドライバには、Hellhound Spectral Whiteが「Radeon Software Adrenalin 21.4.1」で、RTX 3060 Tiが「GeForce 466.27 Driver」と、いずれもテスト時に最新バージョンとなるものだ。それ以外のテスト環境は表のとおり。
テスト環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」 (16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz) |
マザーボード | ASRock「X570 Taichi」(AMD X570) |
メインメモリ | DDR4-3200 16GB(8GB×2) |
グラフィックスカード | PowerColor「Hellhound Spectral White AMD Radeon RX 6700 XT 12GB GDDR6」(Radeon RX 6700 XT) NVIDIA「GeForce RTX 3070 Founders Edition」 |
SSD | Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」 (1200W、80PLUS GOLD認証) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」 |
まずは、「3DMark」(Version 2.17.7166)からだが、Fire Strikeにおいては、Hellhound Spectral WhiteはRTX 3060 Tiに9~14%ほどの差を付けており、Fire Strike“無印”よりも、Fire Strike ExtremeやUltraのほうが差が広がっている点は興味深い。
これは、Fire Strike“無印”ではCPU性能がボトルネックになり、両者の差がスコアに表れ難いということなのだろう。一方、DirectX 12のテストであるTime Spyでは、打って変わってHellhound Spectral WhiteはRTX 3060 Tiの後塵を拝してしまっている。RTX 3060 Tiを始めとしたNVIDIAのAmpere世代のGPUは、Time Spyで良好なスコアを発揮する傾向があるためだ。
では、実際のゲームではどうなのか、「BIOHAZARD RE:3」におけるフレームレートを確認してみたい。ここでは、オプションからテクスチャフィルタリング品質:高(3GB)に設定してゲームをプレイし、1分間のフレームレートを「OCAT」(Version 1.6.1)で取得した。なお、OCATの仕様上、データを並べた際の1%に位置する値となる99パーセンタイルフレームレートを最小フレームレートの代わりに用いている。
さて、その結果だが、Hellhound Spectral Whiteは、2560×1440ドット以下の解像度であれば、平均フレームレートでRTX 3060 Tiに2~3%ほどの差を付けた。
3840×2160ドットでは逆転を許すものの、両者の差は1.5fpsしかなく、ほぼ横並びと言ってしまっても問題はない。一方、99パーセンタイルフレームレートに目を移すと、Hellhound Spectral Whiteは3840×2160ドットでも60fpsを上回っており、快適なプレイが実現できている。
続いて「Call of Duty: Warzone」では、オプションから描画負荷が最大となるように設定したうえで、プレイ中のフレームレートを先ほどと同じくOCATから取得している。その結果だが、Hellhound Spectral Whiteは、平均フレームレートでRTX 3060 Tiに7~10%ほどの溝を空けるパフォーマンスを発揮。
99パーセンタイルフレームレートでは、両者の差は最大で18%近くにも達しており、Hellhound Spectral Whiteの優位性はかなり高い。1920×1080ドットでは、RTX 3060 Tiは120fpsを超えるのがやっとなのに対して、Hellhound Spectral Whiteは144fpsを上回っている点に心惹かれる人も少なくないだろう。
さらに、「DEATH STRANDING」でも、Hellhound Spectral Whiteは好調な結果を見せている。ここでは最高プリセットを適用したうえでゲームをプレイ。1分間のフレームレートをこれまでと同じくOCATで計測している。
ここでは、3840×2160ドットこそ追いつかれているものの、2560×1440ドットの以下の解像度であれば、Hellhound Spectral WhiteはRTX 3060 Tiに平均フレームレートで5~7%程度の差を付けている。99パーセンタイルフレームレートでも、Hellhound Spectral Whiteの優位性は変わらず、また3560×2160ドットで60fpsを超えているので、プレイに支障はなさそうだ。
最後に「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果を見てみよう。ここでは、最高品質に設定したうえでベンチマークを実行しているが、Hellhound Spectral Whiteは1割ほどRTX 3060 Tiに届かない結果に終わっている。
これは、同ベンチマークではGeForceシリーズへの最適化が進んでいるためだが、それでもHellhound Spectral Whiteは、3840×2160ドットでスクウェア・エニックスが指標で最高評価とするスコア7000を大きく上回る値をマーク。2560×1440ドットになると、スコアはその倍以上にまで達しており、かなり快適なプレイが実現できるだろう。
魅力的な白色の限定モデル
PCを白で統一したい人にオススメ
以上のテスト結果から明らかなように、Hellhound Spectral Whiteはミドルレンジ向けとして十分なパフォーマンスを備えていると言っていい。だが、Hellhound Spectral Whiteの最大の魅力はやはり“白”だ。聞くところによると、PCケースは黒色よりも白色のほうが人気が高いことが多く、その理由として外見のデザインのよさや、LEDのイルミネーションが映えるという点が挙げられる。そうした白色のPCケースを購入したユーザーにとって、色の統一感を出せるHellhound Spectral Whiteはかなり魅力的な製品ではないだろうか。
PowerColorによると、このHellhound Spectral Whiteは限定モデルということで、他人とは違う個性的なPCを組みたいと考える人にとって、このHellhound Spectral Whiteは食指が動く製品であることは間違いない。