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自作PCの醍醐味!?
個人の好みが大きく出るケースを選ぶ
CPUとマザーボードが決まれば、次はケースだ。ケースは個人によって好みが変わるだけに、アドバイスできることはただ一つ。「好きなものを選べ」だ。
ただし、将来の拡張をどうするかは考えておこう。SATA接続のSSDやHDD、ビデオカードを含む拡張ボードなどを使いたいなら、ベイや拡張スロットのあるケースが必要となる。
CPU内蔵のグラフィック機能を使い、SSDはM.2で十分だと割り切れば、サイズを優先したケース選びもアリだ。
今回は「コンパクトなカジュアルゲーミングPC」を目的としていること、将来ビデオカードを増設することも視野に入れておきたいので、拡張スロットのあるケースの方がいいだろう。
コンパクトで拡張性があり、それでいて見た目にインパクトのあるケースを探していたところ、見つけたのがPHANTEKSの「EVOLV SHIFT 2 AIR」だ。Mini-ITX用としてはサイズは大きめだが、おもしろいのがその大きくなった方向。通常であれば奥行きが長くなるのだが、このケースは縦に長い。それもそのはず、マザーボードを90度回転し、通常背面にくるバックパネルが天板方向へと来るようになっているからだ。
また、この長さは拡張スロット部のサイズにも影響しており、小さいながらも2.9スロットのハイエンドビデオカードにも対応。さらに120mmのラジエーターを採用した水冷クーラーも内蔵できるというから驚きだ。
Mini-ITX用ケースの共通した悩みは、小型ケースであるがゆえに内部が狭く、組み立ての難易度が高くなることだ。「EVOLV SHIFT 2 AIR」も例外ではないが、少しでも組み立てやすくなるよう、前後左右のパネルがすべて外せて、内部へアクセスしやすいよう工夫されているのがうれしい。
ケースと同時に決めておきたいのが電源ユニットだ。In Win「B1」のように電源内蔵ケースであれば悩まなくて済むが、ない場合は別途購入する必要がある。
この時注意するのは、内蔵できる電源ユニットにも規格があること。「EVOLV SHIFT 2 AIR」は通常のATX電源は装着できず、コンパクトなSFX、もしくはSFX-Lという規格の電源ユニットとなるので、この規格に合う製品を選ぶようにしよう。
悩みがちな電源容量だが、CPU単体で使うのであれば300W以上、ビデオカードも使うのであれば550W以上というのを一つの目安にしておくとわかりやすい。もちろんこれ以下の電源容量でも動作する可能性は高いのだが、余裕がある方が安定動作につながる。なお、容量の大きな電源ユニットを搭載しても、実際の消費電力はほとんど変わらないので安心してほしい。
もう一つ、ケースに大きく左右されるパーツがCPUクーラーだ。Mini-ITXでは電源ユニットと同じようにサイズによる制限があり、空冷の大型CPUクーラーは搭載できないことが多い。ケースの詳細として、搭載できるCPUクーラーのサイズ(高さの制限)が書かれていることが多いので、まずはここをチェックしておこう。
実例を出すと、In Winの「B1」では60mmまで、今回選んだ「EVOLV SHIFT 2 AIR」では85mmまでという高さ制限があった。CPUクーラーがどのくらい冷却できるかによってCPU性能が変わることも多いだけに、慎重に選んでおきたいところだ。
薄型CPUクーラーとしては高めの冷却性能、そしてその静音性で多くの自作マニアから人気があるのがNoctuaの「NH-L9a-AM4」だ。わずか37mmしかないのでほとんどのケースに装着できるのがメリットとなる。